『獄(ひとや)に咲く花』
『獄(ひとや)に咲く花』(日本映画、監督:石原興、2009年)
下関出身の直木賞作家 古川薫さんの原作『野山獄相聞抄』を山口県の企業がバックアップすることによって製作された映画。
4月からの全国ロードショーを前に、山口県と福岡県で2月から先行ロードショーが行われ、田舎では珍しい舞台挨拶が岩国のニューセントラルを皮切り行われたので、その取材だけはさせてもらっていたのですが、映画自体は、そのときに別の用事があって見ることができずに、やっと見ることができました。
幕末に、多くの志士を生み出した山口県。その源となった吉田松陰さんが、当時禁じられていた外国渡航を企てて、捕らえられたていた野山獄。しかし、(凶悪犯だからこそ)獄内での行動の自由は保障されていて、一生出ることができないかもしれない、すさんだ囚人たちの心が、松陰さんのまっすぐな行動によって微妙に変化していく様を描いています。
もとが小説ですので、必ずしも事実ではないのでしょうけど、人が人によって変わっていくことや、監獄の中にいても(どこにいても)人は世の中とつながっているのだということを、感じさせてくれる作品です。
映画の中で松陰さんの思想などがあまり語られてはいないのですけれど、時代の変わり目である現代において、やはり激動のあの時代のことに思いをはせるのにはいい映画だと思います。
もう少し詳しく書くと、小さな中庭を囲んで、ぐるりに独房があり、男たちがいる中になぜか一人だけ女性がいる(それ自体は本当にあったこと)という、舞台設定が不思議な劇的な空間になっていました。
手前で主役のやり取りが進んでいる背景に、中庭で、何気に落ち葉で焼き芋をしたりしていて、看守である武士が、「ちゃんと火の始末はしておけよ」とか言いながら、焼き芋を分けてもらっていたりするのが、妙にリアリティがあって面白かったです。
下関出身の直木賞作家 古川薫さんの原作『野山獄相聞抄』を山口県の企業がバックアップすることによって製作された映画。
4月からの全国ロードショーを前に、山口県と福岡県で2月から先行ロードショーが行われ、田舎では珍しい舞台挨拶が岩国のニューセントラルを皮切り行われたので、その取材だけはさせてもらっていたのですが、映画自体は、そのときに別の用事があって見ることができずに、やっと見ることができました。
幕末に、多くの志士を生み出した山口県。その源となった吉田松陰さんが、当時禁じられていた外国渡航を企てて、捕らえられたていた野山獄。しかし、(凶悪犯だからこそ)獄内での行動の自由は保障されていて、一生出ることができないかもしれない、すさんだ囚人たちの心が、松陰さんのまっすぐな行動によって微妙に変化していく様を描いています。
もとが小説ですので、必ずしも事実ではないのでしょうけど、人が人によって変わっていくことや、監獄の中にいても(どこにいても)人は世の中とつながっているのだということを、感じさせてくれる作品です。
映画の中で松陰さんの思想などがあまり語られてはいないのですけれど、時代の変わり目である現代において、やはり激動のあの時代のことに思いをはせるのにはいい映画だと思います。
もう少し詳しく書くと、小さな中庭を囲んで、ぐるりに独房があり、男たちがいる中になぜか一人だけ女性がいる(それ自体は本当にあったこと)という、舞台設定が不思議な劇的な空間になっていました。
手前で主役のやり取りが進んでいる背景に、中庭で、何気に落ち葉で焼き芋をしたりしていて、看守である武士が、「ちゃんと火の始末はしておけよ」とか言いながら、焼き芋を分けてもらっていたりするのが、妙にリアリティがあって面白かったです。