CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

前の記事 «  トップページ  » 次の記事
2017年03月11日(Sat)
東日本大震災の発生から6年…
日本財団の海洋関連の支援
今後のキーワードは「次世代」


1万6,000人近くが犠牲になり、3,000人以上が今なお行方不明になっている東日本大震災から6年。被災地の復興の遅れが指摘されている一方、若者を中心に地元住民がふるさとの再生に向けて動き始めているところが増えています。日本財団が取り組んだ海洋関連の被災地支援事業を中心に、現状を報告します。

大手町に出店した「宮城牡蠣の家 大漁や」=和田剛さん撮影

大手町に出店した「宮城牡蠣の家 大漁や」=和田剛さん撮影



東京・大手町のオフィス街にある「大手町サンケイプラザ」で1月11日、「宮城牡蠣の家(かきのや) 大漁や」のオープニングセレモニーが行われました。宮城県漁協直送の殻付き牡蠣や銀鮭、ホヤなどの水産物のほか、牛タン、セリなどの農産物を使った料理も用意され、多数のビジネスパーソンらでにぎわいました。

このイベントは、キリングループによる「復興応援 キリン絆プロジェクト」の支援により実施している事業の一つで、今年が3回目。これまでの水産物中心から、農産物を使った料理も加わり、文字通り「宮城のうまいものが食べられる」と人気を呼びました。

また、福島県いわき市の生産者・加工業者・流通業者など約25の事業者や漁協で構成する4団体(いわき社中、いわきサンマリーナ研究所、いわき市水産物6次化推進協議会、いわき水産商品開発協議会)は昨年11月、キリン絆プロジェクトの支援を受け、いわき市水産物のブランド化プロジェクトに取り組むことを決めました。

いわき市沖の漁場で水揚げされるカツオ、サンマ、ヒラメなど「常磐もの」と呼ばれる海産物は築地市場の仲買人などから高い評価を受けてきました。ところが、原発事故や風評被害により、水揚げそのものが困難となったため、いわき市の魚である「メヒカリ」やサンマ、アンコウなど地元の魚を使った新しい商品を生み出し、地元の水産業を復興させることが、このキリン絆プロジェクトの狙いです。

このように、日本財団とキリングループが協力して行っている海洋関係の支援は、これまでに約16億円に上っています。

宮城県気仙沼市に建設される「みらい造船」の起工式

宮城県気仙沼市に建設される「みらい造船」の起工式

一方、日本財団が中心になって行った被災地支援事業には、(1)被災造船関連事業者への復興補助事業(国交省・復興庁からの補助金を原資とする補助事業、113億円)、(2)カタールのフレンド基金を活用した宮城県女川町への水産業の再生基盤整備(20億円)、(3)機材配備、コミュニティ再生、調査研究など(約84億円)があります。これらの中でも、日本財団が手がけた最大規模の事業は、宮城県気仙沼市の中小造船会社が合併・集団移転して新たな造船施設を建設する「みらい造船」事業です。世界3大漁場の三陸沖に面している気仙沼港も、大津波により造船施設は壊滅的な被害を受けました。このため造船4社が合併して「みらい造船」を設立、建設予定地で昨年10月、起工式が行われました。総事業費は約105億円で、2018年春に開業を予定しています。

このほか、津波で陸に打ち上げられ、廃船になった岩手県立宮古水産高校の実習船の後継「海翔」と実習室用設備の費用約5億7,000万円が含まれています。新しい実習船は、近隣の水産海洋系高校2校と共同で利用されています。

新造された実習船「海翔」に乗船、初航海に出港する先生や生徒

新造された実習船「海翔」に乗船、初航海に出港する先生や生徒



また、被災した沿岸部の中小企業等へ無利子で融資する「わがまち基金」プロジェクト(20億円)も地元の5つの信用金庫と協力して現在、継続中です。水産業を中心とした新しいコミュニティ創生のための番屋再生事業(約8億8,000万円)も現在実施中で、すでに宮城県、岩手県で14棟が完成しています。

日本財団海洋チームは、東日本大震災の被災地支援事業を、第1ステージの緊急支援、第2ステージの復興基盤支援、第3ステージの生活文化の再生支援に分け、現在は第3ステージととらえています。荻上健太郎・海洋チーム上席チームリーダーは「被災地では未だに厳しい状況に置かれている方も大勢いますが、これまでの6年間で全体として復旧から復興へと進んでいるとみています。日本財団として取り組んできた支援事業についても、復興の加速はもちろんですが、今後は復興を超えた地域の未来につながっていくことを期待しています」と話しています。続けて荻上上席チームリーダーは「被災地も今の世代のことだけでなく、次世代やその先に向き合う動きが盛んになってきています。今後は、次世代というキーワードを踏まえたうえで、復興支援に取り組んでいきたい」と語っています。


● 気仙沼「みらい造船」起工式 (2016.10.25)






 家族それぞれの自立をめざして〜親あるうちに〜  « トップページ  »  伊勢神宮で初の奉納公演