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2015年07月15日(Wed)
東シナ海空域の信頼醸成
初の行動規範まとめ提言 日中の専門家が安全対話

発表後、握手する関係者
発表後、握手する関係者


東シナ海空域の安全行動規範に関する提言が日中両国の専門家や自衛隊、人民解放軍OBらが参加した安全対話でまとまり7月13日、発表された。民間とは言え日中両国間でこのような提言がまとまるのは初めて。近く両政府にも提出され、関係者は防衛当局間で進められている「日中海空連絡メカニズム」など政府間の安全行動規範確立にもつながると期待している。
安全対話の正式名称は「日中東シナ海空域安全対話」。中国が2013年11月、東シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設定して以来、緊張が高まるこの海域での偶発的な衝突を防ぐため笹川平和財団笹川日中友好基金が14年10月にスタート。双方の国際法や安全保障の専門家のほか、日本側からは航空自衛隊や海上自衛隊の将官級OB、中国側からは人民解放軍国防大学や空軍、海軍の現役の専門家が個人の立場で参加していた。

北京、東京、南京で計3回の会合を重ね、4回目となる今回の東京会合で、双方の意見の一致点を中心に提言をまとめた。偶発的な事故を避けるための行動基準、双方の軍用航空機が相手国の軍用航空機に対し行ってはならない事項として「模擬攻撃機動」や「乗員や装備を害するような方法でのレーザーの使用」などを挙げているほか、相手国領空の近傍を飛行する場合に使う周波数などを定めている。主張・見解が異なる防空識別圏に関しては、双方の法的見解を併記した。

朱鋒執行主任と羽生次郎会長
朱鋒執行主任=左=と羽生次郎会長


発表で中国南海研究共同創新センターの朱鋒執行主任は「中日関係はアジアで最も重要な2国間関係であり、緊張した状態はあるべき姿ではない。民間の力で東シナ海の信頼醸成を少しでも後押ししたい」と述べ、笹川平和財団の羽生次郎会長は「自衛隊、人民解放軍の協力も得られ、世界でも例がない安全行動規範をまとめることができた」と語った。

また航空自衛隊航空支援集団の永岩俊道元司令官は「空における行動規範に関しては米中間でもまだ合意に至っていない」とその意義を評価、北京大学国際戦略研究院の于鉄軍副院長も「大きな成果」とするとともに、尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題で12年、日本財団が中止に踏み切った自衛隊と人民解放軍の佐官級防衛交流事業の再開など、政府間交流の推進に向けた条件整備が必要と指摘した。

永岩俊道元司令官と于鉄軍副院長
永岩俊道元司令官=左=と于鉄軍副院長


日本側は今月末にも防衛省に提言を提出する見通し。中国側は明言を避けたが、朱主任は「安全対話には個人の立場ながら軍の現役メンバーも入っている」と語り、提言が当然、政府に届くとの見通しを示した。

笹川平和財団は今年5月にも北京大学国際関係学院などと「日中海上航行安全対話報告書」をまとめている。同報告書は海域での危機回避を中心にしており、主として日本の海上保安庁と中国海警局に関係する事項であった。これに対し今回の行動規範に対する提言はより広域の「空」がテーマであり、防衛省や人民解放軍も高い関心を示していると見られる。(宮崎正)

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