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2016年02月17日(Wed)
ママ再就職の社会価値を「見える化」する
ママインターン事業で
社会的投資の効果を可視化するSROI測定の研修


ROW(グロウ、Get Re-employed Opportunities for Women=女性の再就職機会創出)プロジェクト

出産や育児で職場を離れたママたちの再就職を後押ししようと、日本財団は、J.P.モルガンとJPモルガン・チェース財団が支援する「GROW(グロウ、Get Re-employed Opportunities for Women=女性の再就職機会創出)プロジェクト」の運営を担当することになり、その効果を可視化する「SROI(Social Return on Investment=社会的リターン)測定」を学ぶ研修を16日、東京都・赤坂の日本財団ビルで行いました。今回が2回目で、プロジェクトに参画する団体の関係者10人が出席し、ワークショップを通して指標の整理方法などを学びました。

GROWプロジェクトは、再就職を希望する女性を対象にキャリア・カウンセリングやトレーニングを提供し、希望や能力に応じて中小企業での働き先を紹介するもの。就職先の企業に対しても雇用体制や職場環境についてのアドバイスを行うなど、女性が長く働けるようサポートします。全体の運営は日本財団が担い、女性人材の確保と研修、中小企業とのマッチングは、女性の社会復帰支援に取り組んでいる特定非営利活動法人アローアロー(東京都)と、ママプロぐんま(高崎市)や学び舎mom(名古屋市)といった全国6エリアの参加団体・施設が協力して手掛けます。

「日本では結婚や出産をきっかけに離職する女性は依然として多いものの、その多くが復職を希望しているといわれています。一方で、日本の全企業の99%以上を占めるとされている多くの中小企業で人材不足が深刻な問題になっています」(J.P.モルガン)。そのため、両者をマッチングさせることは、単に働きたい女性の希望をかなえるだけでなく社会的な課題の解決にも寄与すると期待されています。研修で学ぶSROIの測定は、このような社会課題に向けたプロジェクトの具体的な成果と社会への影響を「見える化」する手法として近年、注目を集めています。

SROIに詳しい村田元夫さん

研修の講師は、コミュニティー・ユース・バンクmomoのメンバーで、SROIに詳しい村田元夫さん。中小企業のコンサルティングを手がけるほか、公益財団法人あいちコミュニティ財団で監事を務めるなど非営利セクターでも活躍しています。

GROWプロジェクトワークショップの様子

この日は、ステークホルダー(利害関係者)にとって、プロジェクトがどんな価値を持つのかを抽出することなどをテーマに行われました。最初のワークでは、「プロジェクトで実施するママインターンは、参加するママにとってどんな価値があるか」を考えました。アローアローのメンバーが宿題で書き込んできたシートを基に、村田さんが価値として挙げられた項目を次々に紙に書いてホワイトボードに貼り、「本当にそれは価値といえるのか」「ダブりはないか」などを全員で確認しました。

例えば、「個人の時間がもて、生活のメリハリができる」という項目を貼ったとき、講師の村田さんは「これは本当に価値でしょうか」と問いかけました。参加者からは「これによって、子育てで思いつめなくて済むようになる」などの声が出て、価値は「思いつめなくて済むようになる」の方ではないか、という意見でまとまりました。研修は3時間でしたが終始、活発な議論が続きました。

GROWプロジェクトワークショップの様子

アローアロー代表理事の堀江由香里さんは、「取り組むべき社会課題について話すとき、女性には非常に理解をいただける一方で、男性の管理職にはまったく響かないということがあります。しかし、このSROI測定を用いることによって、課題をわかりやすく、誰にでも理解しやすい形で提示することができるとわかりました。簡単ではありませんが、是非実践したいです」と抱負を語りました。

GROWプロジェクトワークショップの様子

講師の村田さんも「この勉強会の目的は、事業に関わる団体自らがSROI測定を実施できるようになることです。そのため、濃い内容の課題を宿題として出していますが、皆さん高いレベルで仕上げてきてくれています」と手ごたえを感じている様子。また、社会的課題に取り組むNPOが寄付を集めるとき、以前は基本的に「とにかく頑張ります。お金を出してください」と訴えるしかなかったと振り返ったうえで、「SROIによって、寄付の効果を可視化でき、協力者からの理解を得やすくなると期待できます。このプロジェクトをきっかけにSROIを知る人が増え、多くのNPOが活用するようになったらいいと思います」と話していました。






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