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2015年08月12日(Wed)
海でつながるプロジェクト
“豊かな海”に歓声
キッズチャレンジに3千人


「海の“すごい!”をたくさん発見しよう!!」。こんな呼び掛けをキャッチフレーズにした子ども向けイベント「海洋開発キッズチャレンジ」が8月9、10の両日、東京・世田谷区の二子玉川ライズで開催された。一般財団法人エンジニアリング協会日本財団の共催。2日間で目標を大きく上回る3千人が訪れ、関係者は来年度以降、自治体や大学などとの連携も視野にイベントの一層の充実を目指す。

会場には「たからの海」など5つのコーナーが設けられた
会場には「たからの海」など5つのコーナーが設けられた


IMO(国際海事機関、本部・ロンドン)が進める「海の日パラレルイベント」に連動した日本財団の「海でつながるプロジェクト」のひとつで、小学生やその親に少しでも海洋開発に対する関心を高めてもらうのが狙い。会場には「海への入り口」、「たからの海」、「ちからの海」、「しごとの海」、「みらいの海」の5つのコーナーが設けられ、エンジニアリング協会海洋開発部の係員らが説明に当たった。

地球深部探査船「ちきゅう」の大型模型も
地球深部探査船「ちきゅう」の大型模型も


「海への入り口」では、海洋開発機構が深海の資源探査のために開発した無人探査機「ゆめいるか」や音波で海底下の資源を探す「物理探査船」、地球深部探査船「ちきゅう」の大型模型やパネルなどを展示、「たからの海」では、日本の近海に眠る石油・天然ガスやメタンハイグレード、海底熱水鉱床、レアアース泥など“海の宝物”を分かりやすく紹介。
 
ちからの海」では、表層の温水と深海の冷水を利用して発電をする「海洋温度差発電実証設備」(沖縄県・久米島)や環境省が長崎県五島市で進める浮体式の洋上風力発電の大型パネルを展示、係員が風力発電装置の発電能力を「一般家庭1800世帯分に当たる2メガワット」と説明すると、子どもたちから驚きの声が上がった。

家族連れの入場者が目立った
家族連れの入場者が目立った


「しごとの海」、「みらいの海」の両コーナーでは、海の資源開発や環境問題に取り組むエンジニアや作業潜水士、開発オペレーターらの仕事を紹介、「みらいの海」ではプラスチック製のブロック玩具を活用して、それぞれが未来の海に必要と思う機械などを創作した。

ブロック玩具を使って親子で海への思いを“創作”
ブロック玩具を使って親子で海への思いを“創作”


それぞれのコーナーで質問に答え、夏休みの自由研究にも使えよう工夫した「海の大冒険手帳」も配られ、用意されたアンケートには、「地球上のエネルギーはすごいと思った」(7歳男児)、「(海には)いろいろなお仕事があるということがわかった」(10歳女児)などの声が寄せられた。

二子玉川ライズは今春、全施設が完成した新たな複合施設。人気スポットとして多数の人が詰め掛け、イベントの入場者も当初予定の3倍を超え、エンジニアリング協会海洋開発室の末国次朗研究主幹は「予想以上に多くの人に来てもらえた」と手応えを語った。

世界の人口が70億人に達し、海洋資源に対する各国の関心が高まる中、わが国にとっても海に対する国民の関心をどう高め、海洋開発技術者をどう育成していくかが大きな課題となっている。7月20日に開催された第20回「海の日」の特別行事総合開会式で安倍晋三首相は、産官学を挙げたコンソーシアム「未来の海 パイオニア育成プロジェクト」を立ち上げ、現在2000人程度にとどまる海洋開発技術者を2030年までに1万人程度に増やす方針を明らかにしている。
(宮崎正)


お知らせ
ご紹介した事業以外に、今年は全国でたくさんのイベントが行われます。
詳しくは「海でつながるプロジェクト」ポータルサイトで!
タグ:海の日
カテゴリ:海洋





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