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2018年03月28日

理事長交代のご報告と4月の志的勉強会のご案内

NPOのための弁護士ネットワークの樽本です。
ご無沙汰しております。
FRJ2018に参加された方にはN弁紹介チラシ等でご報告していましたが、私は今月のN弁の定時総会・全体会議で理事長を退任し、芝池俊輝弁護士(ことのは総合法律事務所)が後任の理事長に選任されました。
 芝池俊輝プロフィール http://kotonoha-law.com/lawyer/shibaike
樽本も引き続き理事メンバーとしてN弁の運営に関わっていきますので、今後ともN弁をよろしくお願いいたします。

さて、今年も来月の4月から年4回の予定で、志的勉強会をCANPANセンターさんと共催します。
4月の発表者は新しく理事長になった芝池弁護士です。
昨年の勉強会に続いて、NPOのスタッフのメンタルヘルスの問題を取り上げます。
以下に告知文を転載しますのでご覧ください。

==
『知っておきたい職場のメンタルヘルスの基礎知識 〜ケーススタディで学ぶNPOスタッフの心の問題とその対応〜 』

近時、NPOの現場では、深刻な社会課題に向き合う中で大きなストレスを抱えたり、人間関係のトラブルに悩んだ結果、メンタルヘルスに不調をきたす方が増えています。あなたの周りにも、元気がなく、仕事や活動を休みがちになっている方はいませんか?
今回の勉強会では、NPOで働くスタッフのメンタルヘルスの問題をテーマとして取り上げ、休職・退職をめぐる法律的な問題を分かりやすく解説するとともに、産業カウンセラーの廣井敬三氏、社会福祉士である金澤沙知氏にご協力いただき、メンタルヘルスの基礎知識、心に悩みを抱えたスタッフとの向き合い方、リワークや傷病手当・労災保険等の制度等についても学びます。
管理職の方に限らず、NPOのメンタルヘルスの問題に関心があるすべての方にご参加いただけます。 皆さまのお越しをお待ちしています。

発表者
廣井 敬三氏(産業カウンセラー・NPO法人はぐくみ心理相談所理事長)
金澤 沙知氏(社会福祉士・地域包括支援センター羽田)
芝池 俊輝(弁護士・NPOのための弁護士ネットワーク)

日時 平成30年4月17日(火)午後6時半〜8時半
場所 日本財団ビル2階第1・2会議室
東京都港区赤坂1−2−2
参加費 2000円(事前決済・キャンセル不可)
定員 35名(定員に達し次第、締め切りとさせていただきます。)
申込方法 以下の URLからお申し込みください。
http://npolawnet20180417.peatix.com
※お申し込み後、Peatixからメールが届きますので、必ず確認してください。
※事前決済のキャンセルは受け付けておりませんのであらかじめご了承ください。
※ご不明な点がございましたら、npoben.net@gmail.comまでご連絡ください。
懇親会 勉強会終了後、懇親会を予定しています。
共催 日本財団CANPANプロジェクト
posted by 樽本 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2017年06月09日

AFP2017参加レポート(ファンドレイザーと組織の倫理)

樽本です。今年のGWに、サンフランシスコで開催されたAFP International Fundraising Conference 2017に参加しました。

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日本のノンプロフィット・エコシステムの構築に携わる弁護士として、米国における最先端のファンドレイジング事情や非営利セクター向けのサービス、ファンドレイザーの倫理などを学ぶのが目的でした。また、カンファレンス後に日本からの参加者を集めた現地財団ツアーも楽しみにしていました。

(参考)AFPは、アメリカに本部を置くファンドレイジングの専門職のための協会(Association of Fundraising Professionals)です。毎年アメリカの主要都市でこの国際会議を開催しています。第54回目!となる今年は、4月30日から5月2日までの3日間にわたり、100を超えるセッションやワークショップ、会議などが開かれ、30を超える国々から、約4,500名のファンドレイザーや非営利組織の関係者が参加しました。

すでに他の日本からの参加者(今年は米国在住の方も含めて総勢17名!)がいろんなところで情報共有をしているので、私からは他の方があまり触れていない”ファンドレイザーと組織の倫理”に関するセッションの感想をお伝えします。

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こんな感じで、3日間の開催期間中に、毎日1つずつ倫理に関するセッションが組まれていました。
タイトルは次のとおり。

