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第5回多読のためのリライト講座 [2012年03月20日(Tue)]
2012年2月19日、3月18日 第5回多読のためのリライト講座 しんじゅく多文化共生プラザ

ここのところ、忙しくてなかなか報告ができなかったリライト講座ですが、2回分まとめて書きます。

まず前半。2月19日 午後1時半〜4時半
8人の参加。大学、日本語学校の先生、ボランティア教室の先生、子どもの日本語教育支援の先生など。英語多読の先生も一人。遠くからの参加者もいてありがたい。

まずは、私たちが考える多読や多読のルールについてお話をして、英語多読を体験してもらう。

R0010887.JPG

絵をよく見て、絵の世界に自然に入るように読むこと・・・それを積み重ねていくことで多読は進行していくことをわかっていただきたくて、いつもこの流れで講座を進めている。今回もみなさん、楽しそうにCDを聞きながらOxford Reading Treeを読んでくださった。ORTの絵のすばらしさにはみな感心しきり。これが、次のリライトへのいい準備にもなる。
しばし、英語の世界に遊んだ後、いよいよリライト。二つのグループに分かれ、「アリとキリギリス」をレベル0にしていただいた。
それぞれ、絵心のある方が絵もつけて、なかなか楽しい二つのリライトができあがった。
私たちが作ったものより、ビビッドかもしれない。目

3月18日 後半

欠席が多かったのが残念!しかし、外国から帰省中の飛び入り参加と第4回の後半を欠席された方の参加があり、5人が集まった。
今回の出席者は、海外で長年指導してきた先生方が多く、それぞれの現場での話に花が咲いていた。また、中には私たちが読みもの作りを始めたごく初期に、たくさん買って使ってくださった先生もいらっしゃった。ずっとこの読みもののことを忘れずにいてくださって、今回、会員にもなってくださった黒ハートこういうつながりをこれからも大切にしたいものです。

DVDで、日本語学校とボランティア教室の多読授業の様子を見ていただく。
それから、実際の授業のやり方について質問をしてもらう形で進めた。
本の勧め方、多読はusefulじゃないという学生にどう応えるか、子どもの場合は?などの質問が出た。
ある先生の同僚が大学で「よむよむ」を使ってくださっているとのこと。でも、使い方は、1冊を人数分コピーして配ってみんなで「読解」。予習してくる学生もいるそうだ。
「よむよむ文庫」を予習してきて、教室で読む・・・。今や、それを聞いて「ありえない!」と思うのだが、そういうスタイルしか学生も先生も知らないんだものなあ、無理もないのかな。
やさしく作ってあるから、ぜひ、みんなで色々な本を読んで、取り替えて、また読んで・・・というふうになってほしいなあ。

今回のリライトは、「注文の多い料理店」
原作を読みがらのリライトはどうしても原作を忠実にリライトしがちだが、今回のチームはどうするか・・・

R0010911.JPG

だんだんレベル3に合わせて大胆にカットしていくようになり、レストランに着くところまで終了。
最後に、「よむよむ文庫」の「注文の多い料理店」を披露して比較してみた。

あっという間の3時間だったが、何かを感じて帰って下さったとしたらとてもうれしい。
中のお一人は、授業に多読を取り入れる準備を始めたそうだ。うまく導入されることを祈ります。
(粟野)
第4回リライト講座 後半 [2011年11月28日(Mon)]
2011年11月27日(日) 午後1時半〜4時半 しんじゅく多文化共生プラザ

 先月の前半に続く、後半。前回の11名の方のうち、元々前半1回だけの参加だった方以外にも、ご都合で3名がお休み。そこへ、葛飾の中学校の先生が加わってくださったので、8名。

 少し、前回の初級レベルのリライトに触れてから、DVDを使って、実際の授業のやり方をレクチュア。



 現実の授業方法よりも、日本語学校などの組織で、時間が取れないことが出席者の多くの方の共通の悩みのようだった。
 また、よむよむ文庫・多読文庫だけでは、レベルの高いクラスではすぐに読み終わってしまうという声も…。
 市販の本もご紹介したが、グレード別の読みものをもっと作らなければ・・・というのがスタッフ側と参加者側の思いになった。



