インターネットは、米国防総省が緊急時に特定の通信回線が使えなくなっても、通信が途絶えないようにパソコン同士をネットワークでつないだことからはじまったにもかかわらず、その、世界中の誰でもどこでもネットワークにつながっていればつながることができるという革新性ゆえ、多くの人の支持を受け、特にアメリカにおいては、ベトナム戦争反対運動とそれにつながるヒッピー文化などとつながりがあるというのは、無視できない。と私は思われます。
インターネットの普及に大きく影響を与えたというか、これがないと普及があり得ないという2つの発明があると思いますけど、その一つが「検索エンジン」の発明。そして、もう一つは「暗号化」の発明です。
「検索エンジン」がなかったとしたら、インターネットにつながっていても、知りたい情報を探し出すのはさぞかし大変でしょう。その状態を何とかするため、最初は、自分たちのお気に入りを公開する(つまり、自分たちが探して、いいなと思ったサイトを、インターネット上に公開する)ことから、「検索エンジン」の歴史ははじまったようです。
そのうちすぐに、サイトの増大によって人的な作業が追いつかなくなったのと、多くの人が見に行くサイトほど、みんなが欲しがっている情報がある傾向があるということの発見があわさって、「検索エンジン」の登場となります。
最初は「検索エンジン」の裏をかくサイト(例えば、検索ワードをただひたすら繰り返し書き込んでいるサイト)ができたりして、どう検索すれば、本当に検索したい人が探しているサイトに行き着けるかということについて洗練(アルゴリズムの超絶化)されるようになり、そのアルゴリズムは秘密(非公開)となり、検索結果自体に広告が入ると同時に、検索結果もまた広告に利用されるようになっています(つまり、検索技術には付加価値があると最初から気づいていたのでしょうね)。
検索に人の価値判断が入らないというのは、サイトの爆発的な増大によって、物理的に人にはできないというだけでなく、その底流に、特定の人の判断は間違いが起こるという、反権力的な、ヒッピー文化が色濃くながれていると、私はにらんでいます。
ここで、インターネットと民主主義の問題が出てきます。人為的に価値を操作するのでなく、人の行動(ここでは検索ですけど)を機械的に(統計的に)整理してあげるだけで、おのずと正しい結果や価値がでてくるのではないか、という考えが、「検索エンジン」の開発者にあるのではないかと思います。悪く言うと、無邪気な民主主義信仰(最大多数の最大幸福)
のようなものが、あるのではないかと。
私は、そこに、大きな勘違いがあると思っています。
そのことを説明するために、「半角アンダーバーの謎」(前に書いた記事をご覧ください)を例にとってみます。
私は、半角アンダーバーに漠然とした疑問を持っていました。「これは、記号なの何なの?」と、ただ、あまりに漠然としていたので、あえて調べてみようと思っていなかったのですけど、知り合いとのやり取りから、偶然にも、半角アンダーバーの意味を知ることができました。
もし、私が、まず、「じゃあ、インターネットで調べてみよう」と思い立ったとしたら、半角アンダーバーについて、多くの人が、切実に困っている「半角アンダーバーをどうやってキーボードなどから出したらいいのか」という私にとっては意味のない疑問(それは、私にとっては解決済みだけど、多数決の世界でいくとそのほうが圧倒的に問題)の山に途方に暮れるしかなかったはずです。
多くの人の通常の行動は、切実な問題によるものが多いと思われます。それは、その人たちが何も考えていないわけではなくて、実際の行動として起こることにはそういうことが多いというだけのことです。
ですから、そういうことを機械的に(統計的に)整理しただけでは、より深い疑問にたどりつくことが難しいということになります。もう少し詳しくとか、根本的に知りたい場合に、そういうことが書いてあるサイトがインターネット上にないわけではないと思われますが、そこにたどり着くためには、その前に立ちはだかる、切実な問題の山をかきわけていかないといけないことになり、それはとても効率の悪い話です。
本当に知りたい疑問に、なかなかインターネットが答えてくれないというのは、そういうことなのです。
やっと、本題に近づいてきました。
「それって、検索ワードを工夫すればいいだけじゃないの?」という人もいるかも知れません。それは確かに鋭い。「検索エンジン」だって超絶アルゴリズムでできているのですから、適切なキーワードを入れれば、ちゃんと答えてくれるはずです。しかし、それはそれで、そのキーワードを思いつくのが難しい。
ちょっと、息が切れてきましたので、すごい尻切れトンボですけど、続きはまた。
インターネットに「検索エンジン」が不可欠なことについての解説に終始してしまいました。
「暗号化」のことも積み残しになってます。