・Dirty Money Ethics in Nonprofits
・Ethical Fundraising: It’s Everyone’s Business
・Accepting gifts from Pablo Escobar(*) And other ethical dilemmas faced by fundraisers and NGOs

(※)Pablo Escobarとは映画のモデルにもなったコロンビアの麻薬王の名前

上記のセッションの資料は、AFP2017のウェブサイトでDLできます。嬉しいサービスですよね。
http://afpfc.com/handouts

内容はそれぞれなので是非資料を読んでいただきたいですが、3つ目のセッションでは、次のようなことがテーマでした。

1. 非営利組織に求められる3つの重要なこと(これができないと寄付してくれない):透明性、アカウンタビリティ、そして倫理
2. よくある7つ倫理的ジレンマ:汚れたお金(ミッションと資金源との葛藤)、報酬、プライバシー、不正の露呈、スチュワードシップ(受託責任、寄付者の意向の遵守)、誠実さと透明性、利益相反
3. 団体の活動を倫理的なものにするために実践するべきこと


例えば、2.のプライバシーや報酬に関しては、組織で働く理事・コンサルタント・ファンドレイザー・ボランティアは、組織の活動を通じて得た個人に関する情報を個人として取得してはならず、寄付者の情報はファンドレイザーではなく組織に帰属する、とか、ファンドレイザーは、寄付者や潜在的寄付者(prospect)の名簿をお金を払って入手してはいけない、とか、ファンドレイジザーやコンサルの報酬はファンドレイズした資金のパーセンテージで決めてはならない、というようなことが説明されていました。

これらのことは、AFPが定めているCode of Ethical Standardsにも通じる内容です。

Ethical Fundraising: It’s Everyone’s Businessは、これとは少し方向性が違って、上記のような倫理的ジレンマに関するいくつかの事例をもとに、講師が質問と回答の選択肢を示し、参加者が回答したり意見を述べるというワークショップ風のセッションでした。

どういう事例かというと、こちらもDLできる資料に書いてあるとおりですが・・・

(事例1)活動資金が潤沢な非営利組織でファンドレイザーとして活躍していたあなたが資金的に不安定な別の組織に移ったところ、数ヶ月して、以前所属していた組織に寄付を約束してくれていた支援者から「あなたの移った先の組織に興味がある」と連絡が入った。さてどうしよう。
→前の組織に対する寄付の約束を取り消してもらって、所属する組織に寄付してもらうことは、ファンドレイザーとしての倫理上どのような問題をはらんでいるか?


(事例2)新年を迎えたあとに寄付してくれた大口寄付者からあなたのもとに電話があり、「税制優遇を受けたいから昨年寄付したことにして領収書を送ってね、書類はあとで送っておくからよろしく。」と言われ、断る間もなく電話を切られた。げげ!
→寄付者の要望に対して、寄付を受けた組織・担当者はどのような対応をするべきか?


なんと生々しい(笑)。しかし、ありそうな話です。
事例2は問題外だとしても、事例1は寄付者の自己決定権がからんでいるだけに、もらってよいという意見ともらうべきではないという意見があり得るでしょうし、もらったとしてもファンドレイザーの報酬決定の際に考慮されるべきではないという意見など様々ありえるのではないでしょうか。
こういうケーススタディが公の場で議論されているシーンを日本ではまだ見たことがないので、N弁の企画かFRJの公募セッションなどで、そのうちチャレンジしてみたいと思います。

長くなってきたので、あとは雰囲気の伝わる写真を少しばかり。

オープニングセッションのゲスト Shiza Shahid

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スタンフォード在学中に故郷であるパキスタンでアルカイダが禁止した女生徒の教育支援活動を始めて、のちにマララ財団を立ち上げた彼女のバイタリティはすごい。


会場に設置されたブックストア

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非営利組織のマネジメントやリーダシップ、理事会運営、ファンドレイジングの本がたくさん。
特にファンドレイジングの本は、テーマ別にカテゴライズされてすごい数の書籍が並んでいました。amazonでfundraisingのワードで検索してみれば言いたいことが分かると思います。さすがは年間の寄付市場27兆円を誇る大国。