 Q&Aでは、教師の役割の中で、自分のレベルより高いものを無理して読んでいる学習者への対応について、質問が出た。実際に、日本語教育機関で指導に当たっている方から、
 「本人の意識やプライドのこともあり、かなり難しいだろう」との声も…。
 それに対して、
 「『新しく作った多読用の本だけれど、読んでみて批評をお願い』といって易しめの読みものを薦めるのはどうか?」
 「クラスメイトに、適当なレベルの本を紹介させて『面白かったから読んでみたら・・』と言わせるるのはどうだろう」
 などと活発に意見が出た。きちんと座って読むのではなく、いろいろな方向を向いて読むようにさせて、プライバシーを守らせるのもいいかも、などという意見もあった。
 いずれも、何のために『多読』をするのかを、学習者が理解してくれるかどうかにかかっている問題なので、事前の説明の大切さも、わかっていただけたと思う。

休憩後、中級レベル相当のリライト体験を始める。
 
宮沢賢治の「注文の多い料理店」を、3レベルにする。
4人ずつ2つのグループで検討。



1つのグループは、各々が1度、自分なりに書き直して、それを、照合する方法。
1つのグループは、初めから数行ずつ検討しあって進めていく方法。
後者のほうが、時間的には捗って、二人の男が料理店へ着く直前までリライト完成。
照合グループは、その少し前の、犬が倒れるところで終わった。



2つのテーブルのリライトした部分を発表し、既刊のよむよむ文庫の文と比較して終わり。
いつもながら、みなさんの意見は新鮮で、スタッフ側の私が学ばせられることも多い。
白い犬は、この作品の最後のほうで、生き返って二人の男を助けるのだが、それを見越し て、「死んだようだ」という言い方にしたグループに対して、「死んだ、でいいのでは?それ が又生き返ってくる。というのが、賢治の世界」という意見も出て、面白かった。

講座が終わってから、すぐに、6人もの方が、賛助会員になって、読みもの作成会に参加し たいと申し出てくださった。
うれしいことだ音符

松田記 
第4回リライト講座 [2011年10月31日(Mon)]
2011年10月30日(日) 午後1時半〜4時半 しんじゅく多文化共生プラザ

 11名の方が参加してくださった。
 自己紹介をしていただく。みなさんの背景もまちまちで、目的もちがう。
 日本人や、ノンネイティブの日本語教師の指導をしている方。
 英語から日本語への翻訳を仕事としている方。
 公立高校の国語の先生。
 小説を書いている方。
 日本語学校の先生。
 フリースクールの先生。
 修士課程に進む準備をしている学生さん。
 日本語教師養成講座在学中の方。
 ああ、あまりに立場の違うこの方達に、どうやって講義をすればいいの?その上、夏の勉強会や、アルクの教材祭りに参加なさって、多読や、当研究会について、既に知っている方も、半数。
 ええい!しかたがない!知らない方もいらっしゃるので、簡単に、多読とは何か?4つのルールはどうして必要か?を、お話しして、まずは、英語多読体験をしていただく。




 やはり、キッパーシリーズは、「頭の中で翻訳しないで読めますね。」という声が…日本語多読の読みものは、それを狙っているのです…とお答えしておく。
 さて、休憩後、少し早めにリライト体験を始める。
 今回は、初めての取り組み、既に絵の入っているイソップの「都会のネズミといなかのネズミ」に、文を付けることをお願いした。3つのグループに分かれて意見を出し合いながら仕上げてもらう。





 絵が入っているのだから、簡単だろうと思ったが、以外にこれが、難しい。文があって、それを補うイラストを考えるというのが、本来のありかただったかもしれない・・・
 また、絵があるのだから同じようなネズミの話になるだろうと思ったが、かえって、3つのグループで、違う「ネズミ」の話ができた。
 1つは、語彙も文型もクリアして、きれいにまとまった「ネズミ」。
 1つは、絵でわかるからと、普通体の動詞をバンバン入れた大胆な「ネズミ」。
 1つは、いなかのネズミのツィッターのような、全て1人称の画期的な「ネズミ」。

