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☆地域移行を検証するblog☆

……長野県・西駒郷は知的障害者の入所施設として昭和43年に開設。500名を超えた入所者は今、地域へと戻リ始めた。そのひとり1人に焦点をあて、ノーマライゼーションを検証するチームの調査レポート。


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「こずかい帳」は大変! [2006年07月20日(Thu)]
皆さんはこずかい帳をつけていますか?
家計簿でもいいし、パソコンの帳簿ソフトを駆使してるのでもいいです。

私は昔から、決意新たに始めてみても、続いた試しがないのです。
唯一、長く継続できたのは、大学院生時代、非常に貧しく、遊びに行くのを控えていた頃(懐かしい〜)、することがなかったので丁寧に家計簿を付けた記憶があります。
少なくとも私にはこずかい帳をつけ続けるのはかなりの労力だし、義務となったりしたものなら、凄く大きなストレスになると確信しています。皆さんはいかがでしょうか?

さて、先週末、第4回目の調査を実施し、たくさんの方にお会いできました。
それぞれの住まいを訪れ、お部屋でお話しするのは、とても楽しい時間です。
素敵な洋服を壁にかけている方もいました!「今度、交流会に着て行こうかな♪」と彼女は言ってくださいました。
おしゃれして、みんなに会いに来てほしいですね。可愛いワンピースでしたよ!!

きつい仕事をするのも、お給料がもらえるから。
今日はサボりたいなあって思っても出かけるのはクビになりたくないから。

これって誰でもわかっていることかも知れません。
でも、もうひとつ大事なのは、給料は「貯金するため」だけのものだったら、
果たして働く意欲は生まれるのかな?ってことです。

これまで訪問したグループホームもアパートでも、入居者がたくさんの時間をかけて、必死にこずかい帳をつけている様子がうかがえました。
レシートをきちんとのり付けし、買ったものの品名を記入し、残高を合わせる・・・。
見せてくださったこずかい帳もさまざまで、細かい記入が求められているものや、職員のチェックが入っているものも。

レシートを管理できない、何を買ったのか他人に知られるのは嫌、毎日、残高を1円単位で計算するのは鬱陶しい・・・という私にはグループホーム生活は無理です。
ましてや「なぜアイスを買ったのか?」と問われても、「食べたかったんだもん」としか答えられません。「ムダなお金を使ってはいけません」と言われても、暮らしぶりも価値観も人によってさまざまです。タバコを吸わない私には喫煙者のタバコ代は「ムダ」と思えるし、毎日お酒が飲みたい人の気持ちは、お酒が好きでない人には理解しづらいものでしょう。

「毎日のこずかい帳がたいへんなんだ・・・」と話してくれた人はとっても多いです。
そして、何かを買うことがすごく面倒なことや、買物そのものが罪悪感に繋がる人もいました。

街で暮らすしんどさよりも、楽しさの方をまず、経験してほしいと私は思います。
「無駄遣い」と言われても何がムダなのか、本人が気づけるような援助が必要ではないでしょうか?

だって、お金って生活の大きな柱だし、障害の有無に関わらず、すごくプライベートな事項だからです。

大きな施設を出る際に、ある知的障害者の方に質問をしました。
「あなたの夢は?」
するとこう答えたのです。
「ゆっくりとせかされないで、迷いながら買物をしてみたいです」と。

たまに施設から外に出られた「買物日」は集団でとにかく急がないといけなかったから、職員がリストを作って買物かごに商品を入れてくれたそうです。
金額も予定通りばっちりだし、「いい買物だったね」と職員は満足そうだったけど。

でも、その彼は、買物をしたという実感をもてなかったのです。
もちろん自分のお金とも理解しづらかった。

「先生がずっとしてるように、迷いながら、ムダなものも試しながら、いつかは上手に買物をしたいんです」

そう語った彼の言葉が忘れられないのです。
買物という消費生活は地域生活の象徴かも知れません。
だからこそ、お金を使う意味を、溜める重要性を、自由な形で、ご本人が決められるよう一緒に考えていくことが求められていると、私は実感しています。
オープンカレッジ [2006年07月08日(Sat)]
私が勤務する大学でオープンカレッジが開催されました。
オープンカレッジとは・・・北海道での活動を紹介するホームページには、

1.勉強したいというのは障がいのあるなしに関かかわらず、全てのひとの要求であって、保障されるべき権利である。
2.全のひとは、発達し、変化する可能性がある
3.大学とは、自から学びたいことを選択し、学ぶ場であり、カリキュラムをこなす場ではない。

・・・・・とあります。

初めて講義をさせていただいて、目を輝かせる知的障害をお持ちの学生さんに惹きつけられましたラブ
施設への入所経験のない若い方が大半。のんびりしたムードから漂ってきます。
これから4年間、彼らの学びは継続するのですが、大学のキャンパスで学生として講義を聴くことはおそらく貴重な経験になるに違いないと信じます。

・・・一方で、私の胸には「入所施設にずっといた方は、学びたい、知りたいという要求を表明する機会はあったのだろうか?保障されていたのだろうか?」という思いが浮かびました。
学ぶことは「権利」なのですから、もしそうでなかったら広い意味では権利侵害になるかも知れません。

と同時に、学ぶということは「全ての人に」変化する可能性をもたらすのであれば、今、西駒郷を出られた彼らにも、ぜひ経験してほしいなあと願いました。
学ぶのに年齢は関係ないですものね電球

また、長野県内の大学で手を挙げてくださり、このような活動の輪に加わっていただきたいなあと思わされました。そしてそれをサポートする若い人たちが育ってこそ、地域は豊かになるのでしょうから。

大学教員も、面白い講義ができなければ「つまんなーーい」って言われそう(苦笑)。
実のあるものを提供しなければいけないですね(反省)。