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【後期講義で学んだことと、将来に向けての決意】 [2013年01月14日(Mon)]
こんばんは、中村裕貴です。
今回の記事では表題の通り、【後期講義で学んだことと、将来に向けての決意】について書いていきたいと思います。

*後期講義で学んだこと

後期のみならず1年間を通したブログ起業論の授業においては、学んだことがあまりに多すぎて、こうして記事の内容を考えていてもとても書ききれないなと感じています。

ですが強いてまとめるとすれば、
活躍できる人になるかそうでない人になるかは、少しの工夫をするかしないのかの違いである
ということを、学びました。

これは今まで学んだことの全てに当てはまると思います。
・人と会う前に下準備をする
・印象に残った感想を添えてお礼のメールを忘れずに送る
・心に残ったエピソードを含めてお礼ブログを書く
・ブログで発信し続ける(講義を1年間やり抜く)
など、様々なシーンで他人とは一歩違った努力を積み重ねること、実は誰にもできるチャンスがあるのです。

そのチャンスを少しの気合で挑戦するか、怠けて取り組まないかの違いで、結果は大きく変わってくるのだなと感じました。

僕の場合、大好きであるオーケストラをテーマにしてブログを書いているのに、記事の作成が時にダルく感じてしまうこともありました。
その想いを自分自身で否定することはないですが、もしそのタイミングで一度でも怠けてしまっていれば、ブログの更新は続かず、本来出会えていた方々とも出会うことができなかったかもしれません。

僕にとってそれは新日本フィルハーモニーの方々であったり、
友人達と聴きに行った新日本フィルの演奏会の至福の時間であったり、
久米先生を通じて出会うことができた多くの大人の方々がそれにあたります。

そういう意味では、更新を行ってよかったなと、結果的に思っている次第であります。

一方で、本来のブログのゴールである”会いたい人に会いに行く”という目的は達成できていないので、その点では自分の怠惰な部分が結果として新たな出会いの芽を摘んでしまったと思っています。

来年度からは社会人ということで、学生時代より圧倒的に「結果」に対してシビアな世界になると思います。
そういう環境でこそ、自分の怠惰故の悪い結果をつくらないためにも、「ほんの少しの覚悟と厳しさ」を自分に課して、過ごさなければいけないなと感じました。

*将来に向けての決意

僕は久米先生から「夢は熱く、でも謙虚に他人に公言するべし」と教わったので、機会がある際は常々自分の夢である『21世紀で最も芸術的な企業を創る』ということを公言してきました。

この講義を通じて出会った方々にもその夢を伝えることで、応援してもらえる実感があり、益々気が引き締まったのを覚えています。

しかし、この”芸術的”というフレーズが、夢にするには少し抽象的だと感じています。
またそのように久米先生からも指摘を頂戴しました。

この”芸術的”というのは、音楽や美術をビジネスにするという意味ではなく、「(10年間続けた)オーケストラのように、1つのものを目指して全員で努力していくチーム・従業員や社会から愛されずっと大切にされる夢のような企業」を創りたいとの想いがあります。
音楽でも演奏自体は芸術ですが、紆余曲折を経るそのプロセスも僕は芸術の1つと考えています。
また自分の会社で働く従業員から第一に愛される企業も、ある意味で芸術であると考えています。
そこには”誰かを感動させるためのパワー”が宿っているのです。オーケストラの演奏会と同じです。

ですが、こうして説明をしないと、イマイチよく理解ができない夢となってしまっています。
”芸術的”という表現が、このことを誘発していると考えています。

新しい自分の将来の夢は、まだ考え中です。
ですが想いは上記と変わらず、「従業員や社会から愛される、夢のような企業」を創りたいという軸になります。

10年後、僕は32歳になりますが(本日より7日後に22歳になります)、
その頃には新卒で入社する会社からは離れ、独立した道を歩んでいるかと思います。

『従業員や社会からずっと愛される、夢のような企業を創る』道のりは一生がかりだと思います。
30代では「会社の成長・上場・安定・成長」というステップを踏んで、その夢に一歩でも近づいていきたいと思っています。

今はまだ20代前半の道半ば。
すでに内定先の企業で1週間の半分程を働いていますが、現実は夢とあまりに乖離しすぎていると感じています。

ですが【後期を通して学んだこと】でも書いた通り、日々の細かいことでも「少しの覚悟と厳しさ」を自分に課していくことで、一歩一歩近づいていきたいと思っています。

こうしてまとめてみると、やらなければいけないことは意外とシンプルかもしれないと思ってきました。
久米先生の教えを元に、挑戦心を絶やさずがんばっていきたいです。

1年間誠にありがとうございました。

明治大学商学部
中村裕貴
【読書感想】『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』 [2013年01月14日(Mon)]
こんばんは、中村裕貴です。

久米信行先生の『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』を読みました。
『「すぐやる!」技術』はこちら

前回の読書感想では『「やり抜く!」技術』について書かせていただき、今回はこの『「すぐやる!」技術』について、感想をまとめさせていただきます。

この本では「見る前に跳べない(=色々悩んで行動することができない)」人をテーマに、31の題材が設けられ1題ずつ沿って解決策が提示されていきます。

その中でも特に印象に残った「見る前に跳べない」人の題材を挙げたいと思います。

【1,飛び込み営業ができない (PART1>Q7>P40) 】
この項目では、先生も日頃授業ではあまりお話しされない飛び込み営業について書いてありました。
ですが、別に”飛び込み営業のノウハウ”や”飛び込む覚悟を固めるための啓発”が書いてあるわけではありません。
「確率変数」というテーマが前半で述べられた後、後半部分で「対人感受性」について書いてあるのです。

例として挙げられているのが、
営業先で断られる⇒諦めずに一方的に売り込みを続ける
という流れでした。
しかしこれでは『何がお悩みなのかを、聞いたり察したりする努力を怠った「対人感受性ゼロ」の人間だった(P42)』と記載されています。

そう気づいてからは、相手の悩みを理解して、自分の収集した情報を提供していくことでお客様と本音の会話ができるようになったと語られています。

これは確かに営業する際においては非常にテクニカルなことではありますが、私は飛び込み営業に限ったことではないなとも感じました。

商談に限らず社外の人と会う際、一貫して下調べの重要性と相手のことに興味を持つことについて教わってきましたが、「対人感受性」なくしてスムーズなコミュニケーションは図れないとも思います。
相手が一番話したいであろうを聞きだすために効果的な質問をするなどは、こういった感受性を働かせないといけません。