最後に、現地の非営利団体をチームジャパンが訪問したときの様子

baycat.jpg

AFP2017が終わった翌日、日本ファンドレイジング協会が組んでくれたツアーで訪問した現地の非営利団体のひとつがここBAYCAT
台湾からの移民2世の女性Villy Wangが立ち上げた団体で、そのミッションは「若者を教育し、雇用し、彼らのユニークな話を伝え、自分自身、地域社会、そして世界を積極的に変革するデジタルメディアを制作する」です(google翻訳くんありがとう)。
ストーリーの持つ力を心から信じて、それを組織の成長や若者の活きる力に変換していくBAYCAT。
すばらしい訪問体験だったけど、どうすばらしかったかはまた別の機会に。

今回のサンフランシスコ滞在のほんの一部だけを伝えようとしても、こんなに長文になってしまいました。
さらに深く知りたいという方がいればご連絡ください。
同行した村井ヨーヘイくんが、すごいパワポ資料を作って経験の共有をしているので、ふたりで出かけていってお話します。オーダーお待ちしています。

(AFPに関するその他の雑感)
日本のファンドレイジング・日本2017の参加者が約1,400名ですので、人数だけでもざっと日本の3倍の規模です。
AFP会員の正規参加費が$1,199/一人ということもあって、会場は国際会議にも使われるコンベンションセンターの一角を借り切り、120もの協賛企業・団体が出展する協賛ブースを擁し、会場運営は外部の専門業者に委託し、メインステージではきらびやかに着飾ったゲストやAFP幹部らが誇らしげにスピーチするなど、しっかりとお金をかけてイベントを作り込んでいる印象を受けました。
日本のような多数のボランティアが活躍する手作り感はあまり感じられませんでしたが、参加者同士のコミュニケーションやネットワーキングを促進することにはとても積極的で、セッションでも、ランチタイムでも、夜のパーティでも、とにかく参加者をまぜこぜにして交流させる仕掛けがたくさんありました。
そのおかげで何度プアな英語で自己紹介をしたことか。しかし、それがとても楽しい。
やはり英語は共通言語なんだと強く感じたし、自分のやっていること、信じている未来などをシンプルに伝えることがとても大事なんだと改めて感じた日々でした。
また行きたい。

(樽本)

2017.6.13 一部加筆訂正
posted by 樽本 at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2017年05月31日

6/20第24回志的勉強会開催のお知らせ

 NPOのための弁護士ネットワークです。

 この度,第24回の志的勉強会を開催することになりましたので,ご案内いたします。

 NPOのための弁護士ネットワーク×CANPAN共催・2017年6月志的勉強会

『NPOのための職場のメンタルヘルス問題〜スタッフのこころの不調にどう対応するか〜』

発表者
芝池俊輝(弁護士・NPOのための弁護士ネットワーク理事)
横山北斗氏(社会福祉士・NPO法人 Social Change Agency代表理事)

 近時、職場内において、仕事のストレス・過重労働による精神疾患が原因で、休職・退職する労働者が急増しています。このことは、NPOの現場でも例外ではありません。あなたの周りに、過酷な環境での支援活動や、深刻な社会課題に向き合う中で、心身ともに疲弊したスタッフがメンタルヘルスの不調を訴える例はありませんか?
 今回の勉強会では、NPOで働くスタッフのメンタルヘルスの問題をテーマとして取り上げ、休職・退職をめぐる法的問題(就業規則に基づく休職発令、休職者の処遇、治療と職場復帰、復職後の勤務・処遇・再発した場合の取扱い、退職・解雇等)について分かりやすく解説するとともに、社会福祉士である
 横山北斗氏にご協力いただき、メンタルヘルスの不調を訴えるスタッフの健康状態の把握・ケアの方法、メンタル不調の防止策についても考えます。
 皆さまのご参加をお待ちしています。

お申込みはPeatixからお願いいたします。下記リンク先からです。
http://npolawnet20170620.peatix.com/?utm_campaign=follow-organizer&utm_medium=email&utm_source=event%3A270427&kme=reco-clk&km_reco-str=PodMember

 たくさんの方のご参加をお待ちしております!

