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2016年12月22日(Thu)
「異才発掘プロジェクト」3期生31人決定
開校セレモニーとセミナーを公開開催
子どもに人気のマインクラフトも講義



日本財団と東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)は共同で進めている「異才発掘プロジェクト ROCKET」の3期生31人をこのほど選抜し、12月19日に東大本郷キャンパス安田講堂で、オープニングセレモニーとセミナーを公開開催しました。一般参加者は北海道から沖縄までの約500人。不登校の子どもたちに向けたセミナーでは、日本マイクロソフトの協力の下、ゲーム好きの子どもたちに人気のものづくりゲーム「マインクラフト」で安田講堂を再生するバーチャル(仮想現実)の世界や、安田講堂の改修工事の講義を通じて、新しい学びと仕事の在り方を伝えました。

3期生31人を取り囲みみんなで記念撮影

3期生31人を取り囲みみんなで記念撮影



オープニングセレモニー全景"

オープニングセレモニー全景



開場前の様子

開場前の様子

突出した能力はあるものの、現状の教育環境になじめなかったり、物足りなかったりしている子どもたちに、学校でも家でもない新しい学びの場を提供するのが、このプロジェクトです。ROCKETは「Room Of Children with Kokorozashi and Extraordinary Talents」(志と特別な能力を持った子どもたちの集う場)の頭文字を取っています。募集対象は小学3年〜中学3年で、2014年に開校しました。1期生は応募者601人から15人、2期生は同536人から13人、そして今回3期生は527人から31人が新たに加わりました。

中邑賢龍・ROCKETディレクターの「よっ」いきなりのあいさつに、思わず周りはずっこけ(オープニングセレモニー冒頭の様子)

中邑賢龍・ROCKETディレクターの「よっ」いきなりのあいさつに、思わず周りはずっこけ(オープニングセレモニー冒頭の様子)



ファンファーレの演奏が鳴り響く中、コンピューター・グラフィクスで作った映像がスクリーンに映し出されました。ミニロケットが都内各所を飛び回り、最後は安田講堂の入り口扉に突入。その瞬間、再びファンファーレ鳴り響き、いきなり“宇宙飛行士姿”の中邑賢龍・ROCKETディレクター(東大先端研教授)が「よっ」と片手を上げて、少年飛行士とともに壇上に姿を現しました。壇上にいた福本理恵・ROCKETプロジェクトリーダー(東大先端研学術支援専門職員)と沢渡一登・ROCKETプロジェクトマネジャー(日本財団ソーシャルイノベーション本部国内事業開発チームリーダー)は思わずずっこけ。2人が「今日は特別の式典とうかがい、わたしたちは正装で来たのに」と突っ込むと「君たちはなんという格好だ。ぼくたちは命がけでロケットに乗って来たんだ」と切り返し、この軽快なやり取りからセレモニーが始まりました。

あいさつをする笹川陽平・日本財団会長

あいさつをする笹川陽平・日本財団会長

あいさつをする神崎 亮平・東大先端研所長

あいさつをする神崎 亮平・東大先端研所長

まず主催者を代表して、笹川陽平・日本財団会長と神崎亮平・東大先端研所長があいさつをしました。笹川会長は「親ごさんも考えられないような素晴らしい能力を持ったお子さんがたくさんいます。親ごさんからすれば通常のように学校に行き、国語も算数も数学も社会も体操も音楽も、みんなできるいい子になってほしいと思うでしょうが、社会は多様化してきています。そういう何でもできる人ももちろん必要ですが、飛び抜けた才能がなくても自分の好きな分野を生かしていくという生き方が望ましい時代になってきています。お子さんには何かいいところが必ずあるはずです。それを伸ばしてやってください。時代は非常に多様化し、個性化した時代になってきています。どうぞ子どもたちに自信を持たせてやってください。この催しを通じ何か気付きを得て帰っていただければ大変ありがたいと思います」と述べました。

神崎所長は、来年30周年を迎える先端研は異才がたくさん集まった、東大の中で一番新しい研究所だと紹介した上で「新しい試み、まさにチャレンジのROCKETの環境の中で、たくさんのことを体験し、その体験の中から、すぐれた能力をシェイプアップしてください。先端研もこの分野を、組織を挙げて支援していきます。ぜひ頑張ってください」とエールを送りました。

