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2015年12月18日(Fri)
台風18号豪雨水害への支援
茨城県常総市内の避難所はすべて閉鎖
日本財団はコーディネーター派遣に重点


台風18号による関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊、大規模な浸水被害が出た茨城県常総市では、発生から3カ月が経過し、水害直後からあった避難所がすべて閉鎖されました。最後まで残った避難者は、常総市が用意した市内のホテルや旅館に移動しました。これを機に、日本財団が同市を中心に実施した水害支援をまとめました。

石下総合体育館に設置された避難所
石下総合体育館に設置された避難所=9月13日写す

台風18号は9月9日午前10時過ぎ、愛知県知多半島に上陸した後、日本海を進み、午後9時には温帯低気圧に変わりました。だが、台風や台風から変わった低気圧に向かって南から湿った空気が流れ込んだため、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となりました。とくに関東地方と東北地方では記録的な大雨となり、鬼怒川の堤防が10日決壊するなど、各地で甚大な被害が出ました。

茨城県災害対策本部のまとめによると、常総市で男性2人が死亡したほか、住宅5,023棟が全半壊し、3,096棟が浸水しました。これを受け、常総市は水害地域に避難所を開設し、ピーク時には39カ所に計6,223人の避難者を収容しました。その後、避難者が減り、最後まで残った85人を12月8日までに旅館やホテルなどの二次避難所に移動し、避難所4カ所を閉鎖しました。

浸水した水海道地区の道路
浸水した水海道地区の道路=9月12日写す


この間、日本財団は青柳光昌ソーシャルイノベーション本部上席チームリーダーを中心に、ボランティアセンターの運営をサポートしたほか、自主事業として避難者への状況調査などを実施しました。その概要は以下の通りです。

災害発生後、常総市社会福祉協議会は災害ボランティアセンターを水海道(みつかいどう)地区と石下(いしげ)地区に立ち上げ、全国からボランティアを受け付けました。ところが、茨城県の社会福祉協議会も同時にボランティアセンターを設置したため、常総市にやってきたボランティアは混乱し、災害復旧にも影響が出かねない事態となりました。元々ボランティアの受け入れと作業の選定は市町村社会福祉協議会の任務のため、両者で話し合い、県側が引き上げることで解決しました。

県側がルールを取り違えていたために起きた混乱ですが、ボランティアの運営は熟練した職員がいないとうまく運ばないことが浮き彫りになりました。そこで、日本財団はボランティアセンターの運営をサポートするため、災害時に支援活動するコーディネーターを派遣する「震災がつなぐ全国ネットワーク」に支援を要請しました。いわば災害ボランティアのプロを災害地域に真っ先派遣し、被害状況を確認、支援内容を見積もるという作業です。

水海道地区に設置されたボランティアセンター
水海道地区に設置されたボランティアセンター=9月12日写す


ちょうど8月に日本財団で災害コーディネーター研修が行われており、10日間研修を受けた人たちを中心に計19人が現地に入りました。主力は阪神・淡路大震災を経験した人たちで、11月末までに延べ437日間活動しました。支援金額は813万円。

さらに、日本財団は常総エリアの避難所ならびに在宅避難者への支援マッチングを行うため、一般財団法人ダイバーシティ研究所(田村太郎代表理事)に事業を委託しました。避難者の支援ニーズを調査してデータベース化し、必要な支援、物資、情報とつなげることで被害拡大を防ぐのが狙いです。このエリアには在日ブラジル人やフィリピン人が多いことから、調査員8人を外国人にニーズを聞くチームと福祉関係のニーズを聞くチームとに分けて調査を実施しました。

水が引いてきた水海道地区の浸水現場
水が引いてきた水海道地区の浸水現場=9月13日写す


また、常総市からの依頼を受け、6カ所の避難所の避難者301人を対象に、家の状況、介護の必要の有無、退去の見通しなどの状況調査を10月に実施しました。48人が延べ251日間活動し、これらの任務を実行しました。支援金額は905万円。

3つ目は、現地のボランティア活動に必要な資材・機材の整備と、住民同士が助け合うコミュニティをつくるため、茨城NPOセンター「コモンズ」に764万円を支援しました。避難者のニーズと、ボランティアのリソースとを仲介するのが目的で、社会福祉協議会の民間版といえます。外国人にも配慮した住民主体の復旧活動をスムーズに行うとともに、そうした活動を通じてコミュニティの再構築を目指したものです。

4つ目は、災害に関するコミュニティ情報を流すFMラジオの運営資金として、茨城県コミュニティFM協議会に508万円を支援しました。放送機材のレンタル費用と人件費への支援が中心です。臨時災害FMのスタジオは常総市役所内に設置され、災害発生から11月末まで放送が続けられました。

青柳チームリーダーは「日本財団としては目に見えるニーズにすばやく対応でき、民間の支援に貢献したと思います。とくに避難所の状況調査については行政からも評価されました。ただ、常総市の避難所運営では責任者がコロコロ変わったり、言ってることとやってることが違ったりするケースが多く、縦割り行政の弊害が出た感じがします」と総括していました。






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