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ラテン日系留学生

私たちは中南米で生まれ育った日系人です。
現在、日本財団から奨学金をいただき、それぞれの夢の実現のために日本で猛勉強中です。
「中南米日系人から見た日本」をテーマに、28人のラテン日系留学生が毎週記事を掲載します。乞うご期待!


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実習を終えて [2008年08月12日(火)]

7月の3週間、国立がんセンター中央病院で大学生活最後の実習を行いました。
札幌の天使大学に在籍しながら、なぜ東京の病院に来て実習をしなければならなかったのかを、先に述べたいと思います。

来日する以前、私は母国パラグアイの専門学校で勉強しつつ、自然療法メインのクリニックで実習兼仕事をしていました。
その時、
治療方法がもう無いといわれて訪ねてくるがんの患者様と関わるきっかけがありました。
身近な人がこの病名で苦しみながら亡くなっていくのも何度か見ています。

殆どの人が痛みにもがき、何も食べられなくなってしまいます。
どうやったらがんと戦っている患者様が、最後まで「食べる、栄養を補給する」ことができるのだろうと、
疑問に思っていました。

大学へ入学し、最初の病院実習の時に母国で抱えていた疑問を思い出し、
ダメで元々と思いながら国立がんセンターでの実習を希望しました。
「最後の実習なのだから、思いきって悔いのないように」、そう考えてのことです。

実際に実習が始まってみると、勉強として学んできている点と異なる所に驚きが沢山ありました。
例えば、献立の塩分の考え方や嗜好に合わせるだけでは食欲はどうにもできない点などです。
教科書を見る限りでは、工夫を凝らせば相手に食べてもらえるように思えます。

しかし実際は、その人の治療内容、薬の副作用や元々の食習慣によって人それぞれです。
1つの基準だけで見ていくと、対象者に合った栄養管理はできないのだと知りました。
大学で4年間勉強すれば専門職者、ある程度のことはできるようになるのかも知れないと、
どこかで思っていた自分を恥ずかしく感じました。

病棟を訪問していると色々な患者様がいらっしゃいます。
体重減少が目立つけれど会話のやり取りができて、良く笑って、経口摂取ができる人。
体力はありそうに見えても、副作用で食べられなくなり高カロリー輸液に頼っている人。
来院したときにはもうすでに手当ての施しようの無い人など、様々です。

外見だけでは見えてこない点や、カルテだけでは分からない点があります。
ですから病棟訪問と詳細が記されているカルテの勉強が対象者を知るためには、とても大切になります。
再発を何度も繰り返し、つらい副作用と戦いながら、それでも笑顔を見せられる患者様から強さを学び、
今の状態を受け入れて、共存していく方法もあるのだと教わりました。

このたびの実習では、食べることのプロフェッショナルとして、
人の命と関わっていくのがどういうことなのかを考え始めるとても良いきっかけになりました。

栄養士は直接患者様の命にかかわる業務を行うわけではありません。
しかし、生を受けてからこの世を去る時まで「食する」という、生命とは切り離せない重要な行為と関わっていく仕事を行っています。
その職業を目指していることにもっと自尊心を持ち、今のこの思いに恥じない専門職者を志して行こうと思っています。

ご指導に当たって下さった先生方、応援してくださった仲間の皆、
実習を可能にしてくれた奨学制度にとても感謝しています。
どうもありがとうございました。


ウエスギ ユキ
パラグアイ国
1期生
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