ものを売るという営業もそうですが、相手に自分を売り込むという営業でも、駆使するコミュニケーションスキルは同じなのかなと感じました。


【2,相手が大物だと、つい遠慮してしまう (PART1>Q1>P48) 】
「大物」と「小物」
どちらが接しやすいのか、気に入られるのかというテーマです。
久米先生の回答は「大物」。

この題材については、久米先生も日頃講義中に何回か仰っておられました。
なぜこう思われるのかというと、『「本物の大物」は、大きな度量と鑑識眼をお持ちの方が多いので「安心」できる(P49)』と記載されています。
授業中には、むしろ「”小物”と話すときほど、何を話していいのか分からない」とよく仰っていたのが思い出されます。

「大物」の資質として、下記の7項目が挙げられています。
この資質を持ち合わせている人物こそ、「大物」たる所以であり、真似るべき教訓ともいうことができます。
どれも大事な内容なので、全て記載の通りに引用させていただきました。

@年齢・性別・地位・役職を気にせず、その人の本質を評価する
Aしっかり事前準備をしていて、結論や論旨が明確な人を評価する
B自分の地位よりも、理念や本質を理解してくれる人を評価する
C夢、理念、情熱を持って、熱く語れる挑戦者を評価する
Dどんな話であっても新味と誠意があれば耳を傾けてくれる
E取巻きの多さと比例して孤独で、心通う友や弟子を求めている
F心に響くお礼ブログやお礼状を出せば、返信をいただける

・・・P49より

上記は「大物」の資質として挙げられているのですが、自分で養うことで自身の成長にも繋がるような項目なのではないかと考えました。
つまり今後の前進のための解釈を捉えて行動することで、「大物」までいかなくとも自分が成長できる要素となりうるのではないかと思いました。

下記が私が考えた、「大物」に近づくための資質です。僭越ながら記載いたします。

@年齢・性別・地位・役職を気にせず、その人の本質を評価する
Aしっかり事前準備をして、結論や論旨を明確にしてコミュニケーションする
Bその人の地位よりも、理念や本質を知ろうと努力する
C夢、理念、情熱を持って、熱く謙虚に語れる挑戦者になる
Dどんな話であっても新味と誠意を持って相手に接する
F心に響くお礼ブログやお礼状を出して感謝の想いを伝える
E上記の行動を「すぐやる」ことで、経営者(大物)の心通う友や弟子になる

久米先生の7項目を、自分が実践するという前提に書き直してみました。
綺麗にまとめられているとは言えませんが、本の中を一貫して唱えられている”出会う前の下準備”や
”謙虚な姿勢と感謝の心”
というエッセンスは含まれているかと思います。

この章の最後に『ググって、ウィキして、今週中に大物にコンタクト(P53)』というアドバイスでまとめられている通り、人と会いに行く際には下準備をする努力を怠らず、他の人より自分を印象つけることで1歩先を行くということに、ビジネスの世界では「大物」も何も変わらないのかもしれません。

来年度から私も社会人ということで、上記の自分用の”大物資質”を積極的に活用し、活躍できる大人になっていきたいと思います。

中村裕貴

【『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』 著者:久米信行】
詳細はこちら

【『面倒くさがりで続かない人のための「やり抜く!」技術』 著者:久米信行 】詳細はこちら
【学生・社会人との毎週一問百答】第264弾は「仕事の優先順位」について [2013年01月14日(Mon)]
こんばんは、中村裕貴です。

今回の記事では、ブログ起業論後期授業のまとめということもあり、
『経営者会報ブログ』で学んだことを記事にしたいと思います。

今回も前期と同様に、【タオルはまかせたろ.com】の京都工芸 寺田社長にご教授いただくことができました。
寺田様、誠にありがとうございました。

=======================================
質問と経営者の方からの回答(京都工芸 寺田社長
=======================================


〈質問〉----------------------------------------------------
 仕事の優先順位をどのように判断していますか?
           (明治大学商学部 中村裕貴さん)
 中村さんのブログ:
  クラシックファンのための、新日本フィルハーモニー応援ブログ
--------------------------------------------------------------

中村裕貴さん
こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。
ご質問ありがとうございます。
一緒になって考えていきたいと思います。

優先順位に関してちょうど一年前にも湯木遥子さんより「仕事より大切なもの」についてという
一問百答コーナーに寄せていただき私の優先順位のあり方を記載しております。
あわせてお読みいただけますと幸いです。 こちら

大切にしている基準は先約をいれてくれた縁者そのものから優先
という書き方を当初もしてますが今も変わっておりません。

先約を優先的にする。覆すことしないとしておけば簡単ではないでしょうか。
時間に遅れることもないです。
自分に正直でいられます。

ホテルの宴会予約。忘年会の予約も人を選ばず先約からです。
仕事もすべて一緒に思えばいいのではないでしょうかね・・・。

仕事の優先順位が付けられない方は人にも時間にもルーズであります。
それが悪いといっているのでないです。
だから大変なんだと思います。

予定を覆し優先したことが正しかったと判断しているのは自分本位で
人に迷惑を掛けた後回しの案件はどうするのでしょうか。

基準は自分でなく相手である方がストレスがないのです。

重要な用件ほど重なります。
どの道、選んだ道が正解だと言い聞かせているから
後悔はしませんよ。


「経営者の方が、自分自身でやることか、部下に任せる
べきかをどのように判断しているか」についても、聞きたいとのことですが
会社で経営者が留守でもすべて回るようにしていく仕組み作りをするのが
経営者の才覚だと思っています。
通常業務はすべて任せてしまい問題が生じた時だけ対応を早く責任を負い
動きます。

経営者は出しゃばらず会社の旗として理念を掲げて社を見守って
いるのがいいように思っています。


世の中には自由人と不自由人という立場の経営者が
います。

自由人は忙しくてもすべて任せる仕組みを持てる人。
不自由人は忙しいと自分で任さずに仕事をする人。
中でも名医のようにその方でなければお願いできないという不自由人は
それは幸せな道なのです。
どちらを人生で自分が幸せだと感じることができるかによって
経営方針を決めていけばいいのだと思います。


ばっさりと大まかな質問であったために一定の切り口からのみの
回答になってしまいごめんなさい・・・。
人に関する仕事の優先でなく作業の効率に関しての優先順位の話は
ガントチャートを生かした話をまたしたいと思います。

