CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

NPO法人 さとうみ振興会

NPO法人 さとうみ振興会(さとうみしんこうかい)からのお知らせや、活動報告などを書いていきます。
当会のホームページはこちらです。
http://www.satoumi.org/


プロフィール

さとうみ振興会さんの画像
<< 2017年11月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
検索
検索語句
熱中症予防声掛けプロジェクトに
賛同しています!
125_125_01.jpg
第7回瀬戸内海水産フォーラムに参加しました! [2017年11月01日(Wed)]
第7回瀬戸内海水産フォーラムに参加しました!

このフォーラムは、国立研究開発法人水産研究・教育機構瀬戸内海区水産研究所と、瀬戸内海と関わりのある13県から構成される瀬戸内海ブロック水産試験場長会が二年に一度開催しています。
瀬戸内海における水産業に関する研究機関の成果を市民、漁業者の皆様に紹介するとともに、皆様からのご意見を伺い水産業が抱える問題を把握し、その解決に役立てることを目的に平成17年から活動を始めています。

水産業の問題解決には行政と研究機関が漁業者の皆様と取り組むことが効果的ですので、水産庁瀬戸内会漁業調整事務所の後援も頂いています。
現在までの主要テーマは
第1回:平成17年10月29日 「アマモ場の現状と回復への取り組み」
第2回:平成19年10月20日 「沿岸海域における栄養塩とその重要性」
第3回:平成21年10月17日 「瀬戸内海の二枚貝類の増養殖と資源回復」
第4回:平成23年10月15日 「きれいな海はゆたかな海か?」
第5回:平成25年10月26日 「瀬戸内海の環境変化と水産業」
第6回:平成27年10月24日 「瀬戸内海の海の幸をよりおいしく」
第7回:平成29年10月28日 「瀬戸内海の穴子と鱧を考える」
のとおりですが前回から水産業の振興を目的とした内容になっています。

第6回では、魚に付加価値を与えブランド化する各県の技術展開を紹介しています。
・香川県水産試験場「オリーブを利用した水産物の開発」(オリーブハマチ)
・愛媛県農林水産研究所「みかんフイッシュ」(みかんブリ・マダイ・ヒラメ・サーモン)
・大分県農林水産研究指導センター「かぼす ブリ)
・瀬戸内海区水産試験場「養殖カキ」
・瀬戸内海区水産試験場「サワラの資源回復と利用促進活動」
・広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター「フォグラハギ」
※瀬戸内海の県は「県の魚」として以下指定しています。
広島県:カキ、山口県:フク、香川県:ハマチ、愛媛県:マダイ、福岡県:さば・あじ・まだい・ぶり・ひらめ・あゆ・こい・くるまえび・がざみ・けんさきいか・あさり・のり
○参考
日本の実力(食料を自給できるか(漁業編)・衰退する魚食大国・資源管理が課題
https://mainichi.jp/articles/20150806/dyo/00m/010/000000c

次項有スーパーに新鮮な魚が並ばなくなる元凶は?

◆日時
平成29年10月28日(土)13時〜17時

◆場所
RCC文化センター

◆主催
国立研究開発法人水産研究・教育機構瀬戸内海区水産研究所/瀬戸内海ブロック水産試験場長会

◆後援
水産庁瀬戸内海漁業調整事務所

◆講演概要
1.「瀬戸内海における主要底魚類の漁獲量と資源量の推移」
(阪地英夫:国立研究開発法人水産研究・教育機構瀬戸内海区水産研究所)
・瀬戸内海における資源量の絶対値を推定している魚は下記6種でマアナゴ・ハモは推定されていない。
 → カタクチイワシ・サワラ・マダイ・ヒラメ・イカナゴ・トラフグ
参考:広島市は広島湾で採れる海の幸としてメバル・コイワシ・オミオコゼ・アサリ・クロダイ・カキ・アナゴの七種のブランド化しPRをしている。
増傾向にある魚種はハモ・マダイ・クロダイ・ガザミ・コウイカでイカナゴ・マダコは横ばい傾向。減少傾向にある魚種は、マアナゴ・メイタカレイ・マコガレイ・イシガレイ・クルマエビ・サルエビである。
・瀬戸内海の小型底引き網漁業では漁業者数が減少することで操業が効率化され、資源量が変化しない場合、漁獲量は増加していると考えられるが漁獲量が横ばいとなっている瀬戸内海の底魚類は、全体として資源状況が悪化している可能性がある。

