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2015年04月09日(Thu)
復興に向け石巻の神社で上棟祭 まつり基金による支援
多くの人がお祝いに駆けつけた
多くの人がお祝いに駆けつけた


 東日本大震災で大きな被害のあった宮城県石巻市雄勝町の葉山神社で、再建の工事が進む社殿の棟上げを祝う式典が先月28日に行われた。日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)による支援。氏子や、震災後に町外へ避難した住民など約500人が駆けつけにぎわった境内では、餅や小銭をまく儀式などが行われた。新しい社殿の隣に造られた舞台では、国の重要無形民俗文化財に指定されている「雄勝法印神楽」の奉納も行われた。
 葉山神社は、雄勝町と隣接する女川町にある18神社の本部社務所として、また雄勝法印神楽を奉納する神社としてもリーダー的な役割を担ってきたが、大震災の津波により社殿が全壊し、社務所など大半が流出した。

 日本財団は大震災後にまつり応援基金を設置し、被災地の復興に向け伝統芸能や祭りに必要な山車や神輿、笛や太鼓などの購入・制作のほか、被災した鎮守の森の復活や神社の再建などを実施している。葉山神社は社殿や社務所、境内の造成費など約1億4千万円の支援を2013年4月に決定、同年6月には竣工式を行い工事が進められていた。

外側が大破し唯一残った社殿の一部が特別公開された
外側が大破し唯一残った社殿の一部が特別公開された


 式典の中で、日本財団の笹川陽平会長は「震災後、被災したインフラの整備も大事だが、心の復興がもっと大切と考えた」とまつり基金の趣旨を説明。社殿の再建事業としては初めての支援先である葉山神社について、「早くから宮司の千葉さんはなんとしてでも社殿を復興し、地域のみなさんの心の復興の礎になりたいと強い希望と情熱を持っていた。これは各地の神社の復興のモデルになるはず」と挨拶した。石巻市の亀山紘市長は、「葉山神社の再建は、地域のみなさんの心のよりどころの復興であるとともに、市にとっても大きな意義を持つため喜ばしい」と感謝の意を表した。(写真B:千葉秀司宮司 写真C:神楽の奉納も)

千葉秀司宮司
千葉秀司宮司
神楽の奉納も
神楽の奉納も


 同町名振地区出身の和泉誠一郎さんは、「宮司は社殿再建に向け骨を折ってくれ、とても感謝している。神社があればまたみんなが集まれる」と喜びを語った。再建に向けた計画策定段階では雲をつかむような話であったが、着々と完成に近づく新しい神社の姿を見て実感が湧いてきたという。千葉宮司は「だんだんと再建に向けた気運が高まり、上棟式の準備にはこれまで関わりが薄かった人も積極的に協力してくれて嬉しかった。社殿が完成してからが本当の意味での出発」と今後に向け意欲を見せた。葉山神社は引き続き工事が進められ、9月には竣工式(奉祝祭)を予定している。

 まつり応援基金は、180団体に対しおよそ11億6800万円の支援に取り組んできたが、2015年3月末をもって支援の決定は終了している。

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