さらに突っ込んでいただきましたら一緒にまた考えてみたいと
思います。

ありがとうございました。

=======================================
中村のコメント
=======================================

寺田様

こんにちは、明治大学の中村裕貴と申します。
この度は質問に応えていただき、誠にありがとうございました。

実は以前、寺田様と一度こちらのブログにてお話しをさせていただきました。
https://blog.canpan.info/njp/category_1/1
その時に買った貴社のタオルハンカチは今でも愛用させていただいております。(水色とオレンジのリバーシブルのものです。)


仕事の優先順位の付け方について、ざっくりとした質問となってしまい、申し訳ございませんでした。
ですが寺田様から「自分本位でなく、お客様本位で仕事の優先順位をつける」ということを教えていただいたと思います。

私は寺田様の仰る「人にも時間にもルーズな人」なので仕事の優先順位の付け方は今後苦労するのだろうなと想像した次第ですが、
社会にでた際は、相手やお客様の先約や縁者という視点を持って効率性をもった仕事の優先順位の取り組みを行いたいと思います。

ガントチャートとは、工程表のようなものでしょうか。
例えば新作の制作を進める際に、寺田様がどのように通常業務を他の人に振り、社長という立場であるご自身はどのような仕事をされるのか、とても興味があります。

この度は誠にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

明治大学商学部4年
中村裕貴

=======================================
寺田様からご返信
=======================================

中村さん
こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。
コメントありがとうございました。
ブログも拝見しております。朝礼でその内容も共有します。
ありがとう・・・。
ご質問の答えになりきれてなくて申し訳ない部分もあったようですがそれなりに得るものを探して読解することができる中村さんの姿勢が素晴らしいですね。 
ガントチャートは検索すればいっぱいと内容が書かれているかと思いますが私の場合はノート一冊で日程表にしながら出来ていないことの必要性と優先性に課題をみつけ、さらに人へのおもいやり部分の人間性を取り込んで作成しています。機械的な業務だけするのでなく『この会社を選んでよかったと思っていただける行動』を理由つけできるようにぶれずにしています。まだまだできていないことも多く日々進化ですよ。 だから面白い。 いつも新作を作る際も通常業務も『共育』であると思って”振る”という意識でなく、ともに学ぶという視点をを持つとお互いがその中で切磋琢磨していきます。それがわが社のそして経営者としての立場であると思っています。 仕事を振るという他動詞でなくともにともにするという自動詞が理想ですね。 

=======================================
記事を通して
=======================================

さて、長くなってしまいましたが、上記がこの度の『経営者会報ブログ』において私がお世話になったタオルソムリエ寺田社長との内容になります。

今回のお話しで勉強になったのは、仕事の優先順位を”お客様本位”で捉えてつけるべきだということです。
これは寺田様が「先約をいれてくれた縁者そのものから優先」と仰っている通り、こちらの都合どうこうではなく、そのお客様がどういう方であるのかという視点によって、自分の行うことの優先順位が図れるという狙いです。
そうすることによって、「自分に正直でいられ」ると寺田様は仰っています。

私は時間にルーズであるので、勉強するときでも優先順位を付けずにダラダラ過ごしてしまうことが多くあり、将来仕事をする上で効率的に仕事ができるか不安です。
ですが寺田社長のお言葉通り”お客様本位”で仕事を測れることができれば、効率的に行っていくことができるのではないかと感じました。

また、寺田様の文章の中で印象に残ったのが、
「会社で経営者が留守でもすべて回るようにしていく仕組み作りをするのが経営者の才覚」
という一文です。

才覚=仕事と置き換えれるかもしれませんね。
通常業務をいかに従業員に任せて、責任を負うときは迅速に対応するというのが経営者の姿勢なのではないかと思い知らされます。

なので、経営者としての仕事の優先順位のトップとして、会社が社長なしでも回っているという状態をいかにして創りだすかということが当てはまるのではないかと思いました。

***

以上となります。

前期で同様に一度お世話になり、その際に買ったタオルは現在でも使っております。
そのことについても寺田様からコメントをいただき、買った側の私も非常に嬉しい気持ちになりました。

寺田様、この度は誠にありがとうございました!

明治大学商学部
中村裕貴


【タオルはまかせたろ.com】
今回ご紹介した寺田社長の【タオルはまかせたろ.com】のリンクはこちらになります。
私は『デキるオトコのタオルハンカチ』を持っています。サイズもポケットに入るちょうど良いもので、肌触りも保たれて重宝しています。
『デキるオトコのタオルハンカチ』はこちら
【12/22(土)新日本フィル 新クラシックへの扉】ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱付き』 指揮:リュウ・シャオチャ [2012年12月23日(Sun)]
こんにちは、中村裕貴です。

昨日はベートーヴェン『第9』演奏会に行ってきました。

***

12月22日(土)14:00開演 会場:すみだトリフォニーホール

#26 新・クラシックへの扉

■プログラム    
ベートーヴェン作曲 交響曲第9番ニ短調『合唱付き』 op.125  

■出演者
指揮:リュウ・シャオチャ(呂紹嘉)
ソプラノ:天羽明惠
アルト:加納悦子
テノール:永田峰雄
バリトン:キュウ・ウォン・ハン
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山文昭

※新日本フィル公式HPより

***

個人的には初めての第九演奏会!ということで前々からこの演奏会を非常に楽しみにしておりました。


せっかくなので、佐渡裕指揮の『1万人の第9』の動画をご紹介します。


【交響曲第9番『合唱付き』/ベートーヴェン】

あまりにも有名な4楽章の合唱ですが、今までCDで聴いていただけだったので、ライヴで聴く迫力は鳥肌ものでした。

実は新日本フィルは、今回の『新クラシックの扉』が終わってからも、年末にかけて第9演奏会が数多く控えているのですが、そのような状況下でも指揮のリュウ・シャオチャ氏の情熱溢れるタクトにのって魂の入ったサウンドがこちらに届いてきました。

ホルン吹きとしては、なんといっても3楽章!
3楽章全体を通してこれ以上とないほど美しい音楽である中で、中間部にあるホルンソロのB(H)dur音階はまさに天に昇るように美しいのです。

思わず気持ちよくなってしまうそんな3楽章を経て、フィナーレへ。
静かに始まるチェロとコントラバスによる「歓喜の歌」のメロディが、まるで遠くで演奏されているかのような夢見心地。
徐々にヴァイオリンや木管楽器が受け継いでいき、最後は金管楽器が高らかに歌い上げる。

突如として現れる轟かしいサウンドの後、バリトンの声が会場に響き渡りました。
コーラスを含めたオーケストラの壮大な響きには、終始圧倒されていました。

あっという間に曲は終了し、会場は拍手の嵐。

年末の風物詩とも言われているベートーヴェンの第9ですが、これで僕も素敵な年越しを迎えることができそうです。

中村裕貴

***

【新日本フィル 公式HP】
http://www.njp.or.jp/
【11/28(水)第501回定期演奏会 サントリーホールシリーズ】チャイコフスキー交響曲第4番、バレエ音楽『春の祭典』 指揮:ダニエル・ハーディング [2012年11月28日(Wed)]
みなさまこんばんは。中村裕貴です。

今日はサントリーホールにて行われた、新日本フィル第501回定期演奏会に行ってきました!