 最後に、我々の作った「いなかのネズミと町のネズミ」を、読み上げて、終わりにした。
 受講したみなさんに感想を聞いたところ「楽しかった」「簡単な話なので、簡単な語彙を使って作るのは易しいだろうと思ったら違った」「一人でやったら効率的なのに、と思って始めたが、複数の意見を聞いた方が、発想が豊かになるという経験をした」などの話が出た。
 来月は、DVDを視ながら授業の方法を知る。そして、中級のリライトに挑戦する。という内容の講座を考えている。
 いろいろな立場の方達が、それぞれに何かを得ていただける講座になれば、うれしいと思う。 
 講座修了後、既に、日本語学校の中級クラスの授業で、「よむよむ文庫」を使ってみた、というお2人から、学習者の読書記録を見せていただいた。 ああ、広まっている!多読!うれしくて胸が震えた。                                     松田 記
  
「こんな作業、一人じゃできない」 [2011年06月29日(Wed)]
第3回「多読のためのリライト講座」後半 6月26日(日)電通大 1:30〜

第2回の講座を受け、その後の震災で後半を受講できなかった仙台の方2人
5月の講座から引き続きの方3人、
初参加の方2人
合計7人の参加者。



初参加は、われわれの「よむよむ文庫」を出版している出版社の編集者とスウェーデンの大学の先生。

始めに簡単に自己紹介。

多読研究会のDVDを一部見る。何人かはHPで見てくださっている。ありがたいことです。
日本語学校の授業の様子とボランティアでの学習者の反応を見せる。

なんでも聞いてくださいタイムに出たおもな質問、疑問
・みなで同じものを読んで、ディスカッションしたりはしないのか?

・日本語学校の場合、文法や会話など他の授業もありのなかの、ひとつの授業なのか?

・読むのは、家や図書館でもできるし、ひとりひとり勝手にできるような気がするが、授業時間に取り入れる意義は?

・映像でヘッドホンを聞いている人がいるが、音楽を聞いているのか?本の音声をきいているのか?

・多読というのは、自分のスピードでどんどん読むのだと理解しているが、CDの速さは決まっている。それは、問題ないのか?

・質問ではないが、学校で教えていると文字と音声は同時に習得していくので、ボランティアでの音声で獲得している言葉を文字と一致させる、ということにびっくりした。

それぞれの疑問には、私だけでなく、すでに多読授業を実施していらしゃる先生からもコメントがありました。

休憩をはさんで
いよいよ、ふたつのグループに分かれて、芥川龍之介「蜘蛛の糸」のリライト作業へ



レベル3のグループとレベル4のグループになりました。
どちらも、終わりまではいかなかった。工夫する箇所が違うのがおもしろい。レベル4にすると、やはり表現が大人っぽくなる。が、逆に、それにあわせてやろうとして、うまくいかず、煮詰まってしまった。
終了後、「よむよむ文庫」レベル3収蔵の「蜘蛛の糸」を見せて読む。手前味噌だが、原作にはない、極楽や地獄の概念を説明した部分を加えたことに、一様に感心してくれた。

感想など
・面白かった、これからもやりたい!の声多し。

・続けてやりたいが、遠隔地だから、参加できない。(ML参加もあることを伝える)

・この作業は、ひとりでは、とてもできない。

・実際には、誰かがたたき台を書いてきてやるのですか?

・何回ぐらい推敲をするんですか?


・何人かでやるよさがわかった。ひとりひとり思考の癖のようなものがあるので、複数でやることで、バランスがとれる。そこが面白い。

・易しくするだけじゃなくて、読み手がどんどん読みたくなるような読みやすさと面白さが大切であり、それが大変だということがわかった。

・こういう活動をするための資金はどうしてるのですか?
・・・・・みなさんの会費が主な資金です!!!どうぞ、よろしく!!!!!

期せずして、素晴らしい終わりの言葉に(笑)

(川本)
「よむよむ文庫」買ってあっても使われていない? [2011年05月26日(Thu)]
第3回「多読のためのリライト講座」前半 5月22日(日)電通大 1:30〜

外は時折激しい雨、そんな中、愛知県、静岡県からの方を含む6人の参加者がいらしてくださいました。

今回は、「よむよむ文庫」を知らない方は、ゼロ!!!すばらしい!!!
すでに、「よむよむ文庫」を使って多読を実践している方、始めたばかりの方も。
教育委員、定時制高校、インターナショナルスクール、日本語学校、ボランティア、と様々な場のなかで、どんなことができて、どんなことが問題なのか、話も弾みました。

愛知県の教育委員のかたからは、小学校の国語の教科書のリライトを命じられ、やってみたが、こんなんでいいのか疑問に感じ、ぜひ、リライトのこつのようなものを知りたいと発言がありました。これは、今までにも要望があり、今後の課題かもしれません。