2.「マアナゴとハモの生物学的特性」
(望岡典隆:九州大学大学院農学研究院)
・マアナゴはウナギ目アナゴ科クロアナゴ属に属し、太平洋・インド用・大西洋に広く分布する。
・マアナゴは日本沿岸及び朝鮮半島沿岸、渤海、黄海、東シナ海に分布し、鮨や天ぷらにはなくてはならない食材であり、食文化に密接な関わりを持つ。
・近年、産卵場の一つが沖ノ島南方海域にあること。又東シナ海の大陸棚斜面域から成熟を開始した個体が発見され、長年謎であった本種の産卵に関する知見が集積されつつある。
・ハモはウナギ目ハモ科に属し、日本周辺から3属(ワタクズハモ属・ハシナガアナゴ属・ハモ属)4種が知られている。
・ハモ属には、ハモとスズハモが知られ、青森県からインド・太平洋と亜寒帯から熱帯まで広い分布域を持つ、ハモは食味が良く、特に関西で賞味される水産重要種である。
・産卵場は東シナ海で浙江省湾から福州にかけての大陸沿岸域、日本周辺では紀伊水道、県外海域,周防灘、伊予灘等にあることが知られている。

3.「瀬戸内海東部海域におけるマアナゴの生態について」
(五利江 重昭:兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター)
・マアナゴは平成5年から兵庫県の資源管理対象種となって漁業実態や生物生態情報を明らかにすることにより適切な水産資源の活用を検討している。
・当時、マアナゴは透明でひらべったく、柳のような形をした細長い浮遊幼生として太平洋から瀬戸内海へ来遊し、やがて変態して底生生活を送るようにはあまり知られていなかった。また、変態を終え、底生生活を送るようになってからの成長や、漁獲サイズになるまでの期間なども良くわかっていなかった。
(変態:成長が進むにつれて体長が短くなる。)
・瀬戸内海東部海域(播磨灘)では浮遊幼生は毎年2〜5月頃に見られ、その盛期は3〜4月、この時期の表層水温は8〜18℃で日中は低層から中層に、夜間は表層まで分布を広げていた。また約半数以上が変態中であった。

マアナゴ幼魚の生息域と食性
幼魚が採取された海域は砂泥底と砂礫底で砂泥域の生息密度が高い傾向にあった。
主に、エビ・カニ類・多毛類(ゴカイ類)・魚類を食べている。
底生生活に移行すると、まずエビ・カニ類を食べ、成長とともに多毛類、魚類へと餌生物を変えていきます。マアナゴは砂泥域に多く分布しているが、エビ・カニ類は砂礫域に多く生息しているので、生息域を餌環境ではなく底質環境で選択していると思われる。
飼育による成長は浮遊幼生の時でも無給餌でも変態を完了し、着底後は市販の粉末配合飼料ドライペレットで飼育することが出来る。5月に平均全長が10cm未満の着底後は10月まで成長し、1年で50cmを超える個体も出てきた。
天然海域の成長と移動 マアナゴは着底後9月までに全長30cmまで、又一部の個体は40cmを超えるまでに成長していた。年齢は、1〜4歳で、性比は雄に偏る反面、大型魚の性比は雌に偏っていた。
明石海峡周辺で漁獲されたマアナゴ(全長50cm)を標識放流したところ、1〜8月頃には播磨灘から大阪湾・紀伊水道へ移動した。年齢は1〜3歳で、1日当たりの成長量は0.1〜2mmであった。
今後の課題
@浮遊幼生の回遊経路の解明と来遊量の定量化
A雄の移動生態と性比の偏り解明
B完全養殖への取り組み
C産卵生態の解明

4.ハモの素顔と綺麗なハモを市場に供給する工夫
(上田幸男:徳島県立農林水産総合技術支援センター)
・徳島県は、古くからのハモの産地でしたが、県外はもとより県内でも認知されていなかった。平成18年からハモのブランド化に取り組み始めた。

