4月3日(日)第85回(!!)園芸セミナー 〜カタクリの群落、山野草の多くみられる都立長沼公園へ〜 行ってきました。
東急東横線・多摩川線「多摩川」駅前の大田区田園調布せせらぎ公園を活動拠点としている当会の「花とみどりのつどい」ではおなじみ、開設当初から講師として何度もお招きしている自然保護協会の日比野佳正氏を今回も講師として観察会を行なった。
先生はこの日の資料として「身近な春の野草・見分け方のポイント」という貴重な資料を配布下さってそれを手に長沼駅からすぐの公園山の裾をカタクリの花目指して歩き始めた。しかし、この日はことのほか寒くまるで真冬のよう。さらに八王子は都心より常に4〜5度は温度が低い地域。「カタクリ咲いているかな〜」とみんな不安顔。
もうとっくのに昔この辺りは開発がすすんで今や畑も田んぼも殆ど残っていない。それでも道の脇にタネツケバナ・ハコベ・ヤブカンゾウ・ヤエムグラを見つけその由来や食べられない野草(先生曰く「食べられない野草の特徴を憶えておけば心配ない」)・・ムラサキケマン・ヒメウズ・キンポウゲの特徴など歩いては立ち止りお話を聞いた。こうしてこの日の私たちは下ばかり見て歩くことになった。
途中で、梅農家の庭につくしを発見!! 「好きなだけどうぞ」というお言葉に甘えて袋一杯採取。
そして、ちょろちょろ流れる小川付近ではネコメソウ・セリやヨモギなどなど。。。あるものはせせらぎの滝付近に、そしてヨモギはヨモギ団子にという思いで嬉々として採取していたら町の人が「そんなもの珍しくないでしょ?この辺じゃ何処に行ってもあるわよ。貴方たちどこから来たの?」と笑われた。
そしてカタクリは? ありました!!
でも寒いから花は下向き。花弁がくるっと巻いている姿は見られませんでしたが、確かにそこここと群生していました、いました.
同行していた仲間が「私が子どもの頃カタクリを山で摘んでくるのは子どもの仕事だったんだけど。。。山中のカタクリをみんなしてきれいに摘んでしまっても翌年はまた群生したのよ。こんなに保護されたらだんだん弱ってくるんじゃない?」と。
このことは里山を保存することの重要性を物語っているとわかった。
長沼公園の山を歩いていて気付くことは、カタクリの群生場所も然りだが、どこも彼処も笹が蔓延っていて自生の野草は全く見えないし、樹木も笹林の中にあるような光景だった。
「そもそもシデやコナラなどは山に人が入って枝を伐採して炭や薪に使っていた。下草は刈り込み腐葉土にと自然を循環させて里山を守っていた」と日比野先生のお話。ということは、都立公園として残され保護された自然環境は人の手が全く入らない不自然な山となり、循環しない行く末は笹のような強い植物の宝庫になってしまうということになりそうだ・・・・・
「途中で知りたいことがあったらいつでも聞いてください」
なので何回もストップしては丁寧な説明をしていただく。花も葉もつかない木の見分け方や昔はコブシが咲くころに種をまくのでタウチサクラともいわれているそうだ
コブシは5弁のうち2弁はガクの変化
とは言え多摩丘陵の開発から自然をどうにか保っている平山城址公園から長沼公園の丘陵地帯は街中ではなかなか見つけにくい野草を見ることはできる。
日比野先生の花名の由来や何故ここにこのような樹木や野草があるのか、また食べてはいけない野草の見分け方などを見つけては講義を受けてゆっくりと各自思う存分知識を吸収できた一日だった。
今後の月一回のせせらぎ公園でのセミナーや見学会、公園内での山野草育成活動はHPでお知らせします。是非会員はもちろん、会員外の方々でも参加できるので一度いらしてみてください(報告 内田)