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2016年05月27日(Fri)
初めて外務省職員が立ち会い
比残留2世の聞き取り調査
国籍取得に向けた就籍の審判に弾み


日本国籍の取得を求めるフィリピン残留日系人2世の聞き取り調査が5月24、25両日、フィリピン・ミンダナオ島のダバオ市で行われ、在フィリピン日本大使館の津田進参事官が立ち会い、陳述書に署名しました。聞き取り調査に外務省職員が立ち会うのは初めて。陳述書は外務省に保管の上、残留2世が申し立てている就籍の審判にも活用される予定で、戦後70年以上を経てなお無国籍状態にある2世の国籍取得に弾みを付けると期待されます。

ダバオで行われた残留2世の聞き取り調査

ダバオで行われた残留2世の聞き取り調査


聞き取り調査を受けたのは、ダバオ市および周辺に住む残留2世計10人で、いずれも東京家庭裁判所に提出した就籍の申し立てが却下されています。24日は「マラモト・パシータ(日本名トミ)」さんと弟2人、「アラカキ・イノセンシア(同ユニコ)」さん、「タクミ・メラニオ(同ミノル)」さん、25日は「アベ・アデラ」さんと弟妹、「ヨシムラ・レムエル(日本名マサル)」さん、「ナガタ・オルガリオ(同マサオ)」さんに対し、一審に提出した陳情書の内容の確認・訂正を中心に行なわれました。

聞き取り調査を行う、左から猪俣事務局長、津田参事官、イネス会長

聞き取り調査を行う、左から猪俣事務局長、津田参事官、イネス会長



聞き取りはフィリピン日系人連合会のイネス・マリャリ会長、日本財団の支援を得て活動するフィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)の猪俣典弘事務局長、津田参事官の3人が中心になって行われ、父親の出身地の変更や残留2世の両親の結婚式に関する新たな証言なども出ましたが、残留2世が長い間、日本人の子であることを隠して生きざるを得なかった経過もあって、戦後70年以上を経た時間の空白を埋めることの難しさを再確認する内容となりました。

面接に臨む左からマラモト・ユキ、トミ、エストデイの3姉弟

面接に臨む左からマラモト・ユキ、トミ、エストデイの3姉弟



むしろ注目されるのは、今回、外務省職員が初めて聞き取り調査に参加し、陳述書に署名した点。昨年7月、イネス会長らが2万8000人の署名を添えて安倍晋三首相に国籍問題の早期解決を陳情、安倍首相が「政府としてもしっかり協力させていただきたい」と述べたのを受けた対応で、聞き取り調査では津田参事官も自ら残留2世に質問、新たな書面には「調査に立ち会った結果、内容に誤りがないことを確認した」旨の署名が付けられる見通しです。

アラカキユニコさんとタクミ・メラニオさん

アラカキユニコさん=左=とタクミ・メラニオさん=右



残留2世と同様、終戦の混乱で中国に取り残された中国残留孤児の場合は、日中両国政府の合意の下、中国政府が作成した「孤児証明書」を手掛かりに、両親が日本人と確認されれば、両親の身元や親子関係が詳細に確認されなくとも就籍を認める判断が定着し、既に約1300人が日本国籍を取得しています。

フィリピン残留2世に関してもフィリピン政府が近年、残留2世の出生証明書や婚姻証明書について遅延登録を認める措置を取っており、今回の外務省職員の聞き取り調査立ち合いと署名を「日本人の子であることに対する政府のお墨付き」と解釈すれば、残留2世の就籍も大きく前進する可能性が出てくることになります。

左からアベ・アデラ、ロセンド、ドリナの3姉弟妹g

左からアベ・アデラ、ロセンド、ドリナの3姉弟妹



ヨシムラ・マサルさんとナガタ・マサオさん

ヨシムラ・マサルさん=左=とナガタ・マサオさん



今回の聞き取り調査立ち合いについて津田参事官は「初めて直接話を聞いてみて、改めて残留2世が置かれている苦しい立場が分かった面もある。これにより残留2世の国籍取得が少しでも前に進めば幸いだ」と述べ、イネス会長は「2世たちの願いは一日も早く日本人と認めてほしい、の一点に尽きます。老境を迎え、日本国籍を取得することなく亡くなる人も増えており、一刻も早く就籍手続きを加速してほしい」と訴えています。

外務省職員立ち合いによる同様の調査は8月と11月にも、フィリピン中部のビサヤ地方と同北部のルソン地方に住む残留2世計15人を対象に行われる予定です。状況証拠から日本人が父親であるのははっきりしているものの、父親の正確な名前や出身地、あるいは父親との親子関係が裏付けられない残留2世が中心となります。
 
PNLSCによると、フィリピン残留2世は判明しているだけでも約3500人に上り、約半数が既に死亡している。父親の身元が判明しているものの親子関係が証明できない残留2世や父親の身元が判明しない残留2世計約1200人が日本国籍を求めていますが、現在までに就籍手続きによって日本国籍を取得した残留2世は172人に留まっています。



● フィリピン日系人リーガルサポートセンター ウェブサイト
タグ:フィリピン残留日本人
カテゴリ:世界







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