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NPO法人 さとうみ振興会

NPO法人 さとうみ振興会(さとうみしんこうかい)からのお知らせや、活動報告などを書いていきます。
当会のホームページはこちらです。
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「第4回瀬戸内海水産フォーラム」に参加しました! [2011年11月09日(Wed)]
第4回瀬戸内海水産フォーラム」に当会から5名参加しましたので、概要についてお知らせします。

◆日時 
平成23年10月15日(土)13:00〜17:00

◆場所 
アステールプラザ大会議室

◆主催 
独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所/
瀬戸内海ブロック水産試験場長会

■ テーマ「きれいな海は豊かな海か?」 ■

以下概要です。

@基調講演「豊かな海」を目指す里海と水産業
里海は親しみやすく、懐かしさえ覚える言葉ですが、実際的には比較的新しい言葉で、まだ発展途上の考え方といえます。しかい、この里海は次第に市民権を持つようになり、近年では国の制度や事業等にも取り上げられるようになりました。
国際的にもSatoumiとして注目を浴びています。Satoumiが「日本発、瀬戸内海育ち」と称されるように、里海の考え方は瀬戸内海とはきっても切れない形で進化してきました。
その主な理由は、今回のフォーラムのテーマでもある「きれいな海は、豊かな海か?」
という問いかけと深い関係にあります。

瀬戸内海は、戦後の高度成長期の極端な水質汚濁により、一時は「瀕死の海」と称されるまでに水質が悪化しました。しかし、他の海域に先駆け1973年には瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定されるなど、対応も早く、言わば「きれいな海」を目指す、トップランナーとして40年近く走り続けてきたのです。
しかし、近年、瀬戸内海では、水質は改善されたものの、失われた生物生息環境や低下
した水産資源水準が回復せず、あるいは著しく低下した生物多様性は、そのままの状態が続いています。
「きれいな海」は「豊かな海」をもたさないという現実を突き付けられて、「豊かな海」を目指す里海が評価され始めたともいえます。
水産業は漁業生産を上げる産業ですから「きれいな海」だけでは成り立ちません。
「豊かな海」を目指す里海は、瀬戸内海が従来の水質管理中心主義から生態系管理へと大きく方向転換する上で、軸となりうる考え方のひとつです。
また、実践活動としての「里海づくり」は地域主導の持続的な水産業の実現に大いに
役立つもので、地産地消の水産や一般の人や子どもたちの「海離れ」の解消にも役立てることが出来ます。
A瀬戸内海の環境保全資料から見る栄養塩類を中心とした瀬戸内海の環境の変遷
瀬戸内海における漁獲量については、昭和60年ごろをピークとして減少傾向にあります。この原因としては、藻場・干潟が埋め立てによる生物生息場所の消滅や水環境の悪化等により生物環境が悪くなったからと言われています。
長期間にわたる瀬戸内海の概況を始めとして海文化にいたる幅広い分野の貴重なデータの収集を今後とも継続していく必要性を感じるとともに、環境の変化に応じたデータを継続してまいります。
参考:
瀬戸内海におけるCODの発生負荷量の推移
瀬戸内海における水質(COD)の推移
瀬戸内海における赤潮発生件数の推移

B播磨灘の栄養塩環境の変化と漁業生産(兵庫県の養殖ノリを事例に)
播磨灘は兵庫県の瀬戸内海側に位置し、岡山県、香川県及び徳島県まで広がる海域です。
兵庫県では、播磨灘の19地点で1973年から(昭和48年)から毎月1回漁場環境を観測しています。
これまで約40年近くにわたって収集した観測データの中で、大きく変化した水質項目として栄養塩(窒素・リン等)と水温が挙げられます。

播磨灘の栄養塩濃度変化については、1970年代(S45年)は、高度経済成長による産業活動や社会生活の進展等に伴って、水質汚濁が進み、海域はいわゆる富栄養化した状態にありました。
水質汚濁を防止するための様々な法整備によって、播磨灘では窒素やリンの濃度は徐々に低下し、現在は逆に貧栄養と呼ばれる状況となっています。

