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2017年05月17日(Wed)
助成を受けている団体との情報交換会開く
精神保健福祉分野の10団体出席
「横の連携が必要」との意見多数に


日本財団から助成を受けているNPOなどの団体との情報交換会が5月15日、東京・赤坂の日本財団ビルで行われ、精神保健分野の10団体が出席しました。同じ分野の団体同士が事業内容や成果を共有すると共に、共通の課題を探ろうというもので、発達障害(8団体)と権利擁護・意思決定支援(6団体)の2分野についても情報交換会が設定されています。

情報交換会の出席者全員で集合写真

情報交換会の出席者全員で集合写真


この日出席したのは、精神障害者の就労支援、生活支援、入院患者の人権擁護、さらに、若年認知症や摂食障害患者の支援などを行っている10団体、計25人です。日本財団からは佐藤英夫常務理事、佐々城清国内事業審査チームリーダーらが出席しました。まず、若年認知症サポートセンターの小野寺敦志理事が約15分間、団体の概要、助成事業の内容、実績、課題などを説明しました。

若年認知症サポートセンターの紹介をする小野寺理事(右端)

若年認知症サポートセンターの紹介をする小野寺理事(右端)



続いて、昨年6月に設立されたばかりの日本摂食障害協会の鈴木真理理事が、摂食障害についての説明から始めました。政策研究大学院大学教授の鈴木理事は「摂食障害は神経性やせ症(拒食症)、神経性過食症(過食症)、過食性障害に大別され、生物学的・心理社会的要因が複雑に絡み合って発症します」と述べました。わが国でも1990年代から摂食障害が増えていますが、対応や治療が非常に遅れていて、専門医も専門病院もない状態が続いていたため、社会の理解を得るのが急務だと強調しました。

摂食障害の現状を説明する鈴木真理理事

摂食障害の現状を説明する鈴木真理理事



また、大阪精神医療人権センターの細井大輔理事は弁護士の立場から、わが国の精神病院の現状を報告。入院患者が29万人と、OECD(経済協力開発機構)諸国平均の4倍にものぼっているうえ、入院患者の半数近くが強制入院させられていると指摘しました。細井理事は精神病院を変えるため、入院患者の声を聞くと共に、訪問活動を活発にし、政策提言を行っていくと述べました。

一方、大阪精神障害者就労支援ネットワークの金塚たかし統括施設長は、精神障害者にとっては就労よりも働き続けることのほうが大事で、就労後1年以上勤めている障害者は約4割にすぎないと述べました。とくに、一般と同様の就労で、支援者がいなかった場合には1年後、約2割しか勤めておらず、支援者がいた場合の約3分の1に減っていると指摘しました。

精神障害者の就労支援について説明する金塚さん

精神障害者の就労支援について説明する金塚さん



各団体の紹介後、出席者は3,4人ずつに分かれ、共通の課題は何かを中心に意見交換し、その結果を発表しました。「精神障害者は孤立しがちなので、情報をネットワーク化する必要がある」「病院に相談しても、行政に相談しても答えが出てこない。いろんな団体があっても、どの団体が何をしているか分からないので、どこの窓口につなげばいいか、現場に知らせてあげるといい」など、横の連携を取るべきとの意見が多く出されました。

3,4人のグループに分かれて意見交換する出席者

3,4人のグループに分かれて意見交換する出席者



また、「各団体間でメーリングリストを立ち上げ、講演会のイベント情報や派遣講師の氏名を流せば、集客に役立つのではないか」などの意見も出ました。これを受けて日本財団側から「今後、メーリングリストを作って講師の派遣状況などを共有したい」との回答がありました。
さらに、出席者から「精神障害者の7割が家族と一緒に住んでいるが、当事者、家族とも高齢化していて、地方へ行くと今までどうやってきたのだろうと思うことがある」と、高齢化対策を急ぐよう求める意見も出ました。

この日の情報交換会には、グラフィック・レコーダーの清水淳子さんが特別参加し、周囲の壁に模造紙を貼り、情報交換会で出た問題点や課題をマジックで描いていきました。「難しい課題も図や絵で描くと、わかりやすくなる」と出席者の評判は上々でした。

模造紙に問題点などを描く清水さん

模造紙に問題点などを描く清水さん



最後に、日本財団国内事業審査チームの粟津知佳子が「共通の課題に対して一緒に取り組んでいく機運ができればいいなと思いました。皆さんに書いてもらうアンケートを参考に、来年以降もこういう情報交換会をやっていくかどうか検討したい」と総括しました。

<この日出席した団体は以下の通り>
(1)大阪精神医療人権センター
(2)大阪精神障害者就労支援ネットワーク
(3)若年認知症サポートセンター
(4)生活困窮者自立支援全国ネットワーク
(5)全国精神障害者地域生活支援協議会(あみ)
(6)全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)
(7)地域精神保健福祉機構(コンボ)
(8)日本摂食障害協会
(9)リカバリーキャラバン隊
(10)全国精神保健福祉連絡協議会

タグ:情報交換会
カテゴリ:健康・福祉







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