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2月28日「“自然エネルギーで電力自給”の島から学ぶ」の報告 [2013年03月12日(Tue)]
 市民キャビネット農都地域部会は、2月28日(木)夕、島交流の会、自然エネルギー千葉の会と共催して、「島の政策研究会第3回 “自然エネルギーで電力自給”の島から学ぶ」を開催しました。
 →イベント案内
 →島交流の会ホームページのイベント報告

島の再エネ政策研究会

 会場の地球環境パートナーシッププラザ セミナースペースに約50名の参加者が集まり、熱心な意見交換等が行われました。
 主催側の開会挨拶の後、「屋久島の電力事情、離島の再生可能エネルギー活用」の事例発表が行われました。
 →研究会式次第、講師プロフィール(PDF)

 続いて、「島から始めるエネルギー革命 〜再生可能エネルギーの将来展望〜」として、倉阪秀史氏(千葉大学大学院人文社会科学研究科教授)による講演が行われました。

島の再エネ政策研究会

 最初の事例発表では、屋久島電工株式会社提供によるビデオ視聴の後、かごしま・島交流の会杉浦事務局長から、水力発電で電力自給と地域配電を行っている屋久島の電気についての説明と、島の再エネ活用の事例紹介がありました。
 →事例発表「屋久島の電力事情、離島の再生可能エネルギー活用」資料(PDF)

島の再エネ政策研究会

 屋久島の電気についてはプレゼン資料にある通りですが、要点を記します。
・屋久島では、各集落の小型水力発電で各戸の電燈を灯していた。(それまでは他の地方と同じようにランプの生活だったが現金収入の少ない島ではランプの油代が高価だった。)
・屋久島電工の水力発電所は、電源開発とその電気を利用した化学製錬事業が目的だった。炭化ケイ素が主な製品であり、地元の雇用を現在250名程度創出している。
・昭和30年代になって、電気機器の普及や各集落の発電設備の老朽化から電力不足となり、屋久島電工からの送電が始まった。
・渇水期があり、安定供給のため、火力発電設備を有する。
・島内を4つのエリアに分け、上屋久町電気施設協同組合、種子屋久農業協同組合、安房電気利用組合、九州電力の3組合と1社が、屋久島電工から購入した電力をそれぞれの供給エリアの各家庭や事業所に配電するという特殊な形態となっている。
・発送電分離の現状は、元々地元集落が水力発電所を持って供給していた素地があったから。
・電気の質を気にする住民もいるが、本土の送電設備に比べ、配電組合の設備不足等が停電の一因となっている。

 屋久島の電気事情については、テレビ番組でも取り上げられています。
自然だけじゃない!屋久島で見た日本の未来の姿
 それは、自然エネルギー(水力)でエネルギーを自給=地産地消するとともに発送電を分離してる電力体制だ。
 屋久島は豊富な雨量を生かし、水力発電所をもつ企業が50年前から島民にも電力を供給している。そしてその電気を家庭に配るのは地域に根ざした配電組合が行っている。つまり発送電分離が実現している。
 番組では屋久島以外に電力を100%自給できている市町村は82あることや、地熱や水力で必要な電力の10〜20数倍つくっている町があること、しかし自給できるほど電気を作っていても自分では使えないシステムのため、実際に電力を自給自足している町は屋久島だけであることなどを紹介している。
 (2011年1月19日テレ朝モーニングバード「そもそも総研」を紹介したブログより)