046.JPGカラヤン広場はイルミネーションが綺麗でした

これまで数々の演奏会に行きましたが、これほどまでに濃いものは初めてだったかと思います。
なんとチャイコフスキー4番で始まる演奏会!

***

#501 定期演奏会
疾風怒涛・豪華満載ハーディング。興奮の坩堝に身を任せ


11月28日(水)19:15開演 会場:サントリーホール

■プログラム      
チャイコフスキー作曲 交響曲第4番ヘ短調 op.36  
ストラヴィンスキー作曲 バレエ音楽『春の祭典』  

■出演者
指揮:ダニエル・ハーディング
※新日本フィルハーモニー 公式HPより

***

とにかく言葉には表せられない程、肌で感動を味わいました!
以前から変わらず、新日本フィルの奏者の方々は全員が力を籠めて演奏されています!
その姿勢が音の魂となってこちらに感動を与えてくれます。

オーケストラの膨大なパワーで感動をしたい方は、ぜひ新日本フィルの演奏会に足を運んで下さい!

写真 (1).JPG

指揮者はロンドン響など数多くの海外オケでの実績のあるダニエル・ハーディング氏。
あの小沢征爾氏から新日本フィルを継ぐと言っても過言ではない、間違いなく新日本フィルの今後を担う指揮者の1人であります。



【交響曲第4番/チャイコフスキー】

冒頭のホルンから始まり、終始落ち着いたテンポの1楽章。
ハーディング氏の明確に拍をもたせる音楽に、冷静さの中でも緩急の豊かな楽章となっていました。

金管楽器も決して乱暴にはならず、音のアタックの細部まで気を遣われていたのがとても印象的でした。

美しいオーボエのソロから始まる2楽章。
クライマックスの弦のtuttiは鳥肌ものでした。

弦のピッツの一体感が輝いていた3楽章を挟み、オーケストラは一気に4楽章の盛り上がりへ。

1楽章とは打って変わって前へ前へ進む音楽に。
ハーディング氏の全力投球のタクトで、息遣いまでこちらに伝わり、自分自身もオーケストラと共鳴しているかのように興奮が収まりませんでした

この曲ではホルンは6管でした。
何名かトラがいたのに関わらず一体感があり、これぞチャイコフスキーのホルン!という気持ちいいくらいのパリッとした音色を聴くことができました。

上にも書いた通り、新日本フィルは奏者1人1人の音楽が本当にこちらに伝わってくるのです。
それはコンマスの崔氏を始めとした弦セクション全員であってもそうであり、
1人1人が今にも飛び上がりそうなくらい感情を込めた演奏をするのです。
そんなプロのオーケストラが新日本フィル以外どこがあるでしょうか!?



【春の祭典/ストラヴィンスキー】

言わずと知れた、ストラヴィンスキーの名曲。
随時変拍子が続き、聴いている側も拍が途中で分からなくなってしまう程です。

ノンストップで続く35分間でしたが、ハーディング氏の熱の籠った"左手"の指揮が、脳裏に焼き付いています。
一体感という言葉が安っぽく聞こえでしまうほど、全身全霊のオーケストラでした。

静寂の中から始まるFg河村氏のソロは、これから何か奇妙なことが始まるのではないかと思うくらい、一気に『春の祭典』の世界に引き込まれる演奏でした。
カーテンコールではハーディング氏も迷わず河村氏を指名されておられました。

そしてやはり僕はホルン奏者に注目してしまうのです。
井手氏と金子氏のハイノートはとにかく感嘆でした。僕のような奏者では、あの楽器からどうしたらあのような音が出るのかが分かりません(笑)



【本日もオーケストラの友人たちと】

そして今回の演奏会には前回に引き続き同じオーケストラの友人と一緒に拝聴しました。
実は以前にこのメンバーで本日のプログラムであるチャイコフスキーの4番を演奏したことがあり、個人的にもその時のことが思い出されました。
(この曲は、音を聴くだけで「あぁ、あいつが吹いているところだな」と顔まで思い出してしまうほどなのです)

みな今まであまり新日本フィルの演奏会には来たことがなかったそうです。
中には今日が初めての新日本フィルという者もいました。
ですが、口を揃えて「誘ってくれてありがとう!」との言葉をもらいました!

演奏の感想を聴くと、
「今まで聴いた4番の中でも一番よかった」
「みんなが本気で演奏しているから、いい意味でプロじゃないみたい!」
「全力さが伝わって熱い演奏だった」

などと言っていました。

確かにこういった意見は同感で、僕も新日本フィルが好きになったのは、その演奏が沁み渡るように身体に共鳴していく感動を得られたからなのです。

また今日のように友人を誘って、一緒に演奏の感動を共有していきたいなと思いました!

051.JPG今日は彼らと一緒に聴きました。ありがとう!

終演後はいつも大変お世話になっている佐藤様の元へ。
今日も全員で御挨拶ができてよかったです。本当にありがとうございました。

今日はこれにて以上となります。
次回は12/22(土)の第九演奏会に行く予定でおります!
また記事にしたいと思いますので、みなさま今後ともよろしくお願いします〜!

