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2018年09月19日

2018年9月11日 志的勉強会開催報告 プラットフォーム選びから始める、NPOのためのクラウドファンディング

 こんにちは。NPOのための弁護士ネットワーク理事の樽本です。
 当ネットワークは、CANPANセンターの協力を得て、NPO関係者と弁護士がともに考えて学ぶNPOの法律実務に関する勉強会を、「NPOのための志的勉強会」という名称で、年に4、5回のペースで開催しています。当ネットワークの弁護士とNPOの関係者や専門家がペアになって、事例の検討、法律・判例の紹介などを行っています。これまで多数のNPOや専門家、企業関係者らに発表協力をいただきました。

過去の開催状況→http://www.npolawnet.com/history.html

 さて、2018年9月11日(火)に開催された通算第29回「NPOのための志的勉強会」では、『プラットフォーム選びから始める、 NPOのためのクラウドファンディング 』と題して、NPOのファンドレイジングの一手法としてすっかり定着した感のあるクラウドファンディングについて、元クラウドファンディングプラットフォームの提供企業での勤務経験のある宮本聡さんを発表協力者に迎えて、重松弁護士が発表を担当しました。
また、プラットフォーム提供企業からGoodMorning by CAMPFIREの酒向萌実さん、Readyforの徳永健人さんにも参加してもらい、それぞれのサービスの紹介などをしてもらいました。

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 宮本さんからは、クラウドファンディングとは何かという基本から、クラウドファンディングの市場規模、プラットフォーム選びのコツ、期間限定キャンペーンを継続的な支援につなげるためのクラウドファンディングの活用法、目的達成のための心構えなどをお話いただきました。
 矢野総合研究所の推計によると、日本のクラウドファンディング市場(新規プロジェクト支援額ベース)は、2017年度には前年度比46.2%増の約1,009億円に達する見込みで、急激に成長しているが、2016年度の実績ではその約9割が利息によるリターン目的の貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)であったということです。
■矢野総合研究所の推計
https://www.yanoict.com/summary/show/id/481?gclid=EAIaIQobChMIv-75q_zF3QIVR7aWCh20PwMsEAAYASAAEgIINvD_BwE

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 酒向さん、徳永さんからは、それぞれ15分ずつ自社プラットフォームの仕組み、レギュレーション、プロジェクト開始時における審査や実施期間中の支援の内容等について紹介してもらいました。酒向さんが配布したCAMPRIREのアイディアシートは、クラウドファンディングを検討する際の企画書のベースになるもので、プロジェクトオーナーが考えておかなければならない要素が整理されていてとてもわかりやすかったです。同社は誰もがクラウドファンディングにチャレンジできるように、プロジェクトの開始前の審査を厳格にし過ぎないように意識しているということです。
 また、徳永さんのプレゼンでは、Readyforがキュレーターによる伴走支援などサポート体制を充実させていること、そのため75%という高いプロジェクト達成実績を誇っていること(業界平均は約30%とのこと)、スタッフには準認定ファンドレイザーの資格取得を奨励していることなどの紹介がありました。
 両社とも期間限定のプロジェクトだけでなく、定額での継続支援のできるプランも用意されているとのことでした。その他の点の比較は以下のとおりです。

■GoodMorning by CAMPFIRE
 実行方式→All in(実行確約) のみ
 手数料→14%(うち決済手数料5%)
 サポート→スタッフによるアドバイス、問合せ対応など(伴走支援のメニューはない)
■READYFOR
 実行方式→購入型・寄付型プロジェクトの場合はAll or nothing(達成時実行型)
      それ以外はAll in
 手数料→シンプルプラン12%(うち決済手数料5%)
     キュレーターによるフルサポートプランは17%(うち決済手数料5%)
 サポート→フルサポートプランでは専任のキュレーターによる伴走支援が受けられる

 Readyforでは、キュレーターによる手厚いフルサポートは受けられないものの手数料が5%安くなるシンプルプランを提供しているということですが、宮本さんからは、ディスカウント部分で外部のファンドレイザーなどのプロの支援を受けることも考えられるのではとの指摘がありました。確かにいろんな可能性がありそうです。
 時間の都合で両社とも短時間のプレゼンでしたが、基本的なスタンスの違いなどが分かって有益でした。

 続いて、重松弁護士からは、購入型と寄付型のクラウドファンディングの違いとリターン設計における注意点、税金面で取扱いの違い、プロジェクトページ内で説明するべき事項、プロジェクト実行者の責任、リターンが実現できない場合の法的論点、プロジェクト成功後のフォローアップ、支援金等の使途の説明義務と余剰金の転用の可否についての裁判事例などについて、法的な観点から解説がありました。

 最後に質疑応答を行いましたが、これはよかったというクラウドファンディング事例を紹介してほしいとの参加者からの質問に対して、Readyfor徳永さんの回答した事例が興味深かったのでご紹介します。
 そのプロジェクトは、認定NPO法人が実施した目標寄附金額100万円の寄付型クラウドファンディングのプロジェクトだったのですが、実施団体が自団体の信頼性をアピールする手段として、非営利組織評価センターの第三者評価の結果をプロジェクトページに掲載した初めてのケースということでした。NPOのファンドレイジングの現場で第三者評価を活用する時代になってきたことを知って、同センターに関わる者としてうれしく思いました。

※このプロジェクトについて詳細をお知りになりたい方は下記リンクをご覧ください。
https://readyfor.jp/projects/17036

 今回も90分の短い時間で盛りだくさんな内容でしたが、ご参加いただいた方々には、プロジェクターとPCの接続に不備があり、資料の投影がスムーズにできなかった不手際をお詫び申し上げます。
 また、参加者のアンケートでは、クラウドファンディングの基本を改めて学ぶことができて有意義だったという感想のほか、期待していた内容と違った、クラウドファンディングという資金調達手法に関する法的な解説をもっと聞きたかったという意見や、資料をもっと充実してほしいという声も聞かれました。貴重なご意見を次回以降の勉強会に活かしていきたいと思います。改めて、ご参加いただいた皆様に御礼申し上げます。

 次回は、11月中旬から下旬頃に、不祥事などの危機発生時における監事の役割をテーマに勉強会を開催する予定です。より実践的な内容を予定していますので、ぜひご参加ください。

(樽本)
posted by 樽本 at 12:32| Comment(0) | TrackBack(1) | NPOの法律問題
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Excerpt: 志的ブログ by NPOのための弁護士ネットワーク
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