北タイ焼畑の村スタディツアー報告 [2014年02月15日(Sat)]
今回は、1月に事前学習会を行い、10代の大学生2人から70代までの9人で、タイ北部チェンライ県の山岳地帯に住むラフ族の村ロチョ村を訪ねました。この村は、かつて千葉県東金市の山武ボランティア協会の招きで2年間農業を学んで帰国したダイエー・セイリさんの村です。
たまたま村に到着した2月8日は、この村の若きリーダー、トゥバ新村長の就任祝いの日で、他の村や、行政関係者、迷彩服を着た軍隊の若者たちもお祝いに駆けつけ賑やかな日でした。長年のつき合いのある日本人の私たちもお祝いに駆けつけた形となり宴席の最前列に招かれました。 村の入り口からの眺め 茅葺きができなくなりスレート屋根の家が増えました タイでは木の伐採は禁じられていますが、北部山岳地帯では今もなお焼畑が行われ、空が煙の影響で茶色っぽく見えます。ロチョ村に向かう山道の両側も長年の焼畑で、うっそうとした森林だった山がはげ山状態になっているところが多くなっています。 このようななかで村の人たちが山を守りながら農業で生活を成り立たせていくことにダイエーさんたちNGOルデラ(ラフ農村開発)は取り組んでいます。 そのRTFプロジェクトは今年で4年目となりますが、浦和北ロータリークラブの支援で、毎年5人の農家を支援しています。山にチークを始め、果樹、コーヒーの苗木を植え、その手入れを行う農家に、苗木と豚を配ります。農家は生まれた豚を育て収入を得ることができ、マンゴー、ライチ、アボカドなどさまざまな果樹、コーヒーで年間を通して収入を得ることができるようになります。 照葉樹林の中に植えて5年たったコーヒーの木と参加者 豚を飼うことで堆肥を作り有機農業ができるので、標高1200メートル前後の森の中で育つコーヒーは、無農薬、手摘み手選の最高級クラスのコーヒー豆になります コーヒーの豆は、ていねいにいいものだけを手で選んでいます こうした取り組みの結果、この村でしっかり農業をして経済的にも生活が成り立つことが見えてくれば、村を出て教育を受け町で働いている子どもたちも、希望を持って村に帰って来るようになるといいます。年々頑張る農家が増えていく様子がわかります。今年の新メンバーは、5人のうち女性も2人入りました。 右からダイエーさん、新メンバー5人、西さん、小松さん ツアーの一行は、そんな村に3泊する間に、村の生活を体験し、今取り組まれているRTFプロジェクトの現場を視察し、東金から参加の獣医の西芳秀さんが養豚講座を実施しました。夜は座学で、西先生から「なぜ養豚をするのか」、ダイエーさんから「ラフ族、村の歴史」「RTFプロジェクトとは」などをじっくり聞いて学びました。雲南からビルマ、タイへと逃げ延びで来た村の歴史はまざに現代史の世界です。 毎年、獣医の西先生は豚の飼い方を教えに来ています 持参の古着はバザーで村人に格安で販売しました。日本の古着は質がいいので長持ちすると村の人たちは楽しみに待っています。待ち構えていて、あっという間に完売です。 10日の夜には、村の人たちが民族衣装を着てお正月(中国正月)の踊りを見せてくれました。雲南から来た自分たちの文化を大切に守っている、その踊りの輪に私たちも引き入れて一緒に踊りました。 11日には山の村からおりて、ルデラのメタム子ども寮でバザーの売上げを食費の足しにと寄付しました。その後、チェンライの白いお寺を見学して、タイ最北端の町、メーサイへ行き、国境の橋を歩いて渡り、ミャンマー側の町タチレイを見学しました。 翌12日は、ゴールデントライアングルを船で周遊し、ラオスにもちょっと上陸。これで3カ国に行ったことになります。アヘン博物館やチェンセーンのお寺を見て、夜チェンライ空港から帰路につきました。 |