島の再エネ政策研究会

 島の再エネ活用については、「離島における新エネルギー導入グランドデザイン」報告書(平成21年経済産業省)、沖縄・九州・北海道の離島のマイクログリッドシステム実証事業、口永良部島の地熱発電構想、八丈島のNPO法人の提言などの紹介がありました。
 離島のマイクログリッドについては次のレポートがわかりやすいと思いますので引用します。
地方電化ビジネス 事始め -陸の孤島・海の孤島と再生可能エネルギー
 日本では、九州電力と沖縄電力が離島における独立型グリッドに、再生可能エネルギーを取り入れようとする実験を実施している。「電力コストが高くなりがちな、ディーゼル発電などに依存している離島の独立型グリッドに、再生可能エネルギーを導入する」、(中略)問題も多々ある。天候に左右される再生可能エネルギーの不安定な出力の制御、太陽光発電設備や風力発電設備の高額な初期投資費用などが、大きな障壁となっている。
 九州電力では、ディーゼル発電による独立型グリッドによって電力が供給されている鹿児島県の離島6島に太陽光発電設備を中心とした再生可能エネルギーを導入し、2010年から2013年にかけて、実証実験を行っている。(中略)日中に太陽光発電によって発電された電力の余剰分を蓄電池に充電し夜間に利用する実験や、自然エネルギーの課題である天候による出力変動の制御実験を実施している。
 沖縄電力では、グリッドの規模の異なる4島において、既存の独立型グリッドに再生可能エネルギーを大規模に導入する実証実験が行われている。最大の宮古島では、(中略)いわゆるメガクラスの太陽光発電パネルが導入されているが、それ以外の島は100kW〜200kWクラスの太陽光発電施設となっている。
 この実証実験は2009年から2013年まで行われる予定となっており、不安定な太陽光発電を独立型系統に導入するために必要な技術について、研究が進められている。
 (エコロジーエクスプレス 2012年10月31日
 次も参考になると思われます。
日本版スマートグリッドは離島から始まる!“先進地”黒島・屋久島現地ルポ
http://toyokeizai.net/articles/-/7565
 (東洋経済 2011年08月18日)


島の再エネ政策研究会

 倉阪氏は、講演時間が短かったにもかかわらず、エネルギー源別の現状や可能性、再エネの方向性をわかりやすく伝えていただいたと思います。
 →倉阪氏講演「再生可能エネルギーの将来展望」資料(PDF)


倉阪秀史氏 講演 『再生可能エネルギーの将来展望』
 →YouTube録画

 ポイントと思われる点を記します。
・再生可能エネルギーを普及させることにより化石燃料を使わないで済む。国富流出を防げる。
・原発に巨費をかけたのとおなじくらいの資金を投入して再エネ開発を全力でやる必要がある。
・再エネにかかる費用は道路建設予算より少なく、民間資金も使える。
・各県ごとの再エネの開発余力は大きく違う。地域的な雇用創出の効果は大きい。
・離島は、水力や地熱が期待できるところを除けば、安定供給には蓄エネルギーシステムが必要であり、火力と再エネの併用が現実的。
・電気の安定供給には、電力会社間の融通や、各家庭にスマートメーターを入れて需給状況に応じて電気料金を変動させる等の対策が必要。
・再エネの発電量が化石燃料レベルになるまでは時間がかかり、それまで省エネやコージェネレーションなどでつなぐ必要がある。
・FIT費用は増え続ける。再エネを基幹エネルギーに育てるため、FITの適切な運用が必要。
・再エネが15〜20年で基幹エネルギーとなるよう、地域主導で再エネ設備を導入していくことが必要。熱活用の観点からも(熱は運ぶのが難しい)、各地方での政策が不可欠。
・自前の土地や地元の屋根を都会の企業に貸し出す自治体があるが、愚の骨頂。制度的にリスクを下げているのだから、地域住民に売電収入を還元できるよう地元で進める必要がある。
・コージェネ等分散型設備は将来とも無駄にならないので、今から導入を考える必要がある。
・ドイツのエネルギー協同組合が参考となる。日本でも同様の事業が立ち上がっている。
・再エネ基盤の構築は、将来世代への責任。

島の再エネ政策研究会

 質疑応答の時間では、参加者から、森林バイオマスや再エネについての質問などがありました。

 来賓の関東屋久島会会長岩川尚美氏より、全国森林組合連合会副会長として固定価格買取制度(FIT)の創設にかかかわったこと、森林資源を活用するためにも木質バイオマス発電や熱供給に期待したいなどのお話を交えて、ご挨拶をいただきました。

島の再エネ政策研究会

 後半は、「自然エネルギー活用でつくる島の産業、持続可能な地域社会」をテーマに、6組にわかれてグループディスカッションが行われました。
 各グループからの発表とファシリテーターによるまとめ、倉阪先生のコメントがありました。

