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2016年01月27日(Wed)
パラリンピック競技特集(11)パラバドミントン
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東京大会から正式種目に決定、意気込む

昨年暮れ、世界バドミントン連盟のスーパーシリーズ・ファイナルで日本代表がシングルスで男女とも優勝し、日本バドミントン協会は歓喜に包まれました。一方、日本障がい者バドミントン連盟パラリンピック東京大会からバドミントンが正式種目になり、意気込んでいます。1月中旬、千葉市で行われた同連盟の強化指定選手選考会を取材しました。

選考会で対戦する豊田まみ子選手と鈴木亜弥子選手
選考会で対戦する豊田まみ子選手(左)と鈴木亜弥子選手

選考会会場の千葉市障害者福祉センターは、氷が張るような寒さにもかかわらず、参加選手40人の熱気があふれていました。選手は車いす組と立位組とに分かれ、男女それぞれが熱戦を繰り広げていました。なかでも昨年の世界選手権でシングルス準優勝の豊田まみ子選手と、アジア・パラリンピック2010でシングルス優勝の鈴木亜弥子選手との戦いは接戦となり、見応えがありました。
 
男子の車いす組は実力者ぞろいですが、とりわけ世界ランキング9位の長島理(おさむ)選手と同11位の島田務選手の対戦は白熱の戦いになりました。それ以外の対戦でも、参加者全員が各クラス6位以内の強者だけに、接戦が展開されていました。

車いすで実力伯仲の選手と対戦する長島理選手
車いすで実力伯仲の選手と対戦する長島理選手


国際パラリンピック委員会(IPC)は2014年10月、バドミントンパラリンピック東京大会から正式種目とすることを決定しました。障害者の選手にとって、これまで世界選手権とアジアパラ競技大会が2大大会だったので、世界最高峰のパラリンピックへの出場、さらにはメダル獲得という新たな刺激を手に入れたことになります。

車いすを巧みに動かして対戦する小倉理恵選手
車いすを巧みに動かして対戦する小倉理恵選手


日本障がい者バドミントン連盟の平野一美理事長(54)は「まだ東京大会でのバドミントンのクラス分けが決まっていないので、強化選手を絞り込む段階には至っていません。IPCが18年に決めることになっているので、それを受けて対応していきたい」と語っていました。同連盟は昨年6月に体制を一新し、国際大会への選手参加を推進しています。また、関東、関西、九州地区に拠点をつくり、常に練習できる環境づくりを進める方針です。

喜多努・強化担当理事同連盟の喜多努・強化担当理事(50)は、「オグシオ」の愛称で知られる小椋久美子、潮田玲子ペアを指導した元・三洋電機バドミントンチーム監督。現在は大阪府堺市にある羽衣国際大学准教授として地域スポーツの人材育成などに尽力しています。昨年7月に理事に就任し、長期的な強化システムなどを検討しているといいます。

喜多理事は「パラリンピックの正式種目決定は大きなモチベーションになるが、健常者と同じような強化システムは無理なので、社会的認知状況を見ながら新システムを考えていきたい」と話していました。

長島理選手男子車いすの第一人者、長島理選手(36)は建築材料・住宅設備機器メーカー・リクシルに勤務していて、愛知県常滑市に住んでいます。同社は東京五輪・パラリンピックのゴールドパートナーになり、会社を上げて支援しています。バドミントンは中学1年からクラブ活動で始めましたが、大学2年の時、交通事故で車の下敷きになり、脊髄を損傷しました。10ヵ月入院し、退院後、車いすバトミントンを始めたそうです。その後、日本障がい者バドミントン選手権大会シングルスで通算12回の優勝を誇り、世界選手権でも昨年、ダブルスで3位になるなど活躍しています。

長島選手は「車いす男子は韓国が強いが、パラリンピック東京大会に向け、4年計画でメダルを取れるようにがんばっていきたい」と張り切っています。

藤原大輔選手立位組で若手のホープは、昨年のインドネシア大会シングルスで準優勝した藤原大輔選手(21)。高知市出身で現在、筑波大学体育専門学群4年生。生まれた直後に感染症にり患し、左足切断に見舞われました。2歳上の姉がバドミントンをやっていた関係で8歳からスポーツ少年団でバドミントンを習い始めました。バドミントンが東京大会から正式種目になったことを「神が舞い降りた、チャンスが巡ってきたと思いました」と喜んでいます。

今後の抱負を聞くと「東京大会で金メダルを取ることを目標にしています。そのためには大会で常に1位を取るようにならないといけない。韓国、インドネシアなど、アジア諸国はどこも強いので実力を急成長させないと勝てない」と自分自身を鼓舞していました。

小倉理恵選手女子車いすの第一人者は、昨年の世界選手権シングルス3位の小倉理恵選手(29)。埼玉県所沢市に夫と子ども2人と住む、ママさんアスリートです。小3の男の子と保育園年長組の女の子を育てながら働いていて、「練習する時間が取れなくて困っています。でも、練習中は夫が子どもを見てくれるので助かります」と話していました。

生まれつき下半身の関節が拘縮していて、20歳から車いすを使うようになったそうです。仲間と遊びでバドミントンをしていましたが、すっかりハマって自分たちでチームを作り、練習を重ねたといいいます。東京大会の抱負を聞くと「私もメダルを意識して練習しています。日本の車いすの選手で表彰台を独占するのが夢です」と語っていました。

豊田まみ子女子の立位で若手のホープは、世界ランキング2位の豊田まみ子選手(23)。福岡市出身で、昨年4月、スポーツ用品メーカー・ヨネックスに入社、市場調査を担当しています。生まれたときから左腕が欠損していますが、インターハイのバドミントン選手だった母親が立ち上げたジュニアクラブに小4の時から参加したといいます。持ち前の明るさで、どこにいても人が集まってくるほどの人気者だそうです。

東京大会の抱負を聞くと「出場してメダルを取りたい。会社で平日の昼間も練習できる環境にあるので、仲間と一緒にがんばりたい」と話していました。さらに、豊田選手は「バドミントンを通じて国内外の人たちと交流できるのが楽しい。世界的に若い人たちの間でバドミントン愛好者が増えているので、やりがいがあります」と語っていました。

パラバドミントンは、東京パラリンピックをきっかけに大きく生まれ変わろうとしています。それを支え、推進するのは監督やコーチ、選手自身で、とりわけ若い力に期待がかかっています。



競技紹介パラバドミントン
パラリンピックのクラス分けはまだ決まっていないが、これまでの国際大会では車いす組と立位組に分かれている。前者は障害の重いクラス(WH1)と下肢切断などのクラス(WH2)、後者は下肢切断クラス(SL)、上肢切断クラス(SU)、小人症クラス(SS)に分かれている。車いすと下肢切断の一部では、シングルスはコートの半面を使って試合するルールになっている。

● 日本障がい者バドミントン連盟 ウェブサイト
● 日本財団パラリンピックサポートセンター ウェブサイト 






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