中村裕貴

【新日本フィルハーモニー公式HP】
http://www.njp.or.jp/ 

【本日の演奏会詳細 公式HP】
http://www.njp.or.jp/archives/5095
11月7日講義より【どうすれば、自分よりはるか上を行く年長者のビジネスパーソンから認められるのか】 [2012年11月08日(Thu)]
みなさんこんばんは。中村裕貴です。

本日は、昨日11/7に行われた久米先生のブログ起業論の講義において、
先生からのお言葉があまりにも感動したので、記事にさせていただきました。

1つのテーマに沿ってお話しをされたのではなく、先生の講義を通しての発言をまとめたものなのですが、
今後ビジネスマンとしてやっていくためだけでなく、社長になるため、他の企業の社長と付き合うため、または営業をするためといった、ビジネス上の様々なシチュエーションに当てはまる内容だと考えております。

本文は長くなってしまいましたが、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
色つきの強調などは最低限にさせていただいております。

===============================

私たち若者が、年長者たちから「最近の若造は!」と言われてしまうことに関して。

前提として、自分たち学生は大人には到底敵わない未熟者であり、「若造」と思われて然るべき。
(※ただし、根拠がなく若造をイジめようとする年長者がいるのも事実なので、注意。)
一般的に若造という言葉は、多少バカにしたような乱暴な言い方であり、出直して来いという意味合いが持たれるが、実際に年長者はそう感じてしまうのが殆ど。つまり、「若造!」と言われた若者は、まず自分のせいだと思うべきである。

「ヨソモノ・ワカモノ・バカモノ」
一見「若造」と同じことを言っているように見えるが、これは全く異なると解釈する。
例えば地方都市の地域観光業界を例に挙げる。とある若者(地域観光業界においては60代でも『若者』とされるのだが)が、その地域のことを良くしたいという想いや熱意がなく、また文化や地域の名産などの知識が乏しいとする。これでは地域にパワーを与えることはおろか、コミュニティに入ることさえ難しくなってしまう。これではただの「若造」である。年長者の求める「ワカモノ」ではない。

最低でも企業の経営者であれば、「ヨソモノ・ワカモノ・バカモノ」の理念については理解をしている。
熱意があり、何か突出するものを持っていれば、謙虚な姿勢で受け入れてくれる。「若造!」という人は、実はその人のことを試しているのである。
2000社以上の赤字企業を黒字化に転じさせ、著書『社長のノート』でも有名な長谷川和廣さんは、年下に対しても敬語を使う。自分より何か1つでも知識のある人に対しては、敬意を払い、何事にも勉強勉強という姿勢を崩さない方である。もちろん、長谷川和廣さんと対面でお話しすることができること自体が、認められた人でしか実現できないのだが。

では、どうすれば年長者や忙しいビジネスパーソンと話ができるようになるのだろうか。
どうすれば「若造!」などと一蹴されずに会話をすることができるのだろうか。

それは偏に、『相手の愛情に対する共感』ができるかどうかである。
その相手が一番大切にしていることに対して質問を投げかけられるかどうかが重要となる。それは相手のビジネスのことでもよいし、相手の趣味のことでもよい。車でもゴルフでもクラシック音楽でも、相手が好きなものに反応するかどうかで、その後の相手の目がキラキラして一気に距離を縮めることができる。

手法としてまず、企業の社長は人と会う前に、必ずその人のことを調べる。それはFacebookやtwitterのようなソーシャルメディアはもちろん、過去のインタビュー記事がネット上に落ちていればそれを見る。
人と会う直前でその人の下調べをすることで、会ったときの相手への共感力が変わり、その後の話も急速に速くなる。こうすることで相手からも『可愛いやっちゃなあ』と認められ、お付き合いへと発展していく。

また企業の社長は他の企業の社長と会う前に、相手の会社のサービスを知り、製品を実際に買う。
先程の長谷川和廣さんも、久米先生と会う時には必ず『久米繊維Tシャツ』を着てくるのだそうだ。
商売をやっている人間には商売で返す。経営者にとって一番うれしいのは自社の製品を買ってもらえることであり、相手も喜んでもらえる上、相手の心を射止めることができる。

もちろん相手と話すときの姿勢も大切である。元気のよい挨拶から始まり、深くゆっくりとした丁寧なお辞儀で終わる。相手の話を聞く際には『和顔愛語(わげんあいご)』に倣って、優しい顔でニコニコと話す。相手に興味があるということを姿勢として示すことが非常に大切である。

以上のように、
@会う人のことを事前に下調べ
A相手の好きなことに対して反応、共感
B『和顔愛語』の精神で接する
ことにより、相手から認められる可能性が高くなる。
少なくとも「若造!」などとは叱責されず、年長者であってもしっかりと会話をすることができ、むしろお互いに尊敬しあう関係を構築することができる。一度会っただけでそこまでは至らなくとも、覚えてもらうことはできる。

しかし、これではまだ終わらない。
大事なのは会った後である。

その相手に対する御礼はもちろんだが、もし相手の会社の製品やサービスを購入していなかった場合には、実際に自分のものにしてみる。
そしてそれをソーシャルメディアなどで友人や世の中に発信する。
会社の社長にとって一番うれしいのは、『自社の製品を買ってもらえること』。商売をやっている人には商売で返すのが、この上ない御礼とも言える。

===============================

いかがでしたか?

文章にまとまりがない部分があり、読みづらい点もあったかとは思いますが、久米先生の伝えたいメッセージはご理解いただけるかと思います。

僕自身、このブログ起業論は毎度のことながら自分の大人としても未熟さを感じる授業なのですが、昨日の内容はとても日頃生活をしていて聴くことのできる内容ではなく、大きなインパクトがあったので記事にまとめさせていただきました。

考えてみると当然なのですが、なかなか行動に移せない。
でもそんなことを言っていると、時間が経つにつれ一流のプロには遠ざかってしまう。

抽象的な言い方ですが、『相手を思いやる気持ち。相手のことを好きになって、相手のビジネスについて知ろうと思うこと』を第一に考えなくてはいけないのかなと感じました。

明治大学商学部
中村裕貴

***

【長谷川和廣さん】
『社長のノート』http://amzn.to/SNfPXs
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両著とも必読です!

【久米信行先生】
http://www.facebook.com/nobukume
【10/26(金)新日本フィル第500回定期演奏会】『トリスタンとイゾルデ』より前奏曲と愛の死、ベートヴェン交響曲第3番『英雄』 指揮:ドミンゴ・インドヤン [2012年10月29日(Mon)]
みなさんこんにちは。中村裕貴です。

先週金曜日の夜は、第500回定期演奏会に行って参りました!

