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9月9日付 読売新聞「論点」に寄稿しました! [2014年09月17日(Wed)]
2014年9月9日(火)読売新聞「論点」に掲載された私の寄稿です。
「6次産業化」人材育成−農林水産業振興−

 地域の農林水産業と商業、工業等の連携を強め、その相乗効果を地域の活性化につなげることを目指し、農商工連携等促進法が施行されたのは2008年だった。その後、農地法改正、6次産業化法、6次産業化ファンドなど、政府の一連の農業施策が次々に整備され、今年7月までに、農商工連携は621件、6次産業化は1919件の事業計画が認定されている。

 「農商工連携」は商工の側が代表申請者となり、農林漁業者は原料を供給するだけという事例が多かった。それに対して、農林漁業者が主体となり新商品の開発、加工から販売先の開拓まで手掛けようというのが「6次産業化」である。

 三つ星レストランの給仕長から農業の世界に転じた松木一浩氏が運営する静岡県富士宮市の「ビオファームまつき」を例に挙げよう。年間60品目の有機野菜の生産に始まり、2007年に法人化。惣菜などに加工して販売する「ビオデリ」や、レストラン「ビオス」などを相次いで展開し、従業員30人以上を抱える規模に成長した。

 1次産品を加工すると農作物をそのまま売るよりも5倍の付加価値が付くといわれる。だが、新商品開発にはコストも手間もかかる。新商品だからといって売れるものばかりではない。それでもこうしたチャレンジの先に新しい農業の姿があると、筆者は考える。

 現在各県には「6次産業化プランナー」という農林漁業者をサポートする人材が配置されるようになった。6次産業化の芽を探し出し、効率的に育てていくためには、今後プランナーの資質をさらに底上げすることが求められる。

 そもそも農業とは何だろう。「農」とは、人類が自分たちが食べるものを自分たちで作るという根源的な行為であり、「農業」は農の生業(なりわい)だ。日本人は3千年以上にわたって食べ物を自ら作ってきた。食べ物が「作るもの」から「買うもの」になり食と農が切り離されたのは、この150年のことに過ぎない。昔と同じ生活に戻ることはできないが、切り離された食と農を新しい形でつなごうとする試みは、全国各地で始まっている。

 地方の直売所、都会の青空マルシェ(市場)はにぎわい、消費者は農作物のルーツを知りたがる。私たちNPOが運営する屋上菜園は盛況だし、被災地援農ツアーを企画すると多くのボランティアが集まる。都会人が農的体験を求めていることを実感している。
 自然が相手の農業は苦労が絶えないが、食と農の分野はビジネスチャンスにあふれているように思う。消費者と生産者、都会と地方を結び、人とものとの双方向の交流を深めていく。そこにはお金では買えない満足と感謝の連鎖がある。

 野菜嫌いの子どもがマルシェで試食した野菜をもりもり食べるようになった。感動した母親は、生産者に関心を持ち、実際に畑を訪ねた。そんなエピソードに事欠かない。ここに、地方も都会も元気になる食農交流の種があり、両者の新しい出会いをサポートする我々の存在意義がある。

大塚洋一郎(おおつか・よういちろう)氏
NPO法人農商工連携サポートセンター代表理事。経済産業省で農商工連携促進法を担当。退職後に現NPO設立。60歳。
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