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NPO法人 さとうみ振興会

NPO法人 さとうみ振興会(さとうみしんこうかい)からのお知らせや、活動報告などを書いていきます。
当会のホームページはこちらです。
http://www.satoumi.org/


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海辺の水環境を守るために [2010年12月27日(Mon)]
今回は、平成20年6月「月刊浄化槽」財団法人日本環境整備教育センターに掲載されたものをブログに掲載し、当会の発足の経緯を振り返りたいと思います。

長いですが、ぜひご一読ください。

■当会の発足のきっかけ
皆さんが、日常的に海に親しむことが無くなりはじめたのは何時頃でしょうか?多分団塊の世代までの幼年期の遊びは春にはアサリ堀・夏には海水浴・秋には紅葉狩り・冬には雪だるま、など自然の恵みを受け、季節に応じた遊びが家族的に行われていたと思います。

また、家の周辺の地勢には精通しており家庭から流した水はどこを通じてどこに流れるかは知っていましたし地域の共同作業もありました。それが昭和40年度ごろからの高度成長とあいまって共同体の活動が低下すると共に、身の回りのことが良くわからなくなって参りました。

それ以上に都市への集中化が始まり田舎の過疎化と高齢化が急激に進むと共にITなどの情報が氾濫する現代を迎えたことはご承知の通りです。

何事にも便利さを享受できる社会は、ややもすると問題点を希薄にさせる等、無責任な感覚も醸成する傾向も否めない環境となって参りました。(ゴミの投棄など)

海辺付近では高潮対策などの面から直立型護岸などの設置があり川の河口部もそれに応じた構造となっていることから都市部では、気軽に浜に下りることが出来なくなり漁業を営む人など海に関る以外の人達が海に親しむことが困難となりました。

我国は周囲を海に囲まれた海洋国であることは何方も異存の無いところですが今では、海に散策するなどは海の近くお住まいの方でも年2,3回程度となっており海に親しむことが少なくなっています。

今となれば、自然海浜は気軽に人が行けない場所、島しょう部等に存続するのみの状況となり一般庶民が海に親しむことは人工海浜に限られて参りました。
一方、各学校にプールが作られ海に近い子供たちでも海離れは加速され今では、海は危険なものあるいは汚い場所として遠ざかれている状況にあることから、海がどのような役割を担っているのか知らない人が増えている感じを持つことが増えてまいりました。

毎年、港のターミナルでアンケートを兼ねた七夕祭りを行っていますが3歳から80歳の方々に共通して「綺麗な海・綺麗な浜・沢山の魚が取れる海」を求められており中には最早日本では困難と思われている方も多数を占める短冊が見られますようになりました。

海には潮の干満があります。その原因は月の満ち欠けと関係が深く地域によっても異なります。また海に生息する生き物もかかわっています。

瀬戸内海は紀伊水道、豊後水道、関門海峡の3つの入り口から潮が侵入し90%の海水が交換するのは1年半を有すると言われ太平洋の恵を受けていますが閉鎖海域が多く栄養価の高い生物の生息が多い海域として知られています。

15日を周期に月が変化しそれに伴い潮の干満が日に2度、生じることで1日の生活を図っていましたし暦には月の満ち欠けの絵がかかれてありました。それを見ながら魚釣りの餌を取りに行ったものです。

それらの、積み重ねが季節感につながり季節毎の行事を通じて現在に至っていますが月と潮汐を知っている人いまや少なくなっているようです。

現在、旧暦を見ている人は少なくカレンダーもその種の市販は少なくなってきています。日常的に海に親しむためには私どもが育った環境とは異なり、何等か工夫が必要となっている様に感じたことと長年の勤めを終えお世話になった地域へのお礼の意味も含めボランテア活動を始めたいと考えました。

おりしも、自然再生推進法が制定され従来の規制や保全を主軸にするものから環境の創造へと新たな展開を見せ始めた背景も後押しをして頂いたと思います。

そこで、海辺で親しんだ経験を持ち、風光明媚な瀬戸内海の美しさを知っているもの達が集まり、それこそ、どないかしないと子供たちの海離れが加速され自然の恵みが判らない時代となるのではないかとの危惧から、海に関った行政経験者・民間有識者などの有志10名が集まり、主に、子供たちに干潟での遊び、学習を通じて海に親しんでもらうこと又開発で失われた干潟を創造あるいは再生を目的として平成15年11月発足しました。

平成16年2月に法人格を取得し現在では70名の個人会員・法人会員の構成となっています。(参考:平成22年12月現在 90名の個人会員・法人会員、ボランティア会員39名)
■干潟の役割
一般に『干潟時に露出する砂泥質の平坦な地形』を干潟と呼んでいます。または背後地や前面浅海を含めて「干潟」と呼ぶことも多いようです。また、場所の違いもあります。

@海に面して波の作用を大きく受ける干潟

A河口に位置して河川の流れや流下土砂の影響を受ける干潟

B外界から隔てられた静穏で閉鎖性の高い干潟

などです。

干潟の機能として生物生息機能(生物の生息場を提供していますし魚や水鳥の来訪する場)、水質浄化機能(物理・化学・生物作用により、海水を浄化したり、余剰な栄養物をストックする場)、生物生産機能(二枚貝類やエビの漁獲の場ノリなどの養殖の場、又、沖合いの資産資源涵養の場)親水機能(浜遊びや自然とのふれあいの場)が挙げられます。

