豊橋市民センター 市民活動プラザ オレンジプラザ (愛知ネット)
大学時代の活動から新卒でNPOに就職お話を伺ったのはセンタースタッフ、堀田泰冶(ほりた たいじ)さん。オレンジプラザは、愛知県安城市を拠点に防災・災害救援活動をするNPO法人愛知ネットが管理・運営しているため、センタースタッフは全員愛知ネットの職員です。 新卒で愛知ネットの事務局員になり今年で3年目の堀田さん。大学時代に一年間インターンをした難民支援協会が、災害時の物資支援を行っていたことから災害救援に興味をもったのだとか。またNPO法人フロンティアとよはし(外国人支援団体)でボランティアとインターンを経験したこともあり、市民活動団体の支援をしたいと愛知ネットに就職したそうです。 今もつづく東北への支援と「地域連携」愛知ネットは1999年設立以来、防災活動や被災地での支援活動を行っています。 東日本大震災では発災前から防災講演会を行っていたことで大船渡市とつながりがあり、岩手県住田町に拠点を構え大船渡市、陸前高田市ほか近隣地域を支援しました。ボランティアのマッチングをはじめ、仮設住宅運営支援、臨床心理士を派遣した心のケアも。また被災地と愛知の「地域連携」のためにスタッフを現地雇用しました。 大船渡市で毎年開催する「盛町灯ろう七夕まつり」へのおまつり支援は、七夕つながりで愛知の「安城七夕まつり」協賛会からの応援申出により始まりました。愛知ネットが地元愛知で開催する大規模ファンドレイジングイベント「愛フェス」では東北の皆さんを招いて大船渡のさんまを販売するなど、東日本大震災被災地への支援活動、「地域連携」は今も続いています。 「すべての活動は災害時の情報のために」愛知ネットは豊橋市のほかに刈谷市、碧南市などの市民活動センターと豊橋市青少年センター、美浜少年自然の家の指定管理を受けています。防災・災害救援活動をするNPOがこれらの施設を運営するのはなぜでしょうか。 「愛知ネットのスローガンは『すべての活動は災害時の情報のために』です」と堀田さんが教えてくれました。そのため前述施設の職員はすべて地元で雇用しているそうです。 また、オレンジプラザのような市民活動センターのスタッフも実際に被災地に入り支援活動を経験します。今年4月の熊本地震被災地にいった堀田さんは益城町役場の被害が大きく機能しなくなったことで職員が疲弊していたこと、災害対策本部やボランティアセンターの立ち上げの遅れなど、熊本で見つけた課題は愛知の課題にもつながると感じたそうです。堀田さんのような若いスタッフが災害時に地域で活躍する姿を想像し心強さを感じました。 「地域連携」は日ごろの市民活動からオレンジプラザでは5月から新事業「つながり創出コーディネート」がスタートし「地域連携」をテーマに市民活動団体同士や団体と自治会、行政とのつながり作りをお手伝いしています。4月には地域ネットワークについて考える講演会とワークショップ「つないで解決!地域連携」が開催され15人が参加。また「オレンジプラザ団体交流会」は毎年開催されています(今年は6月25日に開催)。 「NPOは横のつながりが弱く、同じ分野の活動をしている団体同士でもお互いの存在すら知らないこともあります。支援先(相手)のためにも、つながりを持つことで活動の幅が広がることに気づいてもらえたら。」 今年の団体交流会は団体活動発表、ワールドカフェ体験を通して団体同士や市民との交流の場を設けたほか、補助金や寄付のスポンサーに評価をしてもらうための「団体の目的・役割設定学習会」も行われました。 センターで活かされる今までの経験最後に堀田さんが企画した「外国人の子育て映画上映会」(7月29日オレンジプラザ)を紹介してくれました。 上映される『ア・エスコーリャ』には「デカセギ第2世代の母親2人の選択」と副題がついています。学生時代にフロンティアとよはしの方に勧められて観た日系ブラジル人の青年たちを追ったドキュメンタリー映画『孤独なツバメたち〜デカセギの子どもに生まれて〜』に大感動。この映画の第二弾である『ア・エスコーリャ』を豊橋市でいち早くみなさんに観てもらいたいと監督の津村先生にお願いして実現した上映会なのだそうです。「映画は在日外国人の子育てをテーマにしていますが、日本に住む私たち日本人の持つ課題とも共通する部分が多いので、子育てや地域の貧困を扱う団体の方にも観ていただきたいです」 「ごり押しをして企画が通りました!」と笑顔で話してくれた堀田さん。大学時代からつづく経験が今後も堀田さんの活動につながっていきそうです。 「オレンジプラザ」の主な活動
→オレンジプラザHPへ 堀田さんより一言! 少子高齢化がすごい勢いで進んでいますね。このままだと、税収が減って、行政だけでは地域課題に対応できなくなります。今後、より一層市民活動団体が地域において大切になってくると思います。そのためには、課題に気付いた人がすぐに動けるよう支援が必要です。私もそういった人たちを支えられよう日々スキルアップしていきます。
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