特徴
犬歯が発達し、上下顎には大小の葉が並んでいる、頭部は尖り、側頭部目があるので前が見えづらいが、嗅覚は良い。大きな背鰭、臀鰭を有し、鱗の無い皮膚は傷つきやすい。尾部はアンテナのような役割を果たし、何か触れるものがあれば落ち着く。メスは赤くおとなしく、オスは青くどう猛と言われている。

独特の巣穴生態
皮膚が弱いので砂地には着底できず、泥場に巣穴を形成する。
夜間に巣穴から出て索餌し、泥場に潜むアカハゼ・フタホシイシガニ・シャコ等を捕食すると考えられている。水温が13℃以下になる12〜4月に餌を食べず巣穴で冬ごもりをする。
漁法からみた生態
紀伊水道では主に延縄で4〜8月、小型底びき網で5〜11月に漁獲される。延縄では死餌に比べ活餌の釣果が著しく良く、活餌を捕食するのが下手なハモに対して、アジの尾を鋏で切断して血を誘引し、捕食されやすくする。
底引き網では巣穴から出て海底からジャンプして逃避するハモを効率よく漁獲するために8〜9mほどの網かタチ網を使用する。

資源が増えた理由
徳島県では2000年から漁獲量が急増し、安定していると思われる。
増えた要因は、本質的に南方系のハモにとっては高水温化傾向が生息に適しており、稚仔期の生残が高まり、卓越年級群の発生頻度が上昇したことによると考えられている。

徳島県の品質向上策
ハモは船上での死亡魚や死後硬直が始まった魚は、価値が乏しく負傷個体も価値が低下する。このため、いかに漁獲時から疲弊や脂肪を減らし、活魚割合を上げることが重要となっている。そこで、徳島県では、小型底引き網では網擦れを防止するために漁業前に無結束の油分の多い新しい網袋に交換することを推奨している。
また、水揚げした後で興奮したハモの咬み合い防ぎ、より迅速にハモを船尾から船首の生け間に水流で送るための配管システムを設置している。
さらに、選別台を用いて体重200g以下のハモを再放流している。
水温耐性試験に基づいて、生海水の流し込みを活魚輸送では15℃を推奨している。

流通・消費
ハモは活魚車で海水を15℃C以下に冷やして海水量の3〜5割の高密度で関西や首都圏の市場に運ばれる。
一部はトラック便等を利用して活魚箱(6~7kg/40L)で運ばれる。ハモの売れ筋は体重800gで、体重に応じて湯引き、椀種、てんぷら等用途毎にニーズがある。
価格は祇園祭り、天神祭り、阿波踊り等に同調して夏にピークを迎えるが、秋の脂の乗った松茸ハモも安価で美味しい。関西市場では油の乗った韓国産ハモの評価が高いが、量的には徳島産を含む瀬戸内海産のウエイトが大きくなっている。

5.山口県瀬戸内海産ハモの漁獲実態
(国森拓也:山口県水産研究センター内海研究部)
・ハモは山口県瀬戸内海において重要な漁業資源で、小型底引き漁業者の主要な対象種であることから漁業実態調査を継続実施している。
・防府市場では主に小型機船底引き網漁業手繰り第2種(底引き2種)
・光市場では主に小型機船底引き網漁業手繰り第1種(底引き1種)
・周南市場では主に、はもはえ網漁業及び底引き2種により水揚げされ、いずれも6~9月漁獲量が多い。

漁獲量の推移
1997年までは200tだったが、1998年から300t〜500tと顕著に増加。
2007年以降農林水産統計の対象種から除外された以降では3市場の6~9月期集計でみると周南市・光市場では横ばい傾向、防府市では減少傾向にある。

漁場
小型底引き網漁業の標本船日誌から6〜9月の盛漁期には東部の祝島〜姫島周辺の海域を中心に漁場が形成されている。
ハモの成熟・雌雄比・年齢組成を調べるために2016年6月から9月まで計4回、中部地区所属の小型底引き網漁船が漁獲したハモを全数買取り、@生殖腺重量(生殖腺重量/体重×100)A年齢組成(耳石輪紋計数による)によると
@については、雄は7月、雌は8月最大となり、雌雄比は7月~8月には偏りが少なくその他の時期は雄の割合が多い。
生殖腺体指数と雌雄比の推移および9月以降の漁獲量が少なくなることから、産卵期の7~8月になると雄の来遊が増えて雌雄比がほぼ等しくなり産卵が行われ、産卵後、雌が先に漁場から別の場所へ移動すると考えられた。
Aについては、雄では2~14歳で構成され、4~6歳(300〜500g)が主体、雌では、2~15歳で構成され4~7歳(500〜1400g)が主体、雌雄とも3歳以上で成熟個体が確認されたことから6~9月に漁獲されるハモの殆どが産卵群であると考えられた。