特に、潮の干満に伴い海水中の懸濁物質が堆積物で濾過・捕捉され、さらにバクテリアの作用によって分解・無機化されます。特に干潟の潮間帯は、1日のうちの一定時間を空気と接するので好気的環境が維持され、有機物が活発に分解される。一方、干潟は粒径の細かい堆積物によって形成されているため、ある程度以深の堆積物の酸素が少なくなり還元的(酸素の消費が供給を上回る)状況となっており窒素の無機化に効果的であるとされています。

また、干潟には多種多様な生物が生息し食物網をつくっています。呼吸産物としての有機物の無機化(炭酸ガスとして吐き出すこと)を始め物質循環が効率良く機能する場所となっています。多種多様な生物が存在することにより、これらの生物が水中の有機物や栄養塩(窒素・リン等)を餌や栄養分として取り組むことで干潟の水質を浄化しています。

アサリなどの2枚貝による水中懸濁物質の濾過作用がよく知られています。さらに干潟の食物連鎖を通じて干潟で成長した生物がより高次の生物に食べられることによって系外に移出し干潟から除去されることとなります。

いわば、山・川から流下する水を自然の力によって浄化する「天然の浄化槽」とも言えそうです。

このような干潟は高度成長のおり埋め立て等で喪失して参りました。そこで、皆さんが集まりやすく干潟の理解を深めるために複数の候補地を抽出しましたが会員も携わり地域を精通している干潟として尾道市浦崎町の海老地区の人工干潟を選びました。

平成16年10月の「海辺の生き物観察会」から始めたのですが当初は安全性の問題から学校の協力は得られませんでした。そこで、地域のご父兄も含めた対象にお集まり頂き、漁業協同組合の会議室をお借りしながら海老干潟に入り観察会を実施しました。平成17年9月には総合学習に取り入れられ、「生き物観察と海藻押し葉づくりアサリの浄化作用の観察など」を通じて小学校生と地域の方々に干潟に親しんで頂きました。

この2年間を通じて浦崎小学校生徒(5年生)からっもっと深く、ふるさとの海を知りたい・息の長い自然観察をしたいとの要望がありましたし生徒たちは自主的に漁業協同組合長にインタビューをするなどして積極的に海とのかかわりを知ることとなりました。そこで、地域に関係する漁業協同組合・大学・福祉協議会・小学校教諭・われわれNPOのボランテアが中心となって以下のお世話を本格的に実施させて頂くこととなりました。

平成18年度の四季を通じて行った内容を紹介させて頂くと以下の通りです。

専門家による底生成物調査として、調査地点においてコドラート(25cm×25cm×深さ20cm)を用い採泥し、これらをフルイにかけ,1mm目のフルイに残ったものをマクロベントス試料とし実験室に持ち帰り、種の同定・個体数・湿重量の計測を実施しました。

小学生徒によるコドラート調査・ベルトトランセクト調査として干潟の上層並びに下層に2m×2mの3区画(自然区・ネットあり、ネットなし)にアサリを放流し25cm×25cmのコドラートを用いて定量的に採取し地盤高毎の成長・歩留まりを又岸から沖に向かって設定した測線にそって、出現する生物を10cmの幅(片側5m)でお2測線の一定距離毎記録しました。

第1回目(春季)は5月12日、第2回目(夏季)は7月12日、第3回目(秋季)は10月5日、第4回目(冬季)は12月8日でした。

これらを 平成19年3月9日父兄参加のもと小学校生徒による発表会が行われました。平成19年度は小学校生徒による造成干潟での取り組みを地域の々に広くしって頂き、地域社会との協働のあり方及び干潟の維持管理について検討する。又海老干潟の調査や清掃活動を通じて、ふるさとの海に関して興味・関心を持ち海を大切にしょうとする心情を育てることを目的とし以下の調査を行いました。
    
小学校生徒によるコドラート調査・ベルトトランセクト調査の継続すると共に巣穴の温度測定を3つのエリアにわけ、エリア内の岸から沖側に向けた各6箇所と波内際で巣穴の温度を測定した、なを、1巣穴につき干潟表面・干潟表面よりマイナス10cm・20cmの3層で行い結果泥質・砂泥質・砂質・石混じり砂質の4種に分類し干潟マップを作成しました。

その結果海老干潟モニタリング調査(指導者用一般用テキストが作成することが出来ました。

平成20年2月20日父兄・地域・来賓260名の参加のもと5年生全員が成果を発表しました。

私どもは水環境の最終場所で、顔を現すものが海だと考えています。しかし海だけではその環境を良好に維持することは出来ません。山・川・海が連携することが必要だと考えていますが、まず海離れを夫々の地域が多様な主体と連携し実践を通じて環境改善に努めることたらいいなぁとの思いで浅学非才にも関らず取り組んでいるところです。

平成20年12月20日

特定非営利活動法人瀬戸内里海振興会
 
Posted by さとうみ振興会 at 15:53 | 事務局より | この記事のURL