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草の根チーム第2回渡航報告A 療育だより [2017年05月22日(Mon)]

療育だより
PT諸石、OT堤

1)家族への療育指導とホームプログラム
去年の9月から半年ぶりに12人を再評価しました。ホームプログラムを熱心に取り組んできた親子は、お子さんの成長に良い変化(例;踵をつけて歩けるようになっている。)が見られています。家庭の事情から、3名退出がありましたが、新たに加わっているお子さんもあり、新しく8名評価しました。

2017,3 オヤンガさん.JPG


2)グループ体操と運動遊び
チンゲルティ区はゲゲーレンへ、バヤンズルフ区はサインナイズへ毎週集まって、2チームに分かれて体操や運動遊びのプログラムを楽しみます。
4月からは、第二次チーム編成をして、ゲゲーレンは14名、サインナイズは11名です。

2017,3  逋りご萓ソ繧・IMG_3532.JPG


3)姿勢保持具ワークショップ
緊張で両足が重なって突っ張ったり、食事介助の時、頭が後ろに反りすぎないように、クッションで対応したり、牛乳パック椅子で腰掛けられるように工夫する姿勢保持具です。
保護者が作り方を覚えたら、家庭に取り入れて、子育てがやり易く、お子さんも腰掛けて遊ぶ時間ができる事を目指します。

2017,3  逋りご萓ソ繧・IMG_3609.jpg


4)療育者養成セミナー&家庭医・看護師セミナー;第1回目実施しました。
 療育者養成セミナーは、PT/OT/ST/教師&聴講生と多くの障害児に関係する仕事の職種が対象です。障害児の子育て者(→子育てをする保護者)に専門的な指導ができることを目指しています。また、専門技術の実力をつけるため実習を始め、2箇所の療育センターに3日間で8人の実習生が来ました。
 
草の根チーム第2回渡航報告 [2017年05月18日(Thu)]

草の根チーム第2回渡航報告

「勉強するって楽しいねえ」

「勉強するってすてきだね」


渡航メンバーと渡航期間:
     梅村医師、諸石PT(2017年3月20日〜31日)
     堤OT(2017年3月19日〜4月1日)
     野口教員(2017年3月27日〜4月5日)
活動内容:
⑴ 親達があつまって立ち上げたゲゲーレンセンター、サインナイズセンターを訪問した。9月渡航時に「果たして冬の間センターを開けるのか」心配していたが、それぞれ冬期暖房問題を乗り切り、毎週センターに集まって活動を続けてきた。チンゲルティ区から暖房費の支給があるゲゲーレンでは、ワールドビジョンから半年間食材寄付があり、厨房で昼食を作っていた。

⑵ 9月渡航時に家庭療育の方法を指導した10組の親子のうち、熱心にリハビリに取り組んだ家庭では子どもの運動機能の改善が見られた。各センターに親子が集まって行うA(自立歩行が可能な軽い運動障害の子)、B(まだ歩行してない子)グループの集団体操が定着してきている。

⑶ 算数の計算力が伸びた子どももあった。学習プリントが子どもの学びたい意欲を引き出していることが伝わって来た。
 教員の野口さんは学校での仕事があり、春休みに入ってから渡航し、先発チームが帰国後も残って指導を続けたが、ゲゲーレンでは新しく参加した10歳女子とたくさん算数の勉強をしたそうだ。1年生に入学後、しばらくして学校を中断していた。すでに4年生の年齢になっている。
 物を数えて数字と一致させる、次に一桁の足し算、答えがあうと赤ペンでマルをつけて、全部あうとハナ丸をもらえる。「勉強って楽しいねえ」「勉強ってすてきだね」
 帰国した野口さんから「日本でこんなこと言う子はいないよ」と、笑顔で報告があった。
 この子を含めて、就学についての相談が数件あった。