(日向寺)
posted by 日向寺 at 18:12| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2017年01月18日

準認定ファンドレイザー増殖中

こんにちは!
NPOのための弁護士ネットワークの弁護士メンバーが、新たに2名準認定ファンドレイザーの試験に合格しました。
こネットワークの弁護士メンバー21名中、準認定ファンドレイザーの合格者は9名になりました。

当ネットワークはメンバーに准認定ファンドレイザー試験の受験を推奨しています。
必修研修や試験を通じて、NPOが組織の価値を高めていくために必要な知識や考え方のエッセンスを学ぶことができるし、NPOに様々な立ち位置で係わっている人たちと知り合える貴重な機会にもなるからです。
私は第1回の準認定の必修研修やその後の試験で、講師の鵜尾さんや徳永さん、受験者だった木村さんや水谷さん、太田さん、山田さんらと知り合ったことが、NPOやチャリティの世界と深く結びつくきっかけのひとつになりました。
当ネットワークのメンバーにもそんな体験をしてもらいたいと願っています。

というわけで、今日はうれしいご報告でした。

(樽本)
posted by 樽本 at 09:22| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2016年12月05日

寄付月間公式認定企画「みんなの遺贈相談2016」のご案内

こんにちわ。北村です。
今回は、寄付月間公式認定企画、「みんなの遺贈相談2016」のご案内です。

NPOのための弁護士ネットワークでは、昨年に続き、今年も寄付月間公式認定企画として、無料遺贈相談を実施いたします。
主な対象者は、遺贈の受け入れを考えている団体や組織になりますが、遺贈をお考えの方など、どなたでもお申込みいただけます。
ぜひ、この機会に、遺贈寄付に関する手続きや法的問題について、ご相談ください。

詳細なご案内、お申し込方法は、下記になります。

【HPでのご案内】
http://npolawnet.com/kifugekkan.html
【受付期間】
2016年12月6日(月)〜同月23日(金)

【ご相談までの流れ】
1 以下のフォームからお申込みください。
  https://fs224.formasp.jp/j688/form1/
2 お申込みいただいた後、2,3日以内に相談担当弁護士から直接ご連絡を差し上げますので、 その際に、相談日時の調整をさせていただきます。
3 相談場所は、原則として、相談担当弁護士の事務所(東京・名古屋・札幌)となります。
4 当日、直接、相談担当弁護士の事務所にお越しいただき、お話を伺います。なお、相談時間は 1時間を目安とし、さらに詳しい助言や弁護士による代理・支援をご希望の場合には、別途、そ れに要する費用等についてご説明させていただきます。
※対応可能な弁護士の人数に限りがありますので、恐縮ですが、お申込みを多数いただきました場合には、抽選とさせていただきます。ご了承ください。

【問い合わせ先】
本企画に関するお問い合わせ、取材等は、当ネットワークのウェブサイトの問い合わせフォームをご利用ください。
http://www.npolawnet.com/form.php

NPOのための弁護士ネットワーク
posted by 北村 at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2016年09月08日

2016年度 NPO向け無料法律相談会のご案内

NPOのための弁護士ネットワークでは、NPO・社団法人・財団法人等の非営利団体を対象にした無料法律相談を、東京・札幌・岡山・名古屋にて開催いたします。
契約書の内容、会員資格、屋外イベントにおけるリスク管理、スタッフ・ボランティアとの労働問題、商標使用の問題等、日頃の活動において、法的なトラブルでお困りのことはありませんか?
ぜひ、この機会をご利用いただき、お気軽に、NPOのための弁護士ネットワークの弁護士にご相談ください。

●開催日
【東京・札幌・岡山】 平成28年9月24日(土)
【名古屋】      平成28年9月23日(金)

●場所
【東京会場】
東京パブリック法律事務所
東京都豊島区東池袋1−34−5いちご東池袋ビル2階
http://www.t-pblo.jp/img/map2.gif

【名古屋会場】
弁護士法人 東海総合
名古屋市中区錦二丁目4番23号シトゥラスTビル7F
http://www.tokai-so.com/access.html

【札幌会場】
弁護士法人水原・愛須法律事務所
札幌市中央区南1条西4丁目13番地日之出ビル6階
http://suibara-aisu-law.com/annai.html

【岡山会場】
岡山NPOセンター  
岡山市北区表町1丁目4−64上之町ビル3階  
http://www.npokayama.org/about6.html

実施時間 午前10時〜午後4時まで(要予約)相談時間は45分です。
(名古屋及び岡山は、午前10時〜正午、午後1時15分から午後3時まで)
相談料 無料
申込み方法 オンライン予約フォームもしくはお電話にてお申し込みください。

【電話による予約】
TEL: 03−5979−2880
東京パブリック法律事務所(担当:平野)
(平日 午前9時30分〜午後5時)
posted by 樽本 at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2015年03月23日

情報の管理と活用で、NPOは強くなる!

