『カラヴァッジオ』
『カラヴァッジオ』(イギリス映画、監督:デレク・ジャーマン、1986年)
先日たまたま知り合っていろいろと話しをした10代のアメリカ人がしきりに薦めていたので観てみました。
実は最初、レンタル屋さんで借りたのは同名の別の映画だったようで、悪い映画ではないけどまあまあだなと思って改めて調べてみたらこちらのほうのようです(こちらのほうはレンタルされていませんでした)。
これは、確かになかなか渋いいい映画です。
いわゆるアート系というか、隠喩がところどころにあって、それを読み取る楽しさがあったり、その時代にはありえないものや衣装が登場して、逆にそれが、いろいろ考えるきっかけになるような興味深いつくりで見飽きません。
映像も美しい。
時代背景として、最近読んだ『ヴァティカンの正体』(岩渕潤子著、ちくま新書、2014年)が早速役立ちました。
その中に、カトリック教会が、プロテスタントによる宗教改革によってその存在意義を問い直す中で。1545年から63年にかけて行われたトリエント公会議の中で、積極的に芸術・美術を取り入れることを決めたという記述がありました(こういうことは、興味のある人や、キリスト教徒の人にとっては常識なのかもしれません)。
画家 カラヴァッジオは、1571年から1610年まで生きていた人ですので、ちょうどカトリック教会が積極的に芸術・美術を取り入れはじめて、枢機卿などが芸術家のパトロンになっていった時代なのでしょう。
画家としては、湖口としての宗教画が成り立ちはじめた時代とも言え、自分の求める芸術と、雇われ画家としての立場との葛藤が、この映画でも描かれている部分があり、それは現代にも通じるテーマではあります。
デレク・ジャーマンという人のことを知らなかったのですが、俄然興味を持ちました。
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先日たまたま知り合っていろいろと話しをした10代のアメリカ人がしきりに薦めていたので観てみました。
実は最初、レンタル屋さんで借りたのは同名の別の映画だったようで、悪い映画ではないけどまあまあだなと思って改めて調べてみたらこちらのほうのようです(こちらのほうはレンタルされていませんでした)。
これは、確かになかなか渋いいい映画です。
いわゆるアート系というか、隠喩がところどころにあって、それを読み取る楽しさがあったり、その時代にはありえないものや衣装が登場して、逆にそれが、いろいろ考えるきっかけになるような興味深いつくりで見飽きません。
映像も美しい。
時代背景として、最近読んだ『ヴァティカンの正体』(岩渕潤子著、ちくま新書、2014年)が早速役立ちました。
その中に、カトリック教会が、プロテスタントによる宗教改革によってその存在意義を問い直す中で。1545年から63年にかけて行われたトリエント公会議の中で、積極的に芸術・美術を取り入れることを決めたという記述がありました(こういうことは、興味のある人や、キリスト教徒の人にとっては常識なのかもしれません)。
画家 カラヴァッジオは、1571年から1610年まで生きていた人ですので、ちょうどカトリック教会が積極的に芸術・美術を取り入れはじめて、枢機卿などが芸術家のパトロンになっていった時代なのでしょう。
画家としては、湖口としての宗教画が成り立ちはじめた時代とも言え、自分の求める芸術と、雇われ画家としての立場との葛藤が、この映画でも描かれている部分があり、それは現代にも通じるテーマではあります。
デレク・ジャーマンという人のことを知らなかったのですが、俄然興味を持ちました。
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