『ねじれ 医療の光と影を越えて』
泊ありの出張の夜、時間があったので、読みかけていた本が読めました。
『ねじれ 医療の光と影を越えて』(志治美世子著、集英社、2008年)
第5回開高健ノンフィクション賞受賞作なので、今本屋の店頭においてあったりしています。私の住んでいるところでも、産婦人科が減っていて、それは、知り合いの助産婦さんに言わせると、(基本的な部分でコミュニケーションが取れなくなってきているという問題がありながら)その時にはなかなか気づけないことでも、後で検証してみるとそうだったと言うこともあり、一概に医者が悪いとは言えないことでも、裁判になると医者のほうが負けるので割に合わない部分があるということなのですが、患者の立場からすると、もっとちゃんと説明してくれたらいいのに、という気持ちもあったり、お互いが歩み寄る必要があるのでは、と感じていて、気になる部分だったので読んでみたのです。
ちょっと、途中がまどろっこしいところもありましたが、患者と医者の両方の立場を丹念にルポしてあり、最後あたりに、セイフティマネージャー(大雑把に言ってしまうと、医療の安全管理についての医者と患者の調整役)という取り組みがあって、具体的に現場から解決策が出てき始めていることが書いてあって、心強く思いました。特に、医療事故で子どもを亡くしたお母さんがさまざまな取り組みをする中で、セイフティマネージャーとなり、まさに、その事故があった病院で「事例から考える〜向き合うためのコミュニケーション」という講演をするくだりには、思わず涙がこぼれそうになりました。
今の時代は、現場にしか解決の糸口はなくて、当事者意識のない机上で考える人がいくらいいことを思いついてもだめなんだと感じています。その具体例として、とても参考になる本です。
『ねじれ 医療の光と影を越えて』(志治美世子著、集英社、2008年)
第5回開高健ノンフィクション賞受賞作なので、今本屋の店頭においてあったりしています。私の住んでいるところでも、産婦人科が減っていて、それは、知り合いの助産婦さんに言わせると、(基本的な部分でコミュニケーションが取れなくなってきているという問題がありながら)その時にはなかなか気づけないことでも、後で検証してみるとそうだったと言うこともあり、一概に医者が悪いとは言えないことでも、裁判になると医者のほうが負けるので割に合わない部分があるということなのですが、患者の立場からすると、もっとちゃんと説明してくれたらいいのに、という気持ちもあったり、お互いが歩み寄る必要があるのでは、と感じていて、気になる部分だったので読んでみたのです。
ちょっと、途中がまどろっこしいところもありましたが、患者と医者の両方の立場を丹念にルポしてあり、最後あたりに、セイフティマネージャー(大雑把に言ってしまうと、医療の安全管理についての医者と患者の調整役)という取り組みがあって、具体的に現場から解決策が出てき始めていることが書いてあって、心強く思いました。特に、医療事故で子どもを亡くしたお母さんがさまざまな取り組みをする中で、セイフティマネージャーとなり、まさに、その事故があった病院で「事例から考える〜向き合うためのコミュニケーション」という講演をするくだりには、思わず涙がこぼれそうになりました。
今の時代は、現場にしか解決の糸口はなくて、当事者意識のない机上で考える人がいくらいいことを思いついてもだめなんだと感じています。その具体例として、とても参考になる本です。