来賓の樋口 泰行・日本マイクロソフト(株)会長

来賓の樋口 泰行・日本マイクロソフト会長

来賓の樋口泰行・日本マイクロソフト会長は「いろいろなことがソフトウエアで可能になり、ハンディキャップがある人も、普段できなかったような作業がソフトウエアやIT(情報技術)を使ってできるようになってきています。マインクラフトは非常に教育目的的に優れているということで、ゲームの要素を全部取って教育用に焼き直したものを昨年11月から、使っていただけるようになりました。マインクラフト自体は世界で1億人の人に使ってもらっています。能力を引き出す、クリエイティビティ(創造性)を引き出す、そういうソフトウエアだと言われています。3期生のプロジェクトの一部として使っていただき、皆さんの能力をぐんと引き出すことができたらうれしい」と話しました。

同じく来賓の浅田和伸・文部科学省審議官は、ことし6月まで内閣官房で安倍首相が主宰する教育再生実行会議の担当室長をしていたと自己紹介し「全ての子どもたちの能力を伸ばし可能性を開花させる教育へ」と題した第9次提言を中邑教授はじめ大勢の人に関わってもらいまとめたと説明。その上で「このROCKETプログラムは、教育に新しい世界を切り開くきっかけになるのではないか、と私は思っています。これからの時代に必要なのは、満遍なく勉強することも大事ですが、何か自分の好きなことを究めて、ものすごく突き抜けて一生懸命やる、それに集中する、子どもも大人も、そういう人こそが新しいものを生み出すのではないか、と思っています。そういう人たちが居場所を得て力を発揮できるような学校や社会にしていきたいと思っています」と述べました。

この後、中邑教授と福本プロジェクトリーダーが「ROCKETのいま これから」と題してスライドを使い、ROCKETプロジェクトの背景や特徴、講義の内容、見えてきた実態などについて説明しました。今回の3期生は「いろいろなことに興味がある子どもたち」と、生命科学系、芸術系、社会科学系、物理・数学系、物づくり系など「特定の領域に興味がある子どもたち」の大きく2つのグループに分けて学んでもらう計画だとのことでした。この後3期生を囲み、1、2期生や関係者も加わり記念撮影が行われました。

セミナー講師の千葉学・東京大学副学長(向かって左)と田口 純子・ROCKETコーディネーター(東京大学特任研究員)

セミナー講師の千葉学・東京大学副学長(向かって左)と田口 純子・ROCKETコーディネーター(東京大学特任研究員)

セレモニーに続いて実施されたセミナーは「ゲーム好きを活かそう!〜マインクラフトで文化財再生プロジェクト〜」がタイトル。講師は千葉学・東京大学副学長と田口純子・ROCKETコーディネーター(東京大学特任研究員)。中邑教授は冒頭、「ゲームはリアルな世界につながっています。バーチャルな世界からリアルな世界を生み出すことも可能だということを君たちに見せていこうと思います。ゲストの1人は“マイクラ建築家”の田口さん、もう1人は東大建築学科教授の千葉先生。先生はこの安田講堂の改修工事を昨年、ずっとやっていた責任者。今日は安田講堂がどうなっているか貴重な写真を見せていただいて、田口さんがマイクラでつくった“安田講堂”とどのように結び付けていくか、みんなで考えていく時間にしよう」と呼び掛けました。

マインクラフトが安田講堂を建設していく様子(スクリーン映像から)

マインクラフトが安田講堂を建設していく様子(スクリーン映像から)



田口さんは「今日はマイクラで皆さんを安田講堂の空中撮影に連れていきます」と述べ、マイクラがどんどん安田講堂をつくっていく画面をスクリーンで紹介しました。「実は今、建物や都市の3D情報を、たくさんの専門家がつくっています。私はこれを多くの人が挑戦したらどうかな、と思っています。マイクラだとみんな持っているので、安田講堂や東大キャンパスをつくってみたらどうだろうか」と話すと、会場から「はーい」という元気な声が上がりました。千葉先生は、工事の過程で明らかになった安田講堂の天井裏や内装などの写真を紹介しながら、創建時、設計や建設に携わった先人建築家のあつい「意思」をできるだけ尊重した上で、耐震工事の課題をどのように組み合わせていくか、そこにさまざまな苦心があったと教えました。


● 異才発掘プロジェクト ROCKET ウェブサイト






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