島の再エネ政策研究会

 グループ発表の概要を記します。
●Aグループ
 再生可能エネルギーを利用するメリットをもっと伝える必要がある。
 地産地消のエネルギーの活用事例を広く紹介する。
 再生可能エネルギーに取り組む人材育成が必要である。
●Bグループ
 再生可能エネルギーに関する教育の充実、啓発が課題である。
 環境教育の取り組みが不十分である。
 知見者の意見を広く取り入れて活用する。
 自分自身で実際に取り組んで、それを住んでいる地域に普及させる。 例えば小水力発電の現場を地域の子どもたちに教えることなど。
●Cグループ
 様々な業種の方が集まり異業種での取り組みの話し合いが出来た。
 市民参加と企業の連携。例えば、太陽光をスポーツクラブで活用する。
 個人、企業、行政の連携が必要である。
●Dグループ
 自然エネルギーや島に関心がある人が集まった。
 トータルで見たエネルギーリテラシーを考える必要がある。
 年齢層の高い人の関心が高い。
●Eグループ
 島と農業と電力に関心ある人が集まった。
 島を訪問して交流活動をしている、農業を実践している、自宅に太陽光発電を取り入れ、太陽光パネル製作に取り組んでいる。
 国や行政任せではなく、自分自身で実践することは必要である。
●Fグループ
 実際に太陽光、バイオマス発電に取り組んでいる人がいる。
 何より実践することが大事である。
 小規模オフグリッドの発電システムなら都会でも導入可能である。

島の再エネ政策研究会

 倉阪先生のコメントは次のようなものでした。
・島の課題として広い送電網につながっていない中で、より地産地消のシステムを構築する必要がある。
・安定的な再生可能エネルギー源(水力、地熱)を確保し、十分な蓄エネルギーシステムを確保する。
・またはバックアップのための容量を満たす火力発電、バイオマス発電などを確保する。
・地域で地産地消のエネルギー循環のシステムを構築することを進める。
・政権交代して民主党から自民党に代わっても、そんな大きく再生可能エネルギーやコジェネ推進に関わる政策は変わらないであろう。

島の再エネ政策研究会

 最後に、えぐさゆうこ氏(唄い手、ナレーター、アナウンサー、声優)、江草啓太氏(ピアニスト、作編曲家)による「屋久島古謡と民話語り」のミニライブが行われました。
 (詳しくは、島交流の会ホームページをご覧いただきたいと思います)

島の再エネ政策研究会

島の再エネ政策研究会

 アンケートは参加者の多数から回答をいただきました。
 →参加者アンケート結果(PDF)

 「屋久島だから出来た取組」、「国内外の事例を紹介してほしい」、「導入上の課題、解決策(を知りたい)」、「いろいろな方の話が聞けてよかった」、「このパワーを結集することが有効」、「グループディスカッションは専門性が高くて心が燃えた。ミニライブはきれいな声が心を燃やした」など、島やエコ、バイオマス、農都など多方面の関係者から、いろいろな視点で多様なご意見がありました。
 事例発表時間の制約で、バイオマスチップボイラーの熱で製塩を行っている対馬の例や屋久島の森林資源によるバイオマス発電で渇水期対策ができないか等について詳しい話ができなかったのが残念とのことでした。

島の再エネ政策研究会

 電力自給と発送電分離の現状は、水力発電に適した離島という屋久島の特殊性によるものと分かりましたが、送電設備や保守管理のコストなど地域配電についても課題が浮かび上がりました。
 再エネは地域主導で取り組むことが大切で、自治体の役割が大きい。住民と行政の連携が重要。再エネの普及を阻む諸制度を改め(規制改革)、地域にインセンティブを与える政策(法律・制度・予算・税制等)を積極的に進める必要がある。今回の研究会で思ったことです。

島の再エネ政策研究会

 農都地域部会は、再生可能エネルギーの勉強会を重ねてきましたが、今回の研究会も盛況となり、再エネの将来展望や地域で活用する政策について考える大変有意義な機会になったと思います。
 講師並びにご出演者、ご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 21:03 | 食農環境G 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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