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2015年12月08日(Tue)
就労支援フォーラム2015
「障害者支援がもっとよくなるために」
全国の各種現場から約1500人が参加


障害者支援に取り組む福祉・医療職種の人たちが一堂に集まって話し合う「就労支援フォーラムNIPPON 2015」が12月5、6の両日、東京・新宿のベルサール新宿グランドで開かれました。昨年に続いて2回目で、今年は就労支援が「もっとよくなるための処方箋」を考えようがメイン・テーマ。日本財団の主催、就労支援フォーラムNIPPON実行委員会の共催で開かれ、全国から約1500人が参加しました。

フォーラム会場で熱心にメモを取る参加者

フォーラム会場で熱心にメモを取る参加者


主催者代表で挨拶する尾形・日本財団理事長

主催者代表で挨拶する尾形・日本財団理事長

開会式では、主催者を代表して尾形武寿・日本財団理事長が「障害者の人たちが普通に生活できる環境づくりに協力したい。そのためには約20万人といわれている就労者の賃金を上げ、雇用者を増やすことが必要です」と述べました。この後、村木厚子・前厚生労働事務次官らによる特別企画「よい就労支援事業ってなんだろう―経済学や経営の視点から」と題するシンポジウムが開かれました。

報告する橋本・日本アイ・ビー・エム副会長

報告する橋本・日本アイ・ビー・エム副会長

座長を務めたのは、全国シルバー人材センター事業協会専務理事の村木太郎さん。最初に橋本孝之・日本アイ・ビー・エム副会長が登壇し、同社での障害者への取り組みを紹介しました。同社は2010年から、障害者の雇用を経営課題として捉えるための仕組み作りを検討。その結果、参加26社から社員を派遣してもらい、一般社団法人企業アクセサビリティ・コンソーシアム(ACE)を設立しました。そして、障害者24人に半年間、休日などに来てもらい。障害者の視点からみた改善策を提案してもらう事業を続けています。

橋本副会長は、その事業を通じて障害者だけでなく、女性、性的少数者などを含めたダイバーシティ(多様性)委員会を社内で立ち上げ、協議していると説明。「多様性に対応することが変革の元です。障害者もその中で受け入れています」と述べました。

報告する栗原・日本政策投資銀行常勤監査役

報告する栗原・日本政策投資銀行常勤監査役

また、栗原美津枝・日本政策投資銀行常勤監査役は米国スタンフォード大学国際政策研究所で研究員、帰国して女性起業サポートセンターを立ち上げた経験を元に、障害者雇用事業や就労サポート事業でも収益性を考慮に入れるべきだと指摘しました。その半面、企業の審査に当たっては数字に表われない企業価値、つまり非財データも評価するべきだと述べました。また、金融においても環境、健康経営など長期的に価値が生まれる事業や社会的に意義のある事業を尊重するべきだと強調しました。

報告する濱田JA共済総合研究所主任研究員

報告する濱田JA共済総合研究所主任研究員

最後に、濱田健司JA共済総合研究所調査研究部主任研究員は障害者の就農に関する調査研究と意識啓発を行ってきた経験から、農業と福祉の連携に注目し、「農福連携」による地方創生を提案していました。農福連携の具体的なパターンとして

1. 農業分野での障害者雇用
2. 障害者福祉事業所の自主事業
3. 障害者福祉事業所の農作業受注

の3つをあげ、「障害者福祉事業所は地域の社会資本であり、地域の困りごとに取り組むことで地域を創生できる」と指摘しました。さらに、濱田研究員は今後、地域型の農福商工連携により地域で必要とされる障害者福祉事業所に生まれ変われると強調しました。

この後、討論に移り、橋本副会長は「障害者支援では企業トップの意識が大事だ。トップダウンしかない」と指摘しました。また、栗原常勤監査役は「事業は収益性を目指すべきだが、長期的に続くかどうかもみなければいけない。短期的に赤字になる場合もあるので、社会全体が吸収しないとやっていけない。地域と一緒にやっていくことが大事になる」と述べました。さらに、濱田研究員は「農福はメリットがあると思う。農業も変わろうとしており、サービス業を展開していけば十分やっていけると思う」と語っていました。

さらに、「もっとよくなるための経営戦略」と題して、各地で活躍する起業家5人によるパネルディスカッションが行われました。恋する豚研究所を設立、養豚をしながら福祉楽団常務理事を務める飯田大輔さん、沖縄で漁業による障害者就労支援を行っている仲地宗幸さん、パンやチョコ工房を開業、障害者雇用を推進しているラ・バルカグループ代表理事の夏目浩次さん、障害者の芸術文化活動を支援している「たんぽぽの家」常務理事・森下静香さん、それにラグーナ出版の川畑善博社長の5人。

パネルディスカッションに参加の飯田、仲地、夏目、森下、川畑の5氏

パネルディスカッションに参加の(左から)飯田、仲地、夏目、森下、川畑の5氏



夏目浩次代表理事は、日本財団が実施する寄付プロジェクト「夢の貯金箱」で広げている自販機「夢の貯金箱」に寄せられた寄付金から支援を受けて全国17カ所の拠点で障害者80人と一緒にチョコレートの製造・販売を行っています。中でも「久遠(くおん)チョコレート」という自主ブランドは、トップショコラティエの野口和男さんの監修を受け、余計な油分を使わないピュアチョコレートの素材にこだわり、手作りで製造しています。現在、京都伊勢丹、梅田阪急百貨店などにも出店し、業界でも注目されています。

夏目さんは「チョコは昨年から始め、今年は1億円の売り上げになっています。皆さんが障害者とは関係なく、チョコのブランドとしてみてくれます。しかし、デパートでは商品の欠品は許されないので腹をくくってやっています」と話していました。

このほか、フォーラムでは厚労省の田中佐智子・障害福祉課長による「障害者就労支援の動向」報告、日本財団の竹村利道ソーシャルイノベーション本部国内事業開発チームリーダーによる「さらによくなるためのプロジェクト」の講演なども行われました。






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