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2014年07月24日(Thu)
3つの社会課題を熱く語る 「ゆめちょフォーラム」開催
 寄付付き自動販売機の利用者が寄付金の使い道を投票で決める「ゆめちょ総選挙」。今年1月に行われた投票により選ばれた3つの社会課題を紹介する「ゆめちょフォーラム」が7月16日、東京・赤坂の日本財団ビルで開かれ、それぞれの課題に挑戦する3人のキーパーソンがプロジェクトの方向性や具体的な計画を熱く語った。

3つの社会課題をテーマに「ゆめちょフォーラム」
3つの社会課題をテーマに「ゆめちょフォーラム」
 寄付付き自販機は日本財団が展開しているプロジェクトで「夢の貯金箱」と呼ばれ、飲料水1本買うごとに10円が社会貢献事業に寄付される。現在、全国に2410台設置され、年間1億円以上が寄付されている。これまでは財団が独自に寄付事業を決定していたが、「総選挙」で利用者の意向を事業選定に直接、反映させることにした。寄付だけでなく、スキルを持った専門家が「プロボノ」として社会課題の解決に協力することにしている。

「夢の貯金箱」の取り組みを語る日本財団の長谷川さん
「夢の貯金箱」の取り組みを語る日本財団の長谷川さん

 選定されたのは「災害現場にもっと市民の力を」「いじめ自殺をSTOP」「障害者を一流のショコラティエに」の3事業。プロボノの活用を展開している「サービスグラント」の嵯峨生馬さんが進行役として3人とトークセッションを行った。

進行役の嵯峨さん
進行役の嵯峨さん

 最初に登壇したのは日本財団の樋口裕司さん。公益・ボランティア支援グループとして東北への復興支援に携わっている。取り上げたテーマは次の大規模災害に備え(1)緊急時の災害対応人材の育成(2)地域の被災者支援拠点の設置―の2点。大きな災害が発生した場合、真っ先に現地入りしニーズ把握や地元の団体などと情報共有する先遣隊の派遣が必要となる。その要員として3年間で100人の育成を想定。さらに現地への派遣人数、期間、支援物資などの調整に当たるコーディネーターも同じく300〜500人を養成する。樋口さんは「現場ではボランティアをシステム的に動かせるリーダー的な存在が求められている」として先遣隊、コーディネーターの役割に期待している。

大規模歳がに備えた仕組みを説明する樋口さん
大規模歳がに備えた仕組みを説明する樋口さん
 
 災害が発生し避難所が設置されると、そこだけに支援が集中する。自宅などで避難している人たちには支援物資や行政の情報などはほとんど入らない。そのため従来の避難所を被災者支援拠点として位置づけ、周りの住民にも支援する仕組みを作っていく。

 「ユース・ガーディアン」代表の阿部泰尚さんは探偵業が本職。いじめに直接介入して子どもの自殺を防止する活動に取り組んでいる。探偵会社を立ち上げた2003年から1日1件の割合で相談が寄せられている。ほとんどが親からだという。学校側が取りあわず、証拠を持ってくるように言われた場合には、子どもに隠し録音のような調査機材を持たせて、いじめの証拠を押さえることもある。

いじめを見分けるのには親が向き合うことと指摘する阿部さん
いじめを見分けるのには親が向き合うことと指摘する阿部さん
 
 大人にとっては、いじめのひどいケースとして暴力や万引きの強要などが考え勝ちだが、阿部さんは「子どもにとって無視されるということは、心に深い傷を負うことになる」。世界がひっくり返るほどのひどい仕打ちだという。子どもがいじめに遭っているかを見分けるには、親が子どもと向き合う時間を多くすることだ、と指摘。阿部さんはこれからの目標として、子どもの生の声を大人社会に届けることだという。

 夏目浩次さんは愛知県豊橋市を本拠に、障害者の就労支援事業を展開。飲食事業を中心に東京から高知県まで全国15か所で200人以上を支援している。障害者の賃金が月3000〜4000円とあまりに低く、月10万円にアップする活動に取り組んでいる。その事業が障害者を一流のショコラティエ(チョコレート職人)にすることだ。日本を代表するショコラティエ 野口和男さんの協力を得て進めている。

障害者を一流のショコラティエにと熱く語る夏目さん
障害者を一流のショコラティエにと熱く語る夏目さん

 チョコレートは形が自由な素材だ。溶かし、仕上げの模様を描くなど細かく手間暇がかかる。夏目さんは「障害のある人の働き方に合わせた作業ができる」という。事業の具体的な展開では、東京など3か所に「センターラボ」(厨房)を設けて障害者9人を雇用し、月額12万〜15万円の賃金を目指す。全国7か所に「ブランチラボ」もつくり、30人を雇用し賃金は5万円。さらにクッキーなどお菓子を作っている福祉施設の商品力向上を支援、5年間で全国100施設に協力して、計270人の雇用増と月2万円の賃金の確保を図る。夏目さんは来年2月のバレンタインまでに新しいショコラの商品作りを目指したいという。

 国の財政赤字が巨額化する中、多様化する社会課題に行政側が財政支出するのは難しく、課題解決に向けてNPOの役割が期待されている。「夢の貯金箱」プロジェクトを担当している財団の長谷川隆治さんは「NPOの活動資金は民間からの寄付がベース。その1つとして『夢の貯金箱』をこれから1万台まで伸ばしたい」と話した。(花田攻)
タグ:夢の貯金箱





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