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2015年11月20日(Fri)
誰もが安心して暮らせる社会のために
大阪で精神医療に関する講演会開催

大阪精神医療人権センター設立30周年の記念講演会が、11月14日(土)、大阪市のエルおおさか南ホールで開催され、約140人が参加しました。

この講演会は、日本財団の助成で、大阪精神医療人権センターが主催したものです。

各地の代表が活動報告
各地の代表が活動報告

大阪精神医療人権センターは、精神障害者に対する社会の理解を促進し、人間が安心して暮らせる社会に一歩でも前進させるよう貢献することを目的とした団体です。

患者の訴えを聞き、病院に伝えることを支援する「声を聞く」活動、精神科病院を開かれたものにする「扉を開く」活動、安心してかかれる精神科医療を実現する「社会を変える」活動を行うとともに、精神科病院に入院中の患者やその家族からの無料の電話相談、入院中の患者との面会、病院への訪問等を行っています。

1984年3月、宇都宮市で精神科病院に入院する患者2名を看護者が暴行し殺害するという事件が起きました。この事件をきっかけに、大阪の精神医療従事者、弁護士、患者の家族、当事者が中心となり、精神科病院に共通する閉鎖性や、中で何が行われているか分からない劣悪な環境等、重大な問題の改善のため、1985年11月に同センターが設立されました。

講演会は、「権利擁護活動から考える精神保健福祉の今後」と題して、精神科医の伊藤哲寛さんが行いました。

この中で、伊藤さんは「病院経営者の視点ではなく、当事者の視点を大切にした精神保健・医療・福祉の施策が強く求められる。そのためには精神医療に関する活動が広まっていくことを期待する」と述べました。

記念公演する伊藤哲寛医師.JPG
記念講演する伊藤哲寛医師(右)


講演会後、大阪精神医療人権センター、兵庫県精神医療人権センター、東京精神医療人権センターから、各地の取組が紹介されました。

兵庫県で電話相談を受ける活動をしている方は「30年以上入院されている方から12年程電話相談を受けている。その方が最近久しぶりに外出したようで、最近は小学生でも携帯電話もっとんねんなあ、と言っていて、その方が失った時間を思うと悲しかった」と語っていました。

また、東京精神医療人権センターで活動する女性は「社会を変えていく事も大切だけど、個別の一人一人を大切にすることが重要だと思う」と語りました。

大阪精神医療人権センターの活動を報告
大阪精神医療人権センターの活動を報告


大阪精神医療人権センターの里見和夫さんは「精神科は他の病院より医師や看護師が少なくて良いという精神科特例など、他の医療に比べ圧倒的に区別されている。人権は本来全ての人にあるもの。精神障害者もそうでない人も、全ての人権が守られ、安心して暮らせる社会が必要」と語りました。

差別や偏見は、今でも身近に存在しています。一人一人が、身近に存在する差別や偏見を意識することで、全ての人が安心して暮らせる社会の実現に少しずつ近づくのではないでしょうか。




● 大阪精神医療人権センターウェブサイト






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