『「事業仕分け」の力』
『「事業仕分け」の力』(枝野幸男著、集英社新書、2010年4月)
現在行われている事業仕分け第二段の準備をする傍ら仕上げられた本。
「事業仕分け」については、私は、何だかんだ言っても、国の予算についての話が、多くの人の日常会話の中に入ってきたというだけで、評価していますし、ある程度その意義について知っているつもりでしたが、その「事業仕分け」を中心に動かしている現行政刷新担当大臣によって直接語られているところが、やはりなかなか興味深い。
枝野さんは、事業仕分けが政治文化を転換させた点を大きく3つあると説明しています。
1 議会の役割は、予算を増やすことではなくて、減らすことだということ
2 事業の目的と手段というものは、区別して議論するのが当たり前だということ
3 事業は必要だと主張するほうに立証責任があるということ
そして、この本の中で何度も強調していることは、強調しすぎることはないので改めて書いておくと、上の2番目のことと関わってくるのですが、
「事業仕分けは、個々の事業がその政策目的達成の手段として合理的で有効かどうかを判断するもの」であって、「個々の事業の政策目的について、その適正さや妥当性、優先順位を議論し判断するものではない」ということです。
ちゃんと説明できないような事業については、みんなの目の前でちゃんとダメだしをしてあげるということでしょう。そして、議論の分かれるような政策目的については、別の場できちんと議論すべきである言っています。
ちょっと話がずれますが、事業仕分けの役割を説明するための具体的な事例としていくつかあがっている中で、「電源立地地域対策交付金」について、枝野さんが静止しているにもかかわらず、仕分け人の一人である経済産業省副大臣が二酸化炭素削減という目標のために原子力にシフトせざるを得ないという財務省の説明に食いついているところが面白かったです。
へえ、と思ったのは、事業仕分けでは事前にヒアリングをおこなって、仕分け側がどこに問題意識を持っていて、どこのところを突っ込もうとしているのかを事前に明らかにしているので、各省庁が防備してくると思っていたのに、実際にフタをあけてみると、防備できずに、せいぜい科学者や大学の学長を煽ったぐらいだったというところです。ある意味これまで政治家に守られていたので、無防備だったのでしょうか?
現在行われている事業仕分け第二段の準備をする傍ら仕上げられた本。
「事業仕分け」については、私は、何だかんだ言っても、国の予算についての話が、多くの人の日常会話の中に入ってきたというだけで、評価していますし、ある程度その意義について知っているつもりでしたが、その「事業仕分け」を中心に動かしている現行政刷新担当大臣によって直接語られているところが、やはりなかなか興味深い。
枝野さんは、事業仕分けが政治文化を転換させた点を大きく3つあると説明しています。
1 議会の役割は、予算を増やすことではなくて、減らすことだということ
2 事業の目的と手段というものは、区別して議論するのが当たり前だということ
3 事業は必要だと主張するほうに立証責任があるということ
そして、この本の中で何度も強調していることは、強調しすぎることはないので改めて書いておくと、上の2番目のことと関わってくるのですが、
「事業仕分けは、個々の事業がその政策目的達成の手段として合理的で有効かどうかを判断するもの」であって、「個々の事業の政策目的について、その適正さや妥当性、優先順位を議論し判断するものではない」ということです。
ちゃんと説明できないような事業については、みんなの目の前でちゃんとダメだしをしてあげるということでしょう。そして、議論の分かれるような政策目的については、別の場できちんと議論すべきである言っています。
ちょっと話がずれますが、事業仕分けの役割を説明するための具体的な事例としていくつかあがっている中で、「電源立地地域対策交付金」について、枝野さんが静止しているにもかかわらず、仕分け人の一人である経済産業省副大臣が二酸化炭素削減という目標のために原子力にシフトせざるを得ないという財務省の説明に食いついているところが面白かったです。
へえ、と思ったのは、事業仕分けでは事前にヒアリングをおこなって、仕分け側がどこに問題意識を持っていて、どこのところを突っ込もうとしているのかを事前に明らかにしているので、各省庁が防備してくると思っていたのに、実際にフタをあけてみると、防備できずに、せいぜい科学者や大学の学長を煽ったぐらいだったというところです。ある意味これまで政治家に守られていたので、無防備だったのでしょうか?