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2017年06月08日(Thu)
世界の海底地形図 2030年の完成目指す
海洋管理に向けた新たな人材育成も
国連海洋会議で日本財団会長が表明


地球最後のフロンティア

海をテーマにした初の国連海洋会議が6月6日、米ニューヨークの国連本部で始まり、日本財団の笹川陽平会長は世界の海底地形を100%解明した地形図を2030年までに完成させるほか、国連の海事・海洋法課(UNDOALOS)とともに海洋管理に関する新たな人材育成事業を立ち上げる計画を発表しました。

UNESCO・ボコバ事務局長=右=から賞状が手渡された

UNESCO・ボコバ事務局長=右=から賞状が手渡された



国連海洋会議では6日、IOC(政府間海洋学委員会)・UNESCOが海洋科学分野で功績があった笹川会長ら世界の8人を表彰、海底地形図作成の方針は、この受賞スピーチの中で行われました。

Seabed2030プロジェクトを発表する笹川会長

Seabed2030プロジェクトを発表する笹川会長



海底は地球の表面の3分の2を占め、現代海洋学の父と呼ばれたモナコ公国のアルベール一世が20世紀初頭に海底地形図の必要性を提唱しました。しかし専門技術者の不足などもあって現在までに人類が解明できたのは全体の15%程度にとどまり、月や火星に比べ未知の領域が多く、全容図の完成は地球最後のフロンティアとも呼ばれています。

新たに始まるプロジェクトは「Seabed2030」と名付けられ、大洋水深総図(GEBCO)指導委員会と日本財団の協働作業で進められます。具体的な作業は世界の海を北太平洋・北極海、大西洋・インド洋、南太平洋・西太平洋、南極海の4地域に分け、各地域にセンターを設け各国に未公表データの提供を求めるほか、漁船や商船などに装備されている測探機のデータなどを収集し、最終的に高解像度で地図化を目指す予定です。

国際海洋会議・IOC UNESCO会場

国際海洋会議・IOC UNESCO会場



作業には、日本財団とGEBCO指導委員会が2004年から進めてきた海底地形図作成の人材育成事業で育った36カ国78人のフェローのほかNASAや国際水路機関(IHO)、ナショナルジオグラフック協会など24の公的機関や大学、企業の参加も予定されています。

海底地形図は更新の都度、JEBCOの公式サイトに掲載されるほか、GOOGLE検索サイトとの連携も予定され、笹川会長はスピーチで海底地形図を「人類の夢」とした上、「安全航行だけでなく、海の持続可能な開発を推進する上でも不可欠」と述べ、各国の幅広い協力を求めました。今後、日本財団が資金面の手当てを行い、年内には地形図作成の実務がスタートする見通しです。

持続可能な海の開発に向け

一方、新たな人材育成事業は国連海洋会議2日目の7日、UNDOALOSと日本財団が合意し発表されました。今回の国連海洋会議は昨年9月、国連本部に各国首脳が出席して採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を受けた開催。この日は、アジェンダが掲げた14の持続可能な開発目標(SDGs)を実施するための行動や目標を記した「Call for action」を採択、人材育成事業はこの一環として合意されました。

ソアレス国連事務次長と署名書にサインする笹川会長

ソアレス国連事務次長と署名書にサインする笹川会長



Call for actionでは、島嶼国や途上国、女性に対する支援の必要性を前面に打ち出しており、事業ではFAO(国連食糧農業機関)やUNDP国連開発計画などと連携して、海洋汚染や海洋生物資源の管理などを広く学ぶ機会を増やすほか、海洋の酸性化や温暖化などに直面する島嶼国や途上国に対し、実務的な能力を身に付けた人材育成を急ぐことにしています。

また国際的な条約締結の必要性が高まっている国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)に関しても、法的、科学的な知識や政府間の交渉技術を身に付けた人材の育成に向けた研修コースを設け、国連本部で年2回程度の短期研修を検討し、全体で200人を超すフェローの育成を目指す方針。日本財団では関連費用として18年から3年間、毎年100万米ドルを拠出することにしています。

多くのDOALOSフェローが集まった会場

多くのDOALOSフェローが集まった会場



日本財団は1980年代から各国政府や国際機関、世界の大学や研究機関、NGOなどと連携して「海の世界の人づくり」事業を展開、世界140カ国で1200人を超す人材を育て、UNDOALOSとも24カ国の提携大学・研究機関と協力、これまでに計78カ国で133人の人材を育成しています。


カテゴリ:海洋







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