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2016年05月18日(Wed)
パラリンピック競技特集(19)車いすテニス
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リオ大会の出場選手は男子4人、女子2、3人か!

9月7日に開幕するパラリンピック・リオ大会まで、あと3カ月余り。そんな中、車いすテニスの「ダンロップ神戸オープン2016」が4月28日から5月1日まで、兵庫県三木市の総合防災公園ビーンズドームで開かれました。男子世界ランク5位の国枝慎吾選手は欠場しましたが、女子世界ランク3位の上地結衣選手ら有力選手が参加、4日間の熱戦を繰り広げました。リオ大会の出場選手は、5月17日から福岡県飯塚市で開かれているジャパン・オープンの結果を踏まえて最終決定されます。
女子シングルスで優勝した上地選手
女子シングルスで優勝した上地選手

日本のテニス界は、世界で活躍する錦織圭選手らの影響で人気が上昇、テニス人口も増えているようです。障害者のアスリートが注目される舞台も増え、ダンロップ神戸オープンを見に来た観客も少なくありませんでした。とくに上地選手の周囲には、いつも熱心なファンが集まり、一緒に記念撮影したり、サインを求めたりしていました。

上地選手(中央)と一緒に記念写真に収まるファン
上地選手(中央)と一緒に記念写真に収まるファン

ダンロップ神戸オープンは、国内の7大大会の1つで、パラリンピック出場の基礎となる個人ポイントに反映されます。国際テニス連盟(ITF)の世界ランキングは毎週、シングルス、ダブルスごとに発表されます。ジャパン・オープンの結果も踏まえた5月23日の世界ランキングで順位が決定し、それと国別参加人数を考慮して日本の出場選手が決まることになっています。

ダンロップ神戸オープンは、兵庫県車いすテニス協会の主催、日本車いすテニス協会などの共催で行われました。大会には国際級プレイヤーから一般参加者、それにジュニア(18歳以下)まで幅広く参加しました。ジュニア以外は、シングルス、ダブルスとも試合が行われました。

大会の華の女子シングルス決勝では5月1日、世界ランク3位の上地選手と、同17位の堂森佳南子選手がセンターコートで対戦しました。上地選手は強烈なサーブ、フォアで堂森選手を圧倒、6対0で第1セットを奪取しました。第2セットに入っても上地選手の勢いは衰えず、第1セット同様、相手に1ゲームも取らせず、6対0で完勝しました。

試合終了後、堂森選手と握手する上地選手
試合終了後、堂森選手(左)と握手する上地選手

この後、センターコートで男子シングルス決勝が行われ、世界ランク20位の斎田悟司選手と同35位の西村祐亮選手が対戦しました。第1セットは、ロンドン大会までパラリンピック5大会連続出場のベテラン、斎田選手が6ゲームを連取しました。第2セットに入っても斎田選手が最初からブレークするなど2ゲーム連取しましたが、西村選手がブレークしてからブレーク合戦となり、5対5に。その後、斎田選手がサービスをキープ、さらにブレークして7対5で接戦を制し、辛くも逃げ切りました。優勝は03年、12年に続いて3回目。

男子シングルスで優勝した斎田選手
男子シングルスで優勝した斎田選手

女子ダブルスの決勝戦は、イベントの後、センターコートで行われ、上地選手と二條実穂選手のペアと、堂森選手とトルコのブスラ選手のペアが対戦しました。シングルス同様、上地選手のショットがさえ、相手ペアを寄せ付けず圧勝しました。

一方、男子ダブルスの決勝戦は鈴木康平、竹田浩之選手のペアと西村祐亮、藤本佳伸選手のペアとの対戦となりました。両ペアとも1セットづつ取り、マッチタイブレークの末、鈴木・竹田組が優勝しました。

日本代表チームのコーチから監督に就任した中澤吉裕さん昨年、日本代表チームのコーチから監督に就任した中澤吉裕さん(45)に、リオ大会への抱負を聞きました。中澤監督は「シングルスでは、男女ともメダルを取りたい。それも金メダルが欲しいというのが本音です。ダブルスでも、男子とクアードクラス(四肢マヒの選手が対象)のメダルを視野に入れてやりたい。とくに男子ダブルスでは、2組のペアを出場させたい」と話していました。

また、東京大会に向けた選手強化について「数年前から、徐々に若手選手が育ちつつある。まだ4年近くあるので、選手層を厚くしていきたい」と、若手の躍進に期待をかけていました。

女子ナンバーワンの上地結衣選手女子ナンバーワンの上地結衣選手(22)は、1年間に世界4大大会優勝(年間グランドスラム)を達成した選手。リオ大会への意気込みを聞くと、「大会で悔しい思いをしたくないので、万全の準備をして臨みたい。そして、自分のできることをやりきりたい」と語っていました。

上地選手は兵庫県明石市出身。先天性の脊椎症で、歩行が困難な状態です。テニスを始めた動機について「姉が中学に入って軟式テニスを始めたので、自分もやりたくなって始めました」と話していました。

14歳の時、史上最年少で日本ランキング1位になり12年、高校3年でパラリンピック・ロンドン大会に出場、シングルス、ダブルスともにベスト8入りしました。14年に全仏、全米オープンでシングルス優勝、ダブルスでは4大大会で優勝し、世界ランク1位となりました。左利きで、強烈なショットが特徴です。

堂森佳南子選手堂森佳南子選手(40)は、世界ランク17位で日本を代表する選手の一人。静岡県出身。10代のころ、脊髄炎を患い、両下肢にマヒが残ったそうです。高校時代に車いすテニスを始め、静岡県立大学在学中もテニスを続け、08年にはパラリンピック北京大会に出場しました。12年のロンドン大会にも出場し、今回出場すれば3度目となります。

堂森選手は「今度は3度目なので、出られたらなんとか1勝したい。そして悔いの残らない大会にしたい」と話していました。

男子シングルスで優勝した斎田悟司選手男子シングルスで優勝した斎田悟司選手(44)は、世界ランク20位。三重県四日市市出身で、野球少年だった12歳の時、病気のため左足を切断しました。14歳から車いすテニスを始め、1996年、アトランタ大会に初出場しました。次のシドニー大会では8位に入賞。2004年のアテネ大会では、国枝慎吾選手と組んで男子ダブルスで優勝しました。08年の北京大会ではダブルスで銅メダルに輝きました。

リオ大会への意気込みを聞くと、「シングルスに集中して練習してきたので、今回優勝できたのはうれしい。練習で年齢差をカバーして、なんとかリオ大会に出場したい」と話していました。

リオ大会に出場できる選手は、男子4人、女子が2人か3人、クアードクラス2人と見られています。男子の当確者は国枝選手と世界ランク9位の真田卓選手、女子は上地選手というのが大方の見方ですが、最終判定はジャパン・オープンにかかっています。


競技紹介車いすテニス
一般のテニスとルールが違うのは、ツーバウンドでの返球が認められていることだけ。ツーバウンド目はコートの外に出ても良いことになっている。男女別のシングルス、ダブルスのほか、下肢と上肢に障害のある「クアードクラス」のシングルスとダブルスも正式種目になっている。このクラスでは、ラケットと手をテーピングで固定することが認められている。

● 日本車いすテニス協会 ウェブサイト
● 日本財団パラリンピックサポートセンター ウェブサイト 






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