この教育委員の方の担当範囲のすべての学校に、「よむよむ文庫」が全部ではなくても、置いて!!あるそうです。あくまでも置いて!!です。どうも使ってる形跡はないようだとおっしゃってました。買ってくださったところには、出向かないと、「宝の持ち腐れ」に。。。

英語多読体験の後
最後に、イソップ「北風と太陽」を二班に別れてリライト。


レベルを決めずに始めた班、レベル1でスタートした班、結果は両者レベル1で完成です。

発想がそれぞれ違って、なかなかでした。


来月の後半までにできたら多読授業のDVD(HPにアップ)をごらんになるようお願いして終了。次回のリライトは、レベル3くらいのものを予定しています。

(川本かず子)
原作の味を残しつつ・・・ [2011年03月28日(Mon)]
第2回「多読のためのリライト講座」の後半。

間に、思いも寄らぬ大地震があり、開催を迷ったが、来られる人だけでも、ということで開催に踏み切った。先月、仙台から参加されたお二人のことを思うと心が痛む。無事だという確認はとれているが、どう過ごしていらっしゃるのか、気になる。

結局、出席を見合わせた方も半数いらっしゃって、参加者は6名。マレーシアの大学の先生が初参加。
最初は先月やった「北風と太陽」のフィードバックをした。
でてきた3種類の「北風と太陽」を比べる。最後に読者に語りかける調子のもの、太陽も旅人も風も最後にニコニコ笑うほのぼの系、旅人のコートがすてきだから「ほしい」という発想の転換をしたもの、いろいろなパターンが出てきて面白かった。最後に「よむよむ文庫」所収の「風と太陽」を披露する。

次に具体的な多読授業の方法をお話しし、次に多読の効果へ。


「読んだ後の確認の作業は何かするのか」
「最初からいろいろなレベルの本を用意するのか」
「在日外国人で、読み書きができない方にどうか」
など質問もいろいろ出てきた。

休憩をはさんで、リライトへ。
今日、用意したのは、宮沢賢治の「注文の多い料理店」だ。
3人ずつ2つのテーブルに分かれて作業開始!どちらもレベルは3を選んだ。





狩人が「山猫軒」に着いたあたりで時間オーバー。
途中で止めていただくのがはばかられるほど白熱していたが、そこまでを読んでいただき、さらに「よむよむ文庫」の「注文の多い料理店」の朗読を聞いてもらう。
リライトにどれが正解ということはないが、原作の味をなるべく残しつつ、簡約するところが一番のポイントだろうと思う。
ぜひ、みなさん、各自の現場でリライトや多読をとりいれていってほしいと思う。この講座がそのきっかけになればうれしいが。
(粟野)
福岡、名古屋、仙台からも! [2011年02月27日(Sun)]
2011年2月27日 第2回「多読のためのリライト講座」上

定員10名のところ、14名の申込があった。遠方の方のご都合もあるので、全員受け付けることに。しかし、結局出席は11名だった。

会員である電通大のS先生の手違いにより、会場が急遽変更。月例会メンバーとともに広くて、全然エアコンの効かない部屋で行うことに。外は春うらら〜なのに、終日、日が差さなかった・・・。

しかし、本日のメンバーはみなさん、めげずに元気はつらつ。福岡、仙台、名古屋と遠方からお越しいただいた方も。ありがたいことです。
私たちの考える「多読」について触れ、英語多読も試していただき、その後、イソップの「北風と太陽」のリライトにとりかかった。




「よむよむ文庫」をすでに活用していただいている方は一人。その他のみなさんは、初めて中身を見るとのこと。ということは、この講座をやる意義がとてもあるということ。私たちの活動についてぜひ知って帰っていただきたい。



最後、時間があまりなくなってしまったが、3つの「北風と太陽」ができあがる(うち1つは途中まで)。他のテーブルが思わずうなる発想の転換が生きた作品も。
来月は清書したものをみなさんにお配りする予定。また次回は、中級向けの作品をリライトするつもりだ。



教科書中心の読解教育に疑問を感じている先生、聞き慣れない「多読」を理解したいと参加された先生、ボランティア教育の現場に多読を取り入れたいと思っている方など皆さん熱心で楽しい集まりとなった。寒いところで本当に申し訳ありませんでした!
(粟野)