***

#500 定期演奏会
祝500回!『英雄』は結成記念公演から


10月26日(金)19:15開演 会場:すみだトリフォニーホール

■プログラム
ワーグナー作曲 楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 前奏曲と愛の死
ベートーヴェン作曲 交響曲第3番変ホ長調『英雄』 op.55

■出演者
指揮:ドミンゴ・インドヤン
※当初予定の指揮者、ヴォルフ=ディーター・ハウシルトの急病により、上記のとおり変更となりました。

***

記念すべき、新日本フィルの500回目の定期演奏会でした。
まずは、新日本フィル定期演奏会が500回記念ということで、
おめでとうございます!!

写真 (1).JPG

指揮者は、ヴォルフ=ディーター・ハウシルト氏が急病で来日することができず、代役としてドミンゴ・インドヤン(Domingo Hindoyan)氏が出演されました。

※ドミンゴ・インドヤン氏のプロフィールはこちら

ベルリン国立歌劇場で、あのバレンボイムのアシスタントを務めることが決まっている、エル・システマ出身の期待の新進若手指揮者ということです。

インドヤン氏は若干32歳(!)である上、今回の急遽の来日で2日のGPしか練習ができなかったというのに、実際に聴いた演奏は、素晴らしく感動しました。

148.JPG    ※新日本フィル 公式Facebookページより引用

【ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調『英雄』 op.55】

ベートーヴェンのシンフォニーの中でも、個人的にも大好きな『英雄』。
今回新日本フィルの記念演奏会で聴いたのが、生で聴く初めての経験となりました。

冒頭のE♭durのtuttiが2回鳴り響いた瞬間、そこは一瞬にして新日本フィルの世界が広がりました。
かねてより好んでいた管弦のバランスのとれたハーモニーが、インドヤン氏の手によって更に統一感を増していたような気がしました。

とにかく新日本フィルのハーモニーは美しい。
先月聴いた同じベートーヴェンの『田園』のときもそうでしたが、身体にスッと沁み込んでいく音色を奏でてくれるのです。

その後に続く弦と木管の流れるようなメロディも、金管のフォルテも、
それぞれのパーツが1つになって一連の音楽になっていく様子がとても気持ちがよかったです。



インドヤン氏の指揮は、エネルギッシュでとても印象に残る指揮でした。
リードが物凄く明解で、楽器ごとで異なるパッセージを立体的にまとめあげることが得意なのでしょうか。
それだけメロディが際立ち、場面ごとの移り変わりをより感じることができました。

これは終演後に新日本フィルの方々から伺った話なのですが、インドヤン氏指揮のオーケストラは、いつもと比べてサウンドが全く異なっていたとのことでした。
僕ではその微妙な違いまで把握することができませんでしたので、まだまだオーケストラの深みへの理解が足りていないのだなと感じた次第であります。

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そして今回は、僕と同じオーケストラに所属する仲間を5人連れて聴きに行きました!

僕たちは立教大学交響楽団に所属しており、今回聴いた『トリスタンとイゾルデ』を2月に演奏することになったのです!
(僕は大学は明治ですが、オーケストラのみ立教に所属しています。)

立教大学交響楽団HP

彼らも
「英雄も凄く良かったけど、トリスタンも感動したよ!」
「新日本フィル初めて聴いたけど、上手だった!」
「この金額(学生チケット\1,000)でこんな上手な演奏会聴けるなんていいね!」
と喜んでくれて、僕も彼らを誘ってよかったなと思いました。

156.JPG   一緒に演奏会に聴きにいった友人たち

終演後は、今回チケットについてお世話になった広報の佐藤様にご挨拶のため、総勢6名で舞台袖へ。
御礼をすることができてよかったです。お忙しい中、ありがとうございました。

また舞台袖には指揮者のインドヤン氏の姿が!
拍手で見送ったのですが、写真を撮ってもらえば…と後悔。

最後に、佐藤様、この度は誠にありがとうございました。

今回だけでなく、友人やオーケストラに興味のある人に新日本フィルのよさを伝えていきたいと思います。

本日の記事は以上となります。

次回はきたる11/28(水)、ハーディング氏によるチャイコフスキー4番・ストラヴィンスキー『春の祭典』というアツいプログラムを聴きに行きます!

最後までお読みいただきありがとうございました!
【新日本フィルハーモニー CDレビュー】朝比奈隆:ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」 [2012年10月15日(Mon)]
こんばんは。

最近は9月のコンサート以来、足を運ぶことができていないので、本日の記事は新日本フィルのCDを聴いた感想を書いていきたいと思います。

【ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」】
指揮:朝比奈隆
収録:1979年3月8日/東京文化会館 第67回定期演奏会(Live)

011.JPG

FM東京さんから出ている新日本フィルの演奏会ライブ盤です。

指揮は朝比奈隆さん。
朝比奈さんといえば大阪フィルのイメージがどうしても強いですが、(大阪フィルの前身となった関西交響楽団を設立)
新日本フィルのCDもいくつかリリースされています。
その大阪フィルとの「ブルックナー全集」を発表したことで一躍”ブルックナーの巨匠”と言われるようになったのは有名です。



実は僕はこれまで10年間のホルン生活の中で、ブルックナーのシンフォニーをまともに聴いたことがありませんでした・・・!(この時点でホルン奏者として失格ですね・・・笑)

自分の中でクラシック一大ブームが到来した中学2年の頃に聴こうとしたのですが、ブルックナーのシンフォニーは「長い」というイメージがどうも抜けなかったのです。
※4番においては、4楽章構成で実に1時間10分にも渡るのです!



つまりほぼ初めて「ロマンティック」を聴いたのですが、1楽章を聴いただけでも「今まで聞いた新日本フィルとは何かが違う」と思いました。

何と表現すればいいのか、聴いたことのない重々しいサウンドがしたのです。

とここでCDに同封されている解説に目を向けました。
するとそこには、音楽評論家で元FM東京ディレクターの東条碩夫さんのこんな一文が。

「70年代の新日本フィルは、音楽監督・小泉和裕氏、首席指揮者・小澤征爾氏という、比較的精緻でスリムな音楽を身上とする、バトン・テクニックの精妙な指揮者に率いられており・・・(以下省略)」

なるほど、まさに今まで僕が感じてきた新日本フィルの演奏は、まさに東条さんの仰ることの所以なのだなと感じた次第なのです。

確かに今まで聴いた演奏会も、メロディーラインがはっきりしていて、優雅に綺麗に僕たち観客に魅せてくれていたなと思うのです。(そういう選曲なのかも知れないですが)
でもそれが新日本フィルの真骨頂であり、美しい音楽を楽しませてくれることへの期待がいつもあるのです。

今回の”ロマンティック”は、ブルックナーの代表曲らしく、重厚感のあるサウンドを「これでもか!」という具合に聴かせてくれる名曲です。

それ故に、これまであまり耳にしてこなった新日本フィルの一面として映ったのかもしれません。

これからもこういう気づきが増えていくと演奏を聴く側も楽しみが広がっていきますね!

