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2017年06月01日(Thu)
障害者就労支援のラーメン店開設へ
熊本県益城町、震災復興シンボルに
日本財団「はたらくNIPPON!計画」一環


熊本地震の震源地、熊本県・益城町に拠点を置くNPO法人ボランティア仲間九州ラーメン党(濱田龍郎・理事長)は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に就労の機会を提供するラーメン店開設に向け、大詰めの準備を進めています。全国の被災地で積み重ねてきたボランティア活動としての炊き出しラーメンの提供を、新たに主事業の一つに加え、震災復興のシンボルとして新店舗を開き、より高い工賃を生み出すことを目標としています。日本財団が全国で推進している障害者就労支援プロジェクト「はたらくNIPPON!計画」の一環です。

大詰めの工事が進められているラーメン店「九州ラーメン党」。法被姿で立っているのは濱田龍郎・理事長

大詰めの工事が進められているラーメン店「九州ラーメン党」。法被姿で立っているのは濱田龍郎・理事長



店舗の工事風景

店舗の工事風景

ボランティア仲間九州ラーメン党は1992(平成4)年設立、99(平成11)年に熊本県第1号のNPO法人の許可を得ました。法人の活動は、障害者・高齢者への支援を日常業務としながら、突発的な災害時にはあらゆる現場に行き支援することを活動の大きな柱にしています。法人の登記場所にしている益城町福富で2010(平成22)年に「そよかぜ福祉作業所」を開設、15(平成27)に設立した「相談支援事業所IZUMI」と併せて運営し、三つ目の事業が今度、近くの益城町古閑で開店する鉄骨平屋建てのラーメン店「九州ラーメン党」。そよかぜ福祉作業所も九州ラーメン党も就労継続支援B型の作業所です。

店舗の隣には調理室や休憩室が完成

店舗の隣には調理室や休憩室が完成

濱田さんによると、そよかぜ福祉作業所は定員20人。パン、ラスク、クッキー、弁当を作り販売をしています。パンは地域の店などに卸し、保健所や役場、地域の温泉、学校などへも移動販売に行き、ラスクなどの販売とともに工賃アップにつなげています。昨年の熊本地震では別の作業所も含め2度にわたる最大震度7の直撃を受け、自分たちも「被災者に」。駐車場として借りていた土地で車中泊をしながら、本震翌日の4月17日からその場で炊き出しを始め、日本財団などの資金援助を受けながら9月末までに、ラーメンやその他、計約2万杯の炊き出しを提供しました。

「そよかぜ福祉作業所」で作っているパン、ラスク

「そよかぜ福祉作業所」で作っているパン、ラスク



その間には、そよかぜ福祉作業所の近くを流れる川の水が溢れて床上浸水も経験。地震2回、水害1回のトリプル災害を受けて困っている時に、日本財団から「今後どうするのか」と聞かれ「障害のある人たちの働く場をつくりたい」と話したところ、日本財団「はたらくNIPPON!計画」の助成事業の一つとして、ラーメン店を新設することになったのが今回の経緯です。

こんな豚骨ラーメンがメニューの一つに

こんな豚骨ラーメンがメニューの一つに



ところが最初、見つけた場所は道路の4車線化で使えないことが判明。そこで、借りていた駐車場の土地を買い取り、工事に着手することになったものの、余震が続いてなかなか許可が下りず、上水道の引き込みにも難題が発生。さらに建設業者の掛け持ち事情も重なり、工事は遅れに遅れ、今年5月の連休前にようやく屋根ができ、やっと同月末に建築基準関連規定に適合しているかどうかの検査を受ける段階にまでこぎ着けました。

検査に通り、建物の引渡しを受けたら6月いっぱい研修に入る予定です。そよかぜ福祉作業所で働く人たちがラーメン店でも働けるかどうか、あくまで自分の意思で決めてもらうことにしています。試してみて、自分は働けるということであれば手を上げなさいと。働く時間は1時間でもいいし4時間でもいい。働く時間は本人に任せ、1時間しか働けないという人はそれでいいし、4時間働くと言えば、それで結構だと。時給制度の下で、ラーメン店で働く人は倍の時給を出します、だから頑張ってみましょうと。「そういう仕組みをつくろうと考えています。いろいろなことでだいぶ完成が遅れていますが、7月に入ってからオープンになるだろうと一応の予測は立てています」と濱田さん。

特別メニュー「とんでもなく長いラーメン」

特別メニュー「とんでもなく長いラーメン」



働く人が注文を取りやすいように、今のところメニューは豚骨、塩、味噌の3種類ぐらいを想定。今度の地震の後に開発した、完全手延べの「とんでもなく長いラーメン」も特別メニューとして出すことも考えています。

濱田さんは「25年間やってきたプロのラーメン屋としてのプライドがある。専門のラーメン屋さんの中に、障害のある人たちが働きに来る、という考え方でやっていきます。だから一般のラーメン屋さんと肩を並べて、あるいはそれ以上のラーメン屋さんを、自信を持ち、誇りを持ってやっていきたい。障害者の人たちが働いているラーメン屋さんだと同情的に見られたくない。何よりも工賃アップが目的だから、これがまず大事。これは絶対に守ろうと思っています」と話しました。

(注)写真はいずれも2017年5月23日の撮影です

就労継続支援B型事業
通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に就労の機会を提供し、知識や能力の向上のために必要な訓練を行う事業です。雇用契約を結んで利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があります。


夢の貯金箱
日本財団が運営する「夢の貯金箱」は「社会のために何かをしたい」という皆さんの思いや意欲を形にする寄付の仕組みです。「みんながみんなを支える社会」を合言葉に、本当に必要な人に、最も求められる支援を届けています。



● はたらくNIPPON!計画 ウェブサイト






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