こんばんは、はじめまして。
ネットワークのメンバーのはなわです。

今月21日に開催したシンポジウム「弁護士が教える『情報』との上手な付き合い方」にご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

当日は、情報管理に関心のある意識の高いNPOの関係者の皆様にたくさんお集まりいただき、手前味噌ですが、大盛況のうちに終えることができたように思います。

「NPOのための情報管理」「NPOの情報発信の中心点とアカウンタビリティ」というテーマでネットワークのメンバーが基調講演をした後、「現場から見る情報との付き合い方」というテーマでパネルディスカッションを行いました。

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私は、特定非営利活動法人難民を助ける会の専務理事・事務局長である堀江良彰さん、特定非営利活動法人CANPANセンターの常務理事である山田泰久さんさんとともにパネルディスカッションを担当しました。
基調講演とパネルディスカッションの内容は、後で外のメンバーから報告があることを期待して(笑)、今回は、私がパネルディスカッションの中でお話した内容の一部を、簡単にご紹介します。

情報の「管理」の側面、リスクの側面について、基調講演をお聞きいただいた皆さんは、よくご理解いただいたと思います。情報の「管理」には、ルール化が必要なのです。ルール化して、それにもとづいて実践することで、「管理」できるのです。

一方で、NPOは、情報を「活用」していかなければなりません。

私がNPOに関わり始めた頃、「NPO・NGOの一番大事な役割は、『(社会課題を)知ってもらうことです。』」という言葉に出会いました。

もちろん、究極的には、そのNPOが取り組む課題を完全に解決することがゴールなのですが、もしそれが「役割」だとすれば、一つの社会課題に一つのNPOがあれば済むことになります。
そうではなく、同じ課題に取り組む複数のNPOが必要なのは、色々な方法で「(社会課題を)知ってもらう」必要があるからで、各団体で情報の活用の仕方は違うはずなのです。「(社会課題を)知ってもらう」ことで、仲間集めをして、団体は強くなり、最終的に、それぞれの方法で社会課題を解決するというゴールに辿り着くのです。

ではどうやれば、「活用」すればいいのでしょうか。

それにも、ルール化が必要なのです。

ルール化していないと、暗黙の了解でできること・できないことが決まることになりますが、それでは、皆さんの新しく加わった仲間達は、何ができて、何ができないかわかりません。
ルール化は、「してはいけないこと」を決める一方で、「していいこと」も明確にするのです。

「していいこと」を決めて、情報を活用するためにも、是非ルール化を試してみて下さい。

もちろん、ゼロから、ルール化にチャレンジするのは大変です。
ですから、今回のシンポジウムで配布させていただいたソーシャルメディアガイドラインなどをたたき台にして、導入を検討してみて下さい。

皆さんは、情報を管理・活用する、コントロールする重要性について、ご理解いただけたと思います。
しかし、導入を検討する過程で、「そんなの面倒くさい」「うるさいことを言われるのは嫌だ」という反対意見も必ずでると思います。

その時は、今日の私の話を思い出して下さい。
「していいこと」を明確にすることで、むしろ自由に情報を活用することができるようになり、団体を強くすることができる、その為にはルール化が必要なのだ、と。

会社であれば、こういったガイドラインは、トップダウンで導入することができますが、非営利団体の皆さんは、ボトムアップで導入しないと、浸透しません。
是非、こういう議論を団体内でしてみて下さい。
ルール化の必要性を研修でいくら学ぶより、必要性をちゃんと議論することで、そのルールはきっと団体内に浸透し、皆さんの団体を本当の意味で強くすると思います。

ルール化の内容で困ったときには、当ネットワークのメンバーにご相談下さい(笑)
posted by 樽本 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2015年03月16日

「NPOをつくりたいのですが・・・」

「NPOを設立したいのだけれど・・・」というご相談を受けることがあります。
「子どもへの絵本の読み聞かせグループを発展させて、子ども預かりなどを行う育児支援広場を作りたいんです。」という働くママ、
「東日本大震災以降、被災地でのマッサージのボランティアを続けています。施術先が複数あり、共感して一緒に活動してくれる同業の方も増えました。まだまだ待っていてくれる方がいるので自分が現地に行けない時でも対応できるように、NPOなど団体を作った方がいいのではないかと考えています。」という接骨院の先生、
「社員研修・人材育成会社経営のノウハウを生かして、被災地の10代女性向け支援プログラムの提供を行っています。NPOを作って支援プログラムを充実させ、オンラインで広く提供していきたいのですが。」という女性経営者などなど。

 それぞれ意義深い素敵な活動をされていることに感心すると共に、NPOがより身近になってきていること、女性目線を生かした身近な活動が増えていることを実感します。どの活動も、着実に継続されていくことを願ってやみません。

 もっとも、これらのケースではどれも、結局NPOを設立するにはいたりませんでした。それぞれの形で益々充実した活動を行っておられます。
 なぜでしょう??