CDはこちらで見ることができます

***

最後にここで1つ、ホルン吹きの僕からの「ちなみに」をご紹介します。
この収録がされた1979年、ホルンの首席奏者には守山光三さんという、日本ホルン界の巨匠が在籍をされていました。
現在は東京芸大の教授をされており、数多くのプロホルン奏者を輩出されてきました。
殆どのホルン奏者の経歴を見ると「守山光三に師事」という記載の多さにびっくりするはずです。

しかしこの守山さんが、今年度一杯で芸大の教授を退任されるそうです。

守山光三退任記念演奏会

出演者の名前を見るだけで、その偉大さが解るような気がいたします。

CDの録音だけではあくまで推測にはなりますが、このホルンサウンドが往年の守山さんの演奏だとすると、これもまたずっと聴いていたくなる新日本フィルの珠玉の一枚といったところになりますでしょうか。
【9/1 新日本フィル演奏会記録】新クラシックへの扉 ベートーヴェン「田園」他 [2012年09月02日(Sun)]
昨日は新日本フィルの2012-2013シーズンの幕開けでもある『新クラシックへの扉』コンサートに行ってきました!

044.JPG

今回のプログラムは以下の通りです。
>>新日本フィル公式HPより引用

***

【#25 新・クラシックへの扉】

9月1日(土)14:00開演 会場:すみだトリフォニーホール

■プログラム
シューマン作曲 ピアノ協奏曲イ短調 op.54   
ベートーヴェン作曲 交響曲第6番ヘ長調『田園』 op.68   

■アンコール
シューマン作曲 トロイメライ(ピアノ:弓張美季)
バルトーク作曲 ルーマニア民族舞曲 より 棒の踊り

指揮:クリスティアン・アルミンク
ピアノ:弓張美季

***

【シューマン:「ピアノ協奏曲イ短調 op.54」】

2プログラムの前半は、シューマンの傑作とも言われるピアノコンチェルト。
ピアニストはスタインウェイ・コンクールで優勝経験のある、弓張未季さん。

>>弓張未季さん 公式ウェブサイト

神戸生まれで幼少期にドイツに渡り、スタインウェイ・コンクールで優勝。今ではウィーンを活動拠点にしていらっしゃるんですね。

今回演奏されたシューマンのコンチェルトの弓張さんの動画がありました。


ピアニストの演奏を聴くことは何度もあるのですが、
あれほどまでに体全身を震わせながら音楽を表現するピアニストは、初めて見ました。

同じ演奏を前方で聴いていた大学の講師である久米信行先生が仰るには、「彼女は、ピアノの前に座るとヒールを脱いで裸足になりました。」という風に、演奏に臨むために物凄い集中力を発揮されているのでしょう。
>>久米先生のつぶやき

弓張さんのピアノからは音がまるで踊って向かってくるかの感覚になり、今まで聴いたこともない演奏を魅せてくれました。
更には上にもあるように全身で表現するその姿勢は、見る芸術でもあり、「まさに”音楽”だな」という原点すら感じさせる名演でした。

ぜひまたアルミンク×弓張さんで、今度は別のコンチェルトを聴いてみたいものです。

045.JPG昨日の演奏会のパンフレットです

【ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調「田園」op.68】

メインはベートーヴェンの田園。
5番の「運命」と同じ時期に作曲され、同じコンサートで初演されたそうです。
「運命」と「田園」を一緒に演奏するとは、今考えると内容の非常に濃いプログラムですね。

>>こちらが「田園」シンフォニーです。演奏はオランダのコンセルトヘボウで。


実はこの「田園」、演奏会でライヴで聴くのは今回が初めてでした。

ですが、初めて聴く「田園」が昨日の新日本フィルでよかった!と思っています。

ウィーン郊外の田園風景を描写してベートーヴェンが作曲したと言われるこの曲は、全5楽章あり、3〜5楽章を続けて演奏することが殆どのため聴き側は3部構成のように映ります。
楽章毎に田園の様々な表情がモチーフとなっており、1楽章から
・田園に到着したときの楽しく明るい表情
・小川のほとりの情景
・田舎の人々の楽しい集い
・雷雨、嵐
・牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち
と標題が設けられています。(※新日本フィル演奏会パンフレットより引用)

1楽章の第一主題のメロディはあまりにも有名ですが、僕は特に2楽章が好きです。
小川の側で鳴くカッコウなどの鳥たちのさえずりも美しく、日本人の心には必ずあるであろう、昔の田舎の記憶を呼び戻してくれるような心地よいサウンドが気持ちよいのです。

個人的には新日本フィルの演奏で2楽章を聴いて、先月上旬に訪問した新潟県の大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」の本拠地でもある十日町の「キナーレ」周辺の景観を思い起こしました。
>>大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」の記事はこちら

そしてこの「田園」を、新日本フィルは見事に感動的な音楽にしてしまうのです。

何がいいかって、管楽器奏者の演奏姿勢が聴いていても見ていても本当に気持ちいいのです!(僕がホルン吹きなのでどうしても管楽器に目が集まりがちなのです・・・。)

Flの荒川さん、Obの古部さん、Clの重松さんの木管トップの御三方の演奏は本当に感動しました。

Clの重松さんは女性らしく表情豊かで優しい演奏をされていて、透き通った音色が自然と体の中に吸収されていきました。
ぜひ今度はラフマニノフの2番を、この重松さんの演奏で聴いてみたいなと思いました。

特に古部さんは、3楽章のソロはもちろんよかったですが、ソロでない箇所では常に同じメロディを奏でる奏者の方向を意識して演奏されているのです。
例えば2楽章でFlの荒川さんとのデュエットを奏でる際は体を少し右に向けて一緒に演奏をする姿勢を表し、Obの2ndに対しても体を左に向けてリードをするのです。もちろんコンマスとの目線での呼吸の良さにも脱帽しました。まさにObトップとはこういう姿勢が必要なのだなと改めて感じたのです。