今後の展望
今年9月主要出荷先の一つである京都市場とともに視察したところ、最近は300~600gのハモのニーズ高く、山口県の漁業者が狙う500〜700gのハモよりも高値が付きやすいことから、小型個体を狙って漁獲する可能性があり、漁獲の減少傾向が見え始めた現状において産卵群に加え、小型個体の漁獲が及ぼす影響をハモ資源の持続的利用と漁業所得の向上の両方から検討することが必要である。

6.駅弁屋主人の目線でみたアナゴとハモ
(上野純一(あなごめし「うえの」4代目:明治30年創業)
穴子漁の歴史〜瀬戸内海の豊島、江田島の能美で採っていた時代から、対馬の方まで穴子漁に出かけており、対馬には広島県出身者の名跡がある。その関係から大野で穴子が取れなくなっても海外からの入荷は出来ていた。
参考:明治30年 遠洋漁業奨励法が制定され、北は樺太・北千島・沿海州・カムチャッカなどの北洋海域、西は朝鮮・関東州、南は南西諸島・台湾・南洋群島まで、日本漁民の浸出が可能となりった。
しかし、現在では、穴子の餌が豊富である韓国に依存しており、日本人にあった穴子の選定し、むき身を現地で加工し、入荷している。
宮島の北側海域で金穴子が時々取れるが安定的な入荷はないことから中国産、韓国産など検討を加えた結果、現在韓国産を輸入している。
参照:http://www.anagomeshi.com/
参考(水産白書):http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h26/index.html

かわいい会場からの意見や質問等
・穴子が採れない。海水温・餌などの問題が挙げられるが、漁民の高齢化も進む。現場に足を運んで頂き指導してほしい。
・増えた原因、減った原因として食物連鎖の上位が増えている。餌に課題があるとは思えない。
・大阪湾の海底では、砂地が広がっている。底質の関係と漁獲についてははっきりしたものはないが資源条件に関与しているのではないか
・香川県のハモと大阪湾のハモを比べると雄のハモが小さくて咬む。
・ハモは広島では、雄500g以下が売れ筋、雌は赤っぽい。
・ハモは愛媛県では800gが売れ筋 1kg以上は天ぷら料理が一般的。
・ハモ(宇部〜広島)では水揚げが減っている。
・岩国市では、護岸沿いに大型ハモ(別称:ゴンズイ)の回遊が見られる。

かわいい参加した感想
沿岸漁業者から漁業のみでは生活が出来ないとの切実な意見が出されていました。
大学・行政(研究機関含む)は色々研究を進め、魚価のUPにつながるよう努力されていることは理解されましたが、単体の生活史が良くわかっていない事実も知ることが出来ました。地球規模で移動する魚の複雑性を解明することには予算も少なく難しい問題であろうと実感させられました。
後継漁業者の育成、資源管理などが重要となると思われますが、少子高齢化の進む中、外国人労働者に頼らざるを得ないと思います。我々消費者が気軽にお魚の料理に親しめる工夫を、このようなシンポジウム等を通じて日本の食育文化を守りことが大切な感じを持ちました。
また、魚介類自給率は昭和50年100%から平成10年では57%とわずか20年の間に急激に下がって現在も進行中です。
輸入した方が安価であることに加え、地産地消のシステムが急激に崩れているかもしれません。
一方浜売り(漁業者が直接販売)も増えており、実態が現行制度に合致していないのでは
とも思いました。
当会は海に関わるNPOとして沿岸域の活動をしてまいりましたが、漁業の観点からはハッピーな意見がいつになったら聞けることになるのだろうと思いながら雨の中帰宅しました。
Posted by さとうみ振興会 at 10:54 | 29年度活動報告 | この記事のURL