 NPOを設立すること自体は難しくありません。設立自体のご相談を受けたこともあるのですが、自治体からガイドブックも出されていますし(東京都の場合 http://www.npo.metro.tokyo.jp)、相談窓口に尋ねることもできます。専門家に依頼せず、団体自身で設立にこぎつけることは十分可能です。
 大変なのは設立以降です。法に基づき総会の開催や事業報告書の提出などが必須になります。前回までのブログで見てきたように、契約締結や情報管理など、NPOとして法的対応が必要な場面も出てくるかもしれません。それに見合う活動実態やメリットがあるか慎重に検討する必要があります。

 先に挙げた事例の1つ目では、子どもの預かり事業の目処が立っておらず、今のところ団体が契約主体となるべき場面も責任主体を明確化すべき場面もなかったこと、広く一般の参加や支援を受けるというより、グループ内の持ち回りの活動の段階であり、補助金申請なども予定していないことなどから、NPO設立はいったん見合わせました。
 2つ目の事例では、NPOになるメリットもいくつかありましたが、団体として永続的に活動を行うというコンセンサスがなかったことなどから、やはり設立を見合わせています。
 
 今回、NPOを設立しなかったケースを取り上げたのですが、NPO認定数は改正特定非営利活動促進法施行後急速に増加しており、今後も着実な増加が期待されます(内閣府政策統括官(経済社会システム担当)付参事官(市民活動促進担当))。また、安倍政権の成長戦略において、女性活躍推進のための具体的施策として「起業・NPO 等の立ち上げを希望する方向けに、マザーズハローワークや学び直し支援、トライアル雇用や創業スクール等の取組を進める 」とされるなどNPOへの期待は高まっています。皆様が、NPOをプラットフォームに、益々活発な活動をされることを応援しております!
(担当:藤井)
posted by 日向寺 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2015年03月07日

「情報」との付き合いの果て

 コミュニケーションツールが発達し、誰でも簡単に、しかもコストをかけずに無数の情報を発信、受領できる現代にあっては、情報との付き合いなしでは団体の発展は望めません。NPOの情報に関わる出来事としては、例えば、イベントに参加してくれた支援者に団体の詳しい情報を送ったら次の支援につながった、ウェブサイトで現場スタッフの生の声を届けたらSNSで多数の関心層にリーチできた、自分や団体の名前や写真が意図しない形で勝手に使われてしまった、個人情報が何者かに持ち出された、誹謗中傷を受けたというようなことかと思います。情報に関してだけでも、いろいろな悩み、歓びがあり、時には事件が起こり得ます。だからといって、何かあるたびに、感情的になって、悩み、歓んでいたら、それはそれで疲れてしまいそうです。

 そのため、情報に関する有事に備えて、人的・物的制約がある中で万全なものとはいえなくとも、ある程度の適切な管理をしておき、その時々に冷静に対応することが重要です。例えば、会員や寄付者の個人情報などの第三者に知られたくない情報であれば、法的保護が受けられる程度に管理体制を整えることで、万一のときに備えておくべきです。また、団体や団体の関係者が誹謗中傷された場合には、放置して様子を見るのか、削除するよう手続きを執るのか、ホームページや会報誌などで反論をすべきかなど、予め対策を考えておくことが重要になります。
 そうすることで、情報に関する有事の際に、被害の拡大防止損害の回復を図れますし、そもそも被害の予防にもなります。
 発信、受信される無数の情報の中から、必要な情報を選別し、適切な管理をしつつこれを活用し、情報と上手く付き合っていくことが、団体の発展のコツといえます。 

 その第一歩として、3月21日(土)13時からの当ネットワークのシンポジウムに参加して、「情報」との上手な付き合い方を学びませんか。情報に関する悩み、歓びは、各団体においてそれぞれ異なりますが、他の団体がどういったことに悩み、対処してきたのかを学ぶことはきっと今後の団体の発展につながると思います。
 シンポジウムの情報はこちらに掲載しています。
 http://blog.canpan.info/npolawnet/daily/201502/18
 お申し込みは、上記ページ内のリンク、またはこちらからお願いします。
 http://goo.gl/forms/Cmy4ch6S6T
(北村)

posted by 日向寺 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2015年03月04日

「NPOと契約2」(契約とは何か、契約書の機能)