なぜこういった姿勢に感動をしたかというと、新日本フィルの奏者の方々は「本気で音楽をしよう」という姿勢がこちらに強く伝わってくるのです。

例えば日本のトップの楽団のObトップであれば、自信に驕って演奏に多少手を抜いたりしてしまうこともあるかもしれません。実際プロの他楽団の演奏会でそういう場面に出くわしてきました。

それ故「プロの演奏より、必死に演奏するアマチュアの演奏の方が好き」という考え方もあったのですが、新日本フィルはこれを見事に打ち砕いてくれたのです。

今回の演奏会でも特に木管楽器の首席奏者の姿勢を見て聴いて、今後もより一層期待してコンサートに足を運んでも間違いはないなと確信もしました。

改めて、僕に新日本フィルの魅力を伝えてくださった、新日本フィルの評議員も務められる久米先生には感謝いたします。

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長くなりましたが今回もこれにて記事を締めたいと思います。

次回の演奏会は10月の下旬に行く予定です。
また11月のハーディングのチャイコフスキー4番は意地でも行きたいですが、もう既にC席も完売とのことで間に合わないかもしれませんね・・・。

10月もまだチケットを手配していません・・・。早く準備しなくては・・・。


今後も新日本フィルの演奏にはたくさん足を運びたいと思います!

【弓張美季さん 公式HP】
http://mikiyumihari.com/

【音楽監督 クリスティアン・アルミンク】
http://www.njp.or.jp/profile/profile_arming.html

【新日本フィル公式HP 楽団員紹介】
http://www.njp.or.jp/profile/member.html
【8/11 新日本フィル演奏会記録】新クラシックの扉より、サン=サーンス「オルガン付」 [2012年08月12日(Sun)]
【サン=サーンス:オルガン付】

サン=サーンスのシンフォニーの中で最もメジャーな3番。
表題の通りオルガンを伴う曲なので、演奏をできる会場が限られています。

本日のトリフォニーホールの他には、赤坂のサントリーホール、池袋の芸術劇場、上野の文化会館など、都内でも有数のコンサートホールでしか演奏されません。
いわば聴く機会の限られるシンフォニーの一つなのです。

オルガンの響きは、あの巨大な楽器からハーモニーが奏でられたとき、地を這ってまるで身体の中にまで共鳴するような感覚を伴います。
そこにオーケストラのffサウンドが加わったときは、今までに感じたこともない迫力を味わうことができるのです。
これはCDの録音では実現不可能です。実際にライヴでしか味わうことのできない感覚のひとつですね。




このオルガン付という曲は4楽章構成ですが、厳密には2部構成で、それぞれに前半と後半に分けて演奏されるのが通常です。

曲中で僕が一番感動したのは、第1部後半の弦セクションのメロディでした。
指揮の山田和樹さんのリーディングはもちろんですが、弦楽器のそれぞれの奏者が自然に音楽をしようという意思が、音となって空気を伝ってきました。
オルガンや金管楽器の迫力のあるサウンドとのコントラストが栄えていて、1部後半箇所がより際立っていた印象を受けました。


ちなみに、このオルガン付からホルンセクションはこの日初めての4人体制になります。
1stは変わらず吉永さん、3rdは金子典樹さんという男性の方でした。

この金子さん、実は僕が中学時代からファンのうちの一人だったのです。
プロホルンのアンサンブル団体で「アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン」というものがあり、そのメンバーの1人でした。
当時から凄まじいハイトーン奏法で、演奏の憧れの一人としていつも聴いていました。

アレキサンダーホルンアンサンブルジャパンの公式サイトはこちら(更新は止まっています)

その金子さんが本日のオルガン付では、文字通り大車輪の活躍でした。
この曲は3rd奏者の方が1st奏者よりも譜面の難易度が高く、1人で目立つパッセージを演奏することが多いのですが、
2部後半などの難しいフレーズも、金子さんはかっこよく演奏されていました。

楽器をしっかりとfで鳴らしながらフレーズを吹くのは相当難しいのですが、そのようなパッセージもハイクオリティの演奏を聴かせてくれる金子さんは、昔から僕の中では変わらないなとも思いました。

CDアルバム「ジュピター」はこちら。「ジュピター」収録の「ホルスト木星:ホルンアンサンブルVer.」は凄まじい演奏です。一見の価値あり。


また2部の後半においては、オルガンのdur和音が力強く奏でられた後、金管楽器がfのハーモニーをつくります。
本日の演奏会では、管楽器全員がこの場面でベルアップをして演奏をより盛り上げていました。

特に曲中ずっと通して、トロンボーンの輝きが突出していました。
こんなに興奮するトロンボーンセクションは聴いたことのないくらい、首席の箱山さんを始めとしたサウンドに終始鳥肌ものでした。
今後はあのトロンボーンのサウンドを目当てに演奏会を聴きにいこうと思うくらい、ファンになりました。そのくらいスゴイです



023.JPG本日のアンコール曲です。オルガン付の後は、ビゼーの「アルルの女」よりアダージェットでした。


【指揮者:山田和樹さん】

今回の指揮者は、若干33歳にして日本フィルハーモニー交響楽団の正指揮者に就任する山田和樹さんでした。
2009年のブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した輝かしい賞を受賞しています。

指揮は終始王者の貫録を感じさせるオーラを放っていたように感じました。
佇まいから、とても30歳と少しには見えませんでした。

まだ1回の演奏会しか拝聴していませんが、今日だけでも山田さんの素敵な人柄を垣間見ることができました。
鳴り止まない拍手が聴衆から自分に対して送られていても、あくまで奏者をリスペクトして称えあう姿勢には、謙虚さを感じさせました。特にカーテンコールにおいては、そういったシーンが多く見受けられました。

今後一層飛躍していく指揮者の方なのかなと、噂ではなく今日で僕の中でも確信に変わったような感じです。これからも積極的に応援していきたいですね。

***


本日の記事はこれにて終了です。

次回は9/1(土)に。これまたトリフォニーホールにて「新クラシックへの扉」シリーズを聴きに行ってまいります!
最後までお読みいただきありがとうございました。

中村裕貴


【新日本フィルハーモニー交響楽団 HP】
http://www.njp.or.jp/

【萩原麻未さん】
http://jp.yamaha.com/sp/products/musical-instruments/keyboards/pianist-lounge/hope/005/

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