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NPO法人 地域の未来・志援センター
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渥美半島ハイキングクラブ

〜山歩きとまちづくりの両立を目指して〜




2002年設立。ハイキング大会、ハイキングコースの整備、清掃登山、
フリークライミング体験イベント開催、山歩き入門講座などを通して、渥美半島のまちづくり推進のため、市民活動を盛り上げています!



  • 団体種別特定非営利活動法人

  • 運営体制理事6人

  • 活動エリア渥美半島、東三河

  • 活動拠点田原市

  • 年間予算20〜30万円

  • [2014年05月09日(Fri)]

    ここにもドラマが… ハイキングクラブ発足のエピソードに注目!


    大山頂上の展望台前で
    渥美の山と海をこよなく愛し、“ハイキング”を通して自然環境保全を目指す――そんな活動内容の場合、任意団体であることが多いように思われますが、『渥美半島ハイキングクラブ』さん(以下、ハイキングクラブ)の場合、どうもそれだけではなさそうである……事前に届いた同会発足のエピソードを読ませていただくとそのような印象を持ち、どんな団体なんだろう?と当日を楽しみに渥美半島へ出かけました。 
    その予想通り、楽しいハイキングの奥には、故郷を盛り上げたい!という熱い思いがありました。また、団体の生い立ちは実にドラマチック! どの団体さんにも固有のエピソードがあり、毎回感慨深いものがありますが、代表の鈴木さんから伺ったハイキングクラブのドラマもまた格別でした。そのさわりをちょっとだけご紹介します!

    「まちづくりアイデア募集!」から始まった


    発足時からのたまり場でヒアリング2001年秋、合併前の旧渥美町で「あなたのアイデアでまちが変わる!まちづくりアイデア募集」企画が公募となりました。普段は行政の広報誌に目を通すことのない鈴木さんが、その記事をたまたま目にしたのが運のつき(?)だったようです。山登りが趣味で、所属していた豊橋の山岳会から、『渥美の山歩き』企画をちょうど任されたところ。その記事を見て、雨乞山から大山までの半島横断コースをよみがえらせたい!そんな思いが鈴木さんの頭に沸き起こりました。まちづくりにも市民活動にもそれまで縁がなかったのに、すぐに「渥美半島横断ハイキングコース整備」提案書を作成し、町のまちづくり係へ提出したそうです。そして審査の結果、なんと優秀賞に選ばれたのでした。

    二人の夢が重なって…


    雨乞山近くの岩場でここまでは、単なる鈴木さんの思いつきの話……ところがこのアイデアは、不思議な縁で実現へ向けて動き出します。当時の町長・山本道雄さん(故人)が、鈴木さんに直々に「この案を実現してみないか。協力者も紹介する!」と言われたのです。
    なぜ、町長は鈴木さんのアイデアに並々ならぬ関心を抱いたのでしょうか?
    そこには、とても偶然とは思えぬエピソードがありました……アイデア募集から遡ること10カ月ほど前のこと。町長になったばかりの山本さんは、渥美のまちを活性化するには町民の自発的な活動がうまれてくることが不可欠と考えていました。そして、知り合いの山歩きグループの代表に「あんたらみたいなグループが渥美にできたらいいのに……」と語っていたのです。その数か月後、まちの公募事業に、まるで町長が願ったかのようなアイデアが舞い込んできました。鈴木さんによる「渥美半島横断ハイキングコース整備」案です。町長自身、どれほど驚かれたことでしょう!?
    かくして、二人の運命の糸は手繰り寄せられ、ハイキングコース整備は動き始めました。様々な呼びかけがあり、鈴木さんは多くの協力者を得て、1年にわたる山の整備を実施。2003年2月9日、ついに『渥美半島横断コース完成記念ハイキング大会』が実施されたのです。町をあげての催しに、なんと渥美町や周辺市町村から250名もの人々が参加。コースの名称も『あつみトレイル』と決まり、町民の財産として親しまれるところとなったのでした。
    *この顛末についてまとめられた「あつみトレイルができた頃」をぜひご一読ください
    PDF


    平成19年にはNPO法人に


    大山から三河湾を望む翌年度、鈴木さんたちはハイキングコース整備事業からアイデアを一歩進めて「まちづくり支援事業」を町に提出しました。この案も採用され、地元自治会や山の所有者、地域への感謝の思いを込めて「あつみトレイル クリーンハイキング03」を実施することになりました。町も全面的に協力して、総勢104名がハイキングを楽しみながら清掃活動を実施。この流れで、ハイキングクラブはさらに渥美町のまちづくりにまい進しようと盛り上がったのですが、物事はそう簡単には進みません。財政基盤を強化するため、渥美町は田原市との合併を決定しました。広域となった田原市は、市民活動支援に積極的でなく、まちづくり事業は縮小してしまったのです。そこで、ハイキングクラブでは、行政や地域から認められる団体になることを目指して法人格を取得。平成19年、特定非営利活動法人 渥美半島ハイキングクラブはこうして誕生することになりました。


    これからは、環境と観光―企業との協働も視野に入れて。


    ウバメガシの林の中をいくNPOの発足から5年。現在の一番の悩みは、“ハイキングには参加するけど、渥美のまちづくり活動には興味がない”という会員もいて、意識のずれが生じてきていることです。
    会の中心者の中には、故郷の自然を守って、渥美のまちをさびれないようにしたい!という強い思いがあります。以前から愛知県の行き止まりである渥美半島には、廃棄物処分場や自衛隊のヘリコプター訓練施設など、迷惑施設がどんどんやってきます。過疎・高齢化が進んでますます元気がなくなる地元を、自然を生かした観光で活気づけたい!……他地域の団体とも交流し、視野を広げるほどそんな思いが募ります。
    その意識のずれを解消し、活動を長続きさせることは簡単ではないかもしれません。しかし、いくつかの道があるはずです。例えば、企業の労働組合とのタイアップ。現在、組合員への福利厚生事業に力を入れている労働組合は多く、自然を満喫するハイキング企画に大きな魅力を感じてくれる可能性も大いにあります。
    ハイキングクラブ誕生は、行政との協働がきっかけでした。今度は、企業との協働をめざし、もっと多くの人々に渥美の大切な価値に気付いてもらえるよう機運を盛り上げていただきたいものです。




    「渥美半島ハイキングクラブ」の多様な活動


    1. 自然観察・清掃登山開催事業
    2. 渥美半島の登山道の維持、整備事業
    3. 渥美半島の自然の保護、復元、広報事業
    4. まちづくりの推進、啓発事業
    5. 市民活動の相談、提言事業

    →団体HPへ





    代表・鈴木さんより


    渥美半島は、農業・製造業が主な産業で観光資源にも恵まれています。今後は環境保護と景観保全を目標に活動していきます。また、12年間で築いた行政・企業・NPO・市民とのネットワークを活用して、この地域の市民活動を推進したいと思います。



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