兵庫県においてノリ養殖は、瀬戸内海側の漁業生産金額の4割を占める基幹漁業種であり、有明海等と並んで全国有数の養殖ノリ生産地となっています。
ところが、近年は、栄養塩の中でも、特に溶存無機窒素(以後DINとします)濃度の低下に伴って、養殖ノリに「色落ち」被害が生じるようになりました。
海藻である養殖ノリは陸上植物と同様に、窒素やリン等の栄養素を必要とします。

播磨灘ではリンに比べて、窒素の濃度が低下したことにより、養殖ノリの色素を合成する栄養が足らず、本来黒褐色であるノリの色が黄色っぽくなってしまう状態(これを色落ちと言います)が1990年(平成2年)後半以降頻発するようになりました。
色落ちしたノリは見た目の悪さや遊離アミノ酸等の旨味成分不足によって食味も優れないため販売されないか、非常に安価な値段で取引されうえおり、これからの海洋環境はどうあるべきかを、共に考えて頂く契機になればと考えています。

これまでの環境行政や社会の協力によって、海域や河川の水質環境はある程度の改善を見ました。一方現状では、海洋の生物生産と栄養塩に関する新たな課題が生じていると考えられます。
海洋の水質環境については、水産分野だけで論じられるもではありませんが、漁業を生業にしている方にとって、生産量野低下は非常に切実な問題であり、時間的な猶予はあまりないように感じます。

また、海域の食物連鎖や物質循環を円滑に進めるには、栄養塩の管理だけではなく、かつて広く存在し、自然の水質浄化及び生物生育場としての機能を果たしていた干潟や浅場の再生等も並行して進めることが不可欠と考えます。
瀬戸内海に携わる関係機関による総合的な海洋管理施策の推進とともに、社会的な理解と協力を得ながら、早急に対策を打つことが必要と考えています。

Cかき養殖海域の物質循環から見える環境配慮型養殖
広島県のかき養殖むき身生産量は1987年代の32000トンをピークに以後減少し、ここ10年は20000トンで推移しています。この減少の原因は赤潮などがあげられますが、背景には海底に有機物が多量に溜ったことから、いわゆる「漁場の悪化」があると指摘されています。
平成19年〜平成21年に、広島県は広島大学と共同し「江田島湾にけるかき養殖適正化技術開発」という研究をしました。

この中で、
・異なる3種類(ヨクセイ・イキス・ノコシ)の有機物負加特性
・底生生態系も含めた養殖海域の物質循環
・筏の配置と海水流動
を明らかにしてきました。
ここで得られた研究成果から、かき養殖を中心とした物質循環を紹介するとともに、
環境に配慮した養殖への取り組みを行っていきます。

D瀬戸内海最大の自然干潟の漁業と海洋環境の変遷
瀬戸内海の沿岸の大部分は、高度経済成長期に開発され、干潟やアマモ場が次々に失われました。その中で、周防灘には今でも広大な自然干潟が残されており、瀬戸内海の他の地域では見られなくなった貴重な動植物が生息しています。
周防灘沿岸の干潟域は、二枚貝や小型底引きの対象となる水産物の漁場として活用されており、同海域におけるアサリ、ハマグリ、バカガイ等のそれぞれの水産対象種の最盛期の生産量は瀬戸内海全体の9割を占めていました。

しかし平成になって以降、周防灘(中津干潟)では、二枚貝の生産量の減少が著しく、なかでもアサリは全国の生産量が現在最盛期の4分の一であるのに対し、同海域では、局所的には数千分のTと国内の主要漁場の中では減少率が最も高く、これらの貝類の生産量を回復させることが急務となっています。
参考:1970年(昭和45年)からモニタリングデータ
中津干潟は自然干潟が今も残されている。
生産量の最大時 (1983年(S58)〜1988年(S63))
      最小時 (2003年(H15)〜2008年(H20)
全国生産量160t→31t



パネルディスカッション
◆座長
寺脇利信

◆パネラー 
松田治/石川潤一郎/原田和弘/川口修/濱口昌巳/小林一弘

Posted by さとうみ振興会 at 10:26 | 23年度活動報告 | この記事のURL