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2015年08月25日(Tue)
「常識」を飛び出したゲストと考える、私の“ふく職”
みんなニコニコミーティング 〜文月編〜 開催

子育てと仕事を自分らしくやっていく生き方とは――。これを考えるイベントが7月25日、東京都・赤坂の日本財団ビルで開かれた。日本財団「ママの笑顔を増やすプロジェクト」(ママプロ)が主催し、約30人が、自分の置かれた環境を切り拓き、人生を逞しく歩んでいるゲスト3人の話に真剣に耳を傾けた。

ゲストの話を基に、生き方の選択肢を考える参加者ら
ゲストの話を基に、生き方の選択肢を考える参加者ら


ママプロは、「自らを律するママが、配慮ある環境で活躍できる社会」を目指して活動している。その活動を通して、「目標とするのは、子育てと仕事をその人らしく両立させる『福』職ではないか」「それを実現する方法は、『復職』だけでなく、複数仕事を持つ『複職』も含むのではないか」「メーンの仕事とサブの仕事『副職』もあっていい」などの意見が集まった。そこで、毎月25日に子育て中の女性を主な対象として実施しているイベント「みんなニコニコミーティング」で、これをテーマに考えるイベントを開催することにした。

ゲストの一人、高坂勝さんは池袋のオーガニック・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」の店主。資本主義に基づく合理化・効率化の世界から降りて、自分の時間を大切に生きる生き方を選んだという高坂さんの店には、考え方を同じくする人たちが集う。2010年には『減速して生きる―ダウンシフターズ』も上梓した。

高坂さん
高坂勝さん


紅一点のゲスト矢口真紀さんは、地元の埼玉県杉戸町で「choinaca(ちょいなか=ちょっと田舎)」と名付けた女子ユニットを結成し、できるだけノーリスクで、かつ「ある」ものを活かし月3万円のビジネスを生み出そうというワークショップを実践している。発明家の藤村靖之さんが栃木県で展開している「地方で仕事を作る塾」で、時間やお金についての価値観が変わったのがきっかけ。その後Uターンし、現在の取り組みを始めたという。

もう一人のゲスト竹村利通・日本財団国内事業開発チームリーダーは、地域性を活かしながら障害のある人の仕事を創り出し、関係する多様な人々でコミュニティを形成する「C-project」の担当者。高知県内で障害者が働ける「土佐茶カフェ」「藁工ミュージアム」など10店舗ほどを運営してきた前職の経験を活かしている。

高坂さんは、現代の時間に追われる働き方を「経済的徴兵制」と捉えていると紹介しつつ、自身は、低収入であるものの「好き」「必要」「得意」といったキーワードに適う生活を日々実践していると報告。千葉県匝瑳(そうさ)市で都市山村交流をしながら農作業や里山活動に取り組むNPO法人「SOSA Project」の活動を始めたり、経済学者の内橋克人氏が提唱した「食(Food)」、「エネルギー(Energy)」、「福祉(Care)」の自給を目指す取り組み「FEC」の非効率部門を地域で担うことを目標に、週4日はオーガニック・バーを経営したりして、「楽しくて安心で幸せな暮らしを送っている」と話した。

高坂さんは「合理化・効率化を求め続ける資本主義の世の中で、生き辛さを抱えている人たちが増えている」と指摘しながら、「もし属している社会の仕組みが構造的に間違っているとしたら、個人にできるのは、そこから降りて状況を客観的に捉えながら楽しそうに生きること。その姿こそが社会を変える」と訴えた。

矢口さん竹村さん
矢口真紀さん(右)と竹村利通・チームリーダー


矢口さんは、人生の転機について語った。「消費を繰り返す日々」を送っていたころ、ある日「一体何のために働くのか」という疑問に立ち止った。一つの組織に所属して、仕事に長時間を割く生き方に疲れてしまっていた。自分の生き辛さの原因が、自分自身の中の「結婚しないと幸せになれない」というような思い込みと、その枠に捕らわれていることだと気付いた。しかし、出身地に戻った時、「田舎には、まだ活用されていない資源が溢れている」と発見して吹っ切れた。現在は「やりたいことに素直になると社会とつながっていける。思い込みのメガネを外せば、もっと生きやすくなる」と考え、地元のママ達と一緒に仕事を創る生き方を実践している、と笑顔で報告した。

竹村チームリーダーは、40歳の時に補助金や助成金を得る「障害者福祉」の枠から飛び出して起業、一般の市場で勝負できる店舗をいくつも開発してきた。「楽ちんは “落”ちん。自分の人生頑張らないといけない」と強調。失敗しても次の成功を掴みに行ったこれまでの人生を振り返り、「人のために生きることが幸せに繋がる」という人生哲学を披露した。

これらゲストの共通点は、世の中の「常識」「思い込み」を疑い、飛び出してみたことだった。高坂さんは今の日本について「時間がないことが全ての問題。政治は政治家に、教育は塾や学校に、他人に任せる社会になってしまったことで、国がとんでもない方向に進もうとしている。自分で考えることができれば、おかしいと感じることを追求できる」と言った。そして「過去の自分がぶつかった悩みを解決するような仕事をなりわいとすればよいが、働き過ぎないように注意も必要」とも。「自分らしく生きればいい」――。そう教えてくれたトークライブだった。

(森啓子)


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