⑷ 前回草の根チームが80冊寄付した絵本の読みきかせ活動は、当初、現地補助員の通訳が定期的に行っていたが、子ども達が絵本に興味を示して喜んで読んでもらっている姿を見て、現在は家族が集まって毎週、定期的に行っている。目を本にくっつけんばかりにして読みいっている男の子の写真など、両グループのメンバーが参加しているニンジン草の根のFacebookには、読みきかせの写真がたくさんアップされている。

⑸ 辞めた子どももあり、新しく参加した子どももあった。ゲゲーレンの数人の女子と絵を描いたり、文字を書いたりする時間をもった。センターで共に活動したいと願う子どもたちの気持ちが伝わって来た。後日、両センターのリーダーが親の会本部とともに、子どもたちの日常的な教育、文化活動プログラムについて話し合いをもったと連絡があった。
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⑹ 週に1回ゲゲーレンに来てリハビリ指導を行っているPTに、草の根チームの指導場面に参加してもらった。次回からこのPTに療育者育成セミナーへの参加を依頼した。このセミナーは療育者が家庭療育方法を家族に指導出来るようになることを目指して、3年間で7回実施する予定。

⑺ サインナイズでは今のところ定期的なリハビリの指導がない。第10幼稚園と話合ったところ、夏休み中にPTが訪問、9月からは外来診察が可能との返事があった。複数の第10幼稚園PTが療育者養成セミナーに出席しており、次回から、両グループで行う実習を希望している。
 療育者セミナーで修得した方法を身につけた専門家が増えて、3年後には両センターの子どもの指導を行えるようになる糸口が、これで少し見えて来た。

⑻ 家庭医との連携はサインナイズでは2016年8月に70人の子ども達が健康診断(尿、血液、エコー)を受けた。年に2回春と秋に実施している。
 年に1回、障害手当のための障害児認定診査があり、その時期に家庭病院から電話でサインナイズに問い合わせがあるが、障害児の子育てを巡って、家庭医と家族のやりとりはまだ、不十分な現状である。

⑼ 3つのセミナーを行った。
 療育者養成セミナーと家庭医•看護師セミナーは公的に認可を受けたので、参加者は公務として参加し、保健省が認める単位を取得できることとなった。
療育者養成セミナー参加者26人
家庭医•看護師セミナー参加者28人
親の会セミナー参加者 57人
 家庭医•看護師セミナーは第一次医療期間である家庭病院のスタッフに障害についての幅広い知識を紹介し、専門医との連携をとって療育の一端を担ってもらう狙いでPT、OT、医師からの講義を行う。今回は医師から「母子手帳の活用方法」について講義後、2センターと親の会から障害児の現状について報告、PTの講義も行った。
 参加していた障害児親の会のメンバーから「家庭医は母子手帳に何も書いてくれない」と発言があった途端に会場は急にざわめきたち、医師側から「私たちはちゃんと書いている」との反論があり、活発なやり取りがあった。親と家庭医が互いに話合っていく機会を逃さず、日常的なサポ―ト体制に結びつけて行きたいと考えている。
 親の会セミナーは医師、OTが、家族に障害児を育てるために役立つ知識や日本での実践を紹介する目的で行うもので、今回は障害児保育の映像「もみの木園とじょういくん」を上映した。
 3つのセミナーともに、アンケートでは概ね良い評価が得られた。セミナーが終わってから活発に質疑応答、意見交換があった。
 療育者養成セミナーの参加者は、いずれかのセンターで実習することになっている。今回は急な募集であったが、数人が実習に参加した。
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⑽ 以下の組織を訪問して、草の根プロジェクトについて話合った。
  親の会    
  JICAモンゴル事務所 
  労働社会保障省    
  国立リハビリテーションセンター 
  第10幼稚園•治療保育園 
  健康医科大学看護学部学長 
  START          
自立生活センター  
   
⑾ 次回は6月18日から30日まで野口さんと、諸石さんが渡航する予定。
  5月20日に現地とスカイプを実施する。(2017.5.8 梅村)