2014年07月08日(Tue)
地域の人と海をつなぐ拠点「渚の交番」 「ウインドサーフィンの聖地」御前崎でオープン
日本財団は、地域の人と海をつなぐ拠点「渚の交番」を静岡県御前崎市の御前崎海岸に設置。海開きを前に、7月5日、開所式が行われ、御前崎市長はじめ行政や地域関係者60人が集まった。今後、マリンスポーツの安全啓発や地域防犯活動などを行う。
未来の御前崎を担う子どもも集まって記念撮影 |
御前崎の海は、年間を通じて安定して良い風が吹くことから「ウインドサーフィンの聖地」として全国的に知られており、外部から多くのウインドサーフィン愛好家が訪れている。一方、地元の人は海に触れる機会が少なく、海が地域の有効な資源として活用されていなかった。2004年には地元で有名だった観光ホテルが閉鎖した。
そこで、日本財団は、御前崎の有効な資源である海をもっと地域全体で活用し、地域を活性化しようと、地元のウインドサーフィン愛好家や若手経営者たちが中心となって立ち上げた「一般社団法人 御前崎スマイルプロジェクト」や御前崎市と協力。御前崎海岸のシンボルである灯台のふもと(ホテルの跡地)に、ウインドサーフィン愛好家だけでなく、地域の人と海を分野横断的につなぐ拠点「渚の交番」を建設した。今後は、水難事故防止、地域防犯、海洋教育、海洋環境保全、観光振興など幅広い活動を地域全体で取り組んでいく。 灯台のふもとに渚の交番 建物の構造は鉄筋コンクリート造り平屋建てで、延べ床面積は本体299.59m²、付属棟25.2m²。多目的交番スペース、事務室、シャワールーム、トイレ、売店棟などを備える。また、ハワイ風のカフェも併設し、観光の目玉として誘客を担う予定だ。 ハワイ風のカフェも備える 開所式の冒頭、石原茂雄御前崎市長が挨拶。「震災以降、海を離れた多くの人に、渚の交番のオープンを機会に、再び御前崎の海岸線に戻ってきてもらいたい」と期待を述べた。 石原茂雄市長 続いて、日本財団の海野光行常務理事は「御前崎の自ら変化しようとする姿勢の象徴。海をフィールドとする関係者だけではなく、教育、福祉、防犯など垣根を超えて、海と人のつながりの拠点とし、地域の人自らの手で活性化してほしい」と激励の言葉を送った。 海野光行常務理事 渚の交番の施設管理者となる御前崎スマイルプロジェクトの石原智央理事長は「住民も観光客も皆が一体となって素晴らしい環境を地域全体につくっていきたい。この御前崎渚の交番の取り組みを日本でも先進的な事例として、海辺の拠点づくりに関わるすべての人の目標になりたい」と意欲を語った。 石原智央理事長 関係者による挨拶の後には地域の子どもも一緒にテープカット。最後は子ども達による風船飛ばしで開所式は終了。夕方までサイドイベントとしてアトラクションやステージイベントが行われ、地域の交流が図られた。 テープカットの様子 フラダンスも披露 なお、渚の交番の設置は宮崎県宮崎市の青島海岸に続いて全国2例目。(山口領) |