 はじめまして。弁護士の中山です。
 今回のテーマは「NPOと契約2」(契約とは何か、契約書の機能)と題して、前回の「NPOと契約」(http://blog.canpan.info/npolawnet/daily/201502/03)より、少し具体的に契約のお話をしたいと思います。
 NPOを運営していると、例えば行政や企業との間で業務委託契約を締結したり、寄付者や支援者との間では贈与契約等を締結したりする可能性があるでしょう。また、ボランティアや理事との間では委任契約を、職員との間では労働契約を締結するのが通常です。そして、受益者との間では提供する役務の内容に従って、請負、準委任や売買契約を、弁護士や税理士との間では委任契約を締結するでしょう。
 このようにNPOが事業を推進していくにあたっては、様々な契約をすることが必要不可欠です。そこで、本章で今回は、契約とは何かということや契約書の機能等について述べたいと思います。

○契約書の機能
 契約とは、複数の意思表示の合致、すなわち申込みと承諾によって成立する法律行為と言われています。この契約は、契約書がないと成立しないわけということではありません。例えば、八百屋さんで物を売り買いするときの例のように、契約は、原則として、口頭でも成立するのです。世の中にはこのように契約書を作成しない契約も多数あります。ふだんの生活においてお店で物を買う契約などは、ほとんどそうだと言って差し支えないかと思います。
 一方で、とくに重要な契約においては、契約書が作成されることが通常です。例えば、家を賃借するときの賃貸借契約などがそうです。

 それでは、契約書作成の目的、メリットはどのような点にあるのでしょうか。

1.合意、取り決めの証拠
 まず、第1に、どのような合意、取り決めをしたかの証拠となるということです。
 確かに、先ほども触れたように、口頭、すなわち口約束でも契約は成立します。しかし、口約束では、後からそんなことは知らないとか決めていないといわれる可能性があります。そのような際に、トラブルをできる限り排除して、お互い何をするべきなのかを明確にする効果があります。

2.債権債務(権利義務)の明確化
 第2に、債権債務(権利義務)を明らかにするということです。
 債権債務(権利義務)は法律行為、つまり契約で発生します。契約は、法律行為の一つですので、双方の当事者の債権債務(権利義務)を発生させるものであり、また約束をしたのだから守れと言う根拠にもなります。そこで、契約書は、双方のが合意したこと、つまり契約の確認書であり、相手の債権債務(権利義務)とともに、自分の債権債務(権利義務)も明確になります。 その結果、相手方に何を請求できるのか、自分は何をしなければならないかがはっきりするという効果があります。

3.紛争(トラブル)発生時の解決指針
 第3に、万一の紛争(トラブル)発生時の解決の指針になるということです。
 契約をして、取引等をしているとトラブルや何らかの問題が発生することは比較的よくあります。そのような時でもお互いに話し合ってスムーズに解決できるとすれば、それは大変良いことです。しかし、お互い自分の利益のために主張がぶつかり合って、なかなか解決に至らないというケースもあります。そのような時に、例えば、どういう場合に契約が解除できるのかとか債務が履行されないときに誰がどのような責任を負うのか等、トラブル解決の指針を定めておけば、無駄な争いを避ける効果があります。

 このような契約書作成の目的、メリットを考えると、NPOにとって、行政や企業、ボランティアや理事、職員ときちんと契約書を交わし、契約の内容を明確にしておくことは大変重要なことです。

 なお、NPOが寄付を受けるときに寄付者との間で契約書を締結することは日本ではあまり一般的ではないかもしれません。しかし、民法上、書面によらない贈与は、履行が終わった部分を除いて、各当事者がいつでも撤回できることになっていますので(民法550条)、希少性の高い物品の寄贈など、団体の存続にとって重要な財産については、口約束で済ませずに契約書を作成したほうがよいケースもあります。
 万一のトラブルに備え、きちんとした契約書を作成しておくことは、リスク管理の第一歩となります。もし、契約書の作成等にあたって不明なこと、分からないことがあればいつでもご相談いただければと思います。
 今後ともNPOのための弁護士ネットワークをよろしくお願いします。
(中山)
posted by 日向寺 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題