1月20日環境・森林フォーラム 報告1 [2012年01月22日(Sun)]
新しい公共をつくる市民キャビネット農都地域部会は、1月20日(金)午後、環境・森林フォーラムを開催しました。会場の港区立エコプラザ1階ホールに約50名の参加者が集まり、熱心な意見交換等が行われました。主催は農都地域部会、共催は市民キャビネット。
→イベント案内 →イベント報告2 【第1部 ワールドカフェ】(14:00〜16:10) 第1部のワールドカフェは、次の3グループに別れて行いました。限られた時間でしたが、それぞれのグループで意見交換し、発表していただきました。 (1)テーマ:新しい公共、参加:5名 行政にやってほしいこと、市民・NPOができること等について話し合いが行われ、「新しい公共の意味が曖昧」や「いまだ公共の定義が不十分である」、「地方へ行くほど新しい公共への取り組みが熱心でない」、「市民・NPOへの権限移譲は進んでいない」等のまとめがありました。 (2)テーマ:農地除染と農業復興、参加:6名 南相馬市の除染について話合われ、「通学路を優先的に除染している。山の落ち葉、雑草についているセシウム(90%がこれらについているので早く集めることが重要。残りの10%は土壌)をプラント・オパール(ケイ酸化合物、雲母の三相化技術、千枚はがし等)を活用した除染が必要」等の意見がありました。 (3)テーマ:森林・林業、参加:12名 国土の7割弱(2千5百万ha)を占める森林の評価、間伐、後継者、農業の規制などについて話合われました。環境が内部化された社会を作ることが必要等の意見が出されました。 【第2部 環境フォーラム】(16:30〜18:20) ・片山栄作 氏(千葉大学工学部特任研究員、元東大医科学研究所教授) 「プラントオパールに着目した除染法とその実施における課題」 ・稲葉光圀 氏(民間稲作研究所代表) 「油脂作物に依る放射能除染と安全な食とエネルギーの地産地消を目指す『大豆・ヒマワリ・菜の花プロジェクト』」 講演では、片山氏より、植物石に着目した除染法の説明がありました。「われわれは、土に森に草に、そして、稀有の存在である地球の恵まれた環境に手厚く守られながら生きている。地球に住めなくなったら代わりの場所はない、宇宙に稀有な存在である地球の自然環境を大切に守ろう」(当日レジュメより引用)と、熱いメッセージをいただいたと思います。 稲葉氏からは、丁寧なPPT資料を元に除染の有効技術の説明があり、大豆・ヒマワリ・菜の花を活用して南相馬市で活動を始めている旨の紹介がありました。 「農地復興に向けた除染と農業復興:南相馬での取り組み」をテーマに行われた第2部でしたが、現地と都市部のNPOと行政の協働による復興支援活動の、現時点の進捗状況を示すことができました。現地支援を更に進めるためにも、9月5日、19日と2回にわたって開催されたふくしま復興フォーラム(市民キャビネット主催、農都地域部会企画制作)の、有意義なフォローアップとなったと思われます。 【第3部 森林フォーラム】(18:30〜20:20) ・佐古田睦美 氏(社団法人国土緑化推進機構森林づくり政策担当参与) 「森林・林業を巡る論点と課題」 ・宮林茂幸 氏(東京農業大学地球環境科学部森林総合科学科教授) 「森林・林業再生と地域・流域の活性化」 講演では、佐古田氏より、森林・林業の現状や再生プランについての説明があり、両氏から、課題解決の具体的な方向が示されたように思います。宮林教授からは、「流域連携はふるさと再生につながる、森林整備はそのポイントとなる」などの貴重な示唆をいただきました。 質疑応答では、「供給サイドとともに需要サイドの整備が重要である、需要サイドの整備において流通の整備、国産材利用の促進、新商品開発、不燃木材の普及が重要である」等の意見が出されました。 「我が国の森林・林業の再生」をテーマに、6月9日震災復興支援フォーラム(農都地域部会主催)のフォローアップとして行われた第3部でしたが、次につながる内容になったと思われます。 以上、フォーラムは、熱意のこもった講演と活発な質疑をいただいて大変有意義なものになったと思います。 参加者アンケートでは、忌憚のないご意見を多数いただきました。主催側にとって、「テーマが大き過ぎてポイントが絞られてない、時間が短く準備不足」等の反省すべき厳しい指摘や、提案、励ましもありました。今後の参考にさせていただきたいと思います。 後ほど、報告レポートをアップする予定です。講師の方々の資料データやアンケート結果も掲載したいと思っています。 最後になりましたが、ご出演の講師の皆様、ご参加の皆様、スタッフの皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。 |
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