2015年10月06日(Tue)
再犯防止をどう進めるか!
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上川法相と意見交換開催
日本財団職親プロジェクト 元受刑者らの社会復帰を支える「日本財団職親プロジェクト」の参加企業と上川陽子法相の意見交換会が10月2日、東京・赤坂の日本財団ビルで行われた。同プロジェクトでは昨年7月、谷垣禎一元法相も出席して勉強会をスタート、計10回の会合を重ねてきており、この日の意見を基に引き続き法務省と再犯防止の強化策を話し合う予定だ。 意見交換会で言葉を交わす上川法相=左=と笹川会長 |
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2013年のプロジェクト発足以来、刑務所出所者らを引き受ける職親企業は全国で計20社に広がり、当初、日本財団が負担した元受刑者一人当たり月8万円(6カ月)の支援金も今年4月から法務省の刑務所出所者等就労奨励金に衣替えしている。この間、計31人がプロジェクトで就労体験をし、41%の13人が6カ月間の就労体験を終了、うち8人(25%)は現在も就労を継続している。 職親企業から積極的な意見が出た 意見交換会には参加企業10社の関係者が出席。冒頭、日本財団の笹川陽平会長は「25%の数字をどう見るか議論はあろうが、答えはある程度、見えてきている」とするとともに、「初犯で軽い罪の受刑者らに関しては、収容された時点で社会復帰に向けた勉強をスタートできる態勢を整え、一人でも多くの更生を目指したい」などと語った。 これに対し上川法相は政府が昨年12月、犯罪対策閣僚会議で宣言した「犯罪に戻らない・戻さない」社会の構築について、「(出所者らを)責任ある社会の一員として自然に迎えることができるよう、どのように社会の壁を修正していくか、官民の連携こそ必要であり、総力を挙げて取り組みたい」と述べた。 次いで参加企業側がそれぞれの引き受け状況や具体的なケースを踏まえ問題点や課題を報告。9年前から出所者らを引き受け、プロジェクトの草分け的存在であるお好み焼屋チェーン「千房」の中井政嗣社長は「失敗事例、成功事例双方を共有しながら、プロジェクトを全国に広げていきたい」と抱負を語った。 意見を述べる「千房」の中井社長 このほか「刑務所は2度と戻ってくるな、と教える場であっても、教育の場にはなっていない」、「地元の県警が暴力団対策を強化しているが、出口となる働き場所の確保こそ課題」、「会社と本人の相性もある。ここがダメならあそこがある、といった複数の選択肢を用意する必要があるのではないか」といった問題提起から、プロジェクトの存在をもっと全国的にPRする必要がある、といった指摘まで幅広い意見が出た。 「自分を支えてくれる人がいる。再犯しないことが“恩返し”と思わせるような工夫が必要」、「反省は一人でできるが更生は一人でできない」、「人間としての心を呼び起こすような何かができないか」いった意見も出され、上川法相は「法務省としては仕事の場を作ることを柱に対策を進めているが、土台となる教育部分が欠けているという重い指摘もいただいた」と感想を述べた。 日本財団職親プロジェクトではこれまでも職親企業の業務に関連した職業訓練項目の導入や、採用内定者に関する個人情報の一部開示などを法務省に申し入れている。 (宮崎正)
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