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2019年09月24日(Tue)
《徒然に…》日本財団―GEBCO優勝に思う
日本財団 アドバイザー 佐野 慎輔

徒然に…ロゴ海への憧れ…

海のなかはどうなっているの?

海の底はどんな形をしているの?

海に憧れ、興味を持つのはロマンである。フランスの小説家、「サイエンス・フィクション(SF)の父」とも言われるジュール・ヴェルヌ『海底二万哩』(日本語訳としては『海底二万海里』とも『海底二万リュー』とも)を書いたのは1870年。149年前のことだった。

巨大な角を持つ怪物に攻撃されて船が沈没する事件が世界中で多発。調査を依頼されたフランス人海洋学者アロナクス博士らがアメリカの軍艦エイブラハム・リンカーン号に乗って調査にでかける。しかし、軍艦もまた怪物の攻撃をうけて海に投げ出された。アロナクスは助手のコンセイユ、銛うち名人のネッドの3人はネモ船長となのる男と彼が操る潜水艦ノーチラス号に救われた。その潜水艦こそ怪物の正体。人質にされた3人は沈没したアトランティス大陸の遺跡を見たり、巨大イカと戦ったり、やがてネモ船長の謎を知る。ネモはイギリスの奴隷だったインド人で人類を嫌い、潜水艦を造って海底にこもっていた…。

結末は本を読んでいただくとして、この物語は1954年にはウォルト・ディズニーによって映画化されたこともあり、世界中の子供たちを魅了して、海や科学への興味を育んできた。そういえば、東京ディスニーシーのアトラクションにも登場している。

日本にも『浦島太郎』というおとぎ話がある。助けた亀に乗って竜宮城に行き、楽しく時を過ごした浦島太郎だが…。『古事記』や『日本書記』に記された「浦島子」譚である。

竜宮城はどんなところなの? 

このおとぎ話もまた、海への興味を抱かずにはいられない。


海を知る科学

そうした興味を現実なものとしていくのが科学の力である。
未だ、世界は海底地図をもたない。月や火星の地表の状況が100%ちかく解明されてきたというのに、身近な海の地形については15%ほどしかわかっていない。

こうした状況にメスをいれようとしているのが日本財団による海洋人材の育成事業である。2004年からアメリカのニューハンプシャー大学でGEBCO(大洋深水地図)と提携して行ってきた海底地図作成の専門家養成こそ海底地形把握の根本である。これまで39カ国90人の卒業生を輩出、それぞれ各国で海洋探索の技術指導にあたっている。

そうした「日本財団―GEBCO」の卒業生、13カ国16人で編成したチームが海洋探査技術を競う国際コンペティションで優勝したことは意義深い。言葉、文化、慣習、政治体制など多様性を持った個人がひとつになって課題を解決し、抜群のチームワークを発揮したことは、この育成事業の方向性の正しさを立証している。

彼らはまた22カ国78人の企業パートナーやアドバイザーからの支援をうけて新しい無人調査技術を開発、自律型の潜水機を海中にリリース、回収を可能にした小型無人船「Seakit」を製作した。無人だから安全性が担保され、炭素排出量を抑制するなどの工夫は科学技術力の高さを物語る。


忘れてならない人間力

『海底二万哩』のネモ船長は新型潜水艦を建造するなど科学技術にたけた男だったかもしれない。しかし、彼は世界を、人類を敵だとみなす歪んだ精神の持ち主でもあった。真理を探究するには国や言語、文化の違いなどを乗り越えた協力が不可欠である。

海のなかはどうなっているの?
海の底はどんな形をしているの?

ロマンを解明するために科学の力はもちろん、人間力が必要なことはいうまでもない。ジュール・ヴェルヌの着想の凄さとともに、改めて『海底二万哩』が教訓として伝えているものを想う。それは、「日本財団―GEBCO」チームの国際コンペティション優勝が教えてくれた事実と重なっている。

関連リンク
海底探査技術の国際コンぺで日本財団-GEBCO共同チーム 優勝!
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タグ:日本財団 GEBCO Seabed2030
カテゴリ:海洋







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