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2015年09月03日(Thu)
「文芸フェス2016」
来年3月上旬、3回目の開催が決定!
告知パーティーに作家ら約100人出席


国内外の作家、詩人、漫画家、編集者、翻訳者らが集まり、トークイベントや朗読会を開く「東京国際文芸フェスティバル」(通称:文芸フェス)が来年3月2日から6日までの予定で開催されることが決まった。日本財団の主催で2013年から開かれており、今回は3回目。その開催を告知するパーティーが8月31日、東京都渋谷区神宮前のVACANT原宿で開かれ、作家、編集者、芸能人ら約100人が出席した。

自己紹介する平野啓一郎さん=右から2人目=ら新企画委員の面々
自己紹介する平野啓一郎さん=右から2人目=ら新企画委員の面々

パーティーは午後6時半、四方を木板の壁に囲まれたスペースで始まった。いきなり場内の照明が消え、明治の文豪・夏目漱石の名著『吾輩は猫である』の朗読DVDが上映された。最初に登壇した笹川陽平・日本財団会長は「この企画は日本から世界へどうやって情報を発信していくかのプログラムから始まった。我々は基盤づくりの役割を果たすだけなので、皆さんでいろいろ考えてやっていただきたい」と挨拶した。

主催者として挨拶する笹川日本財団会長
主催者として挨拶する笹川日本財団会長


続いて、事務局の新体制が発表され、横里隆事務局長、鹿児島有里マネジャー、企画委員の作家・平野啓一郎さんら6人(1人欠席)がそれぞれ自己紹介した。第1回から参画している平野さんは「普段は部屋にこもっているので、いろいろな方たちとの交流を通じて得るものが大きい。自分なりの楽しみのために意義付けして参加していただければ」と話していた。なお、初回からイベントの企画を担当していた辛島デイビッドさん、市川真人・早大文学学術院准教授はアドバイザーとして引き続き参画する。

このあと、事務局から海外の招聘作家が発表された。トルコ初のノーベル文学賞受賞作家、オルハン・パムクさん、ペルー生まれの米国作家、ダニエル・アラルコンさん、米国ロサンゼルス出身のスティ−ブ・エリクソンさん、北京生まれの米国作家でO・ヘンリー賞受賞のイーユン・リーさん、ロシアのブッカー賞受賞者、リュドミラ・ウリツカヤさんの5人。このほか、アジアの作家数人の招聘を検討しているという。また、事務局から文芸フェスを盛り上げてもらうサポート委員を募集するとの発表があった。

招聘作家の名前が読み上げられると、会場から「エッ、スゴーイ」という感嘆の声が次々上がった。このあと、作家・小野正嗣さんとのトークセッションに出演した西加奈子さんは「海外で有名な作家ばかりで、びっくりしました」と驚きの声を上げた。とくにトルコのオルハン・パムクさんに関心が高いようで、「トークセッションなどがあれば是非呼んでください」と話していた。また、西さんは前回のセッションで、イスラエルの作家エトガル・ケレットさんと彼の作品『突然ノックの音が』について話し合ったことに言及。当時はまだ翻訳書が出版されていなかったが、このフェスがきっかけで今年初め、新潮社から出版されたことを紹介した。

作家の小野正嗣さんと西加奈子さんによるトークセッション
作家の小野正嗣さんと西加奈子さんによるトークセッション


パーティーの最後に司会者から、漫才コンビ爆笑問題の太田光さん夫妻が出席していることが伝えられると、出席者から歓声が上がった。「一言挨拶を」と促された太田さんが「又吉です」と自己紹介すると、会場は大爆笑。太田さんは大の読書家で、短編集を出版していることでも知られている。「私は(又吉さんと違い)直木賞を狙っているので、選考委員にお伝えください」と、本気とも冗談ともつかぬ言葉を残し、会場を去った。

飛び入りで“直木賞獲り”を宣言する太田光さん
飛び入りで“直木賞獲り”を宣言する太田光さん

(飯島一孝) 
  






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