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2019年09月05日(Thu)
True Colors Festivalの成長に期待
誰もが参加する社会に向けて!
障害者芸術祭から大きく様変わり
日本財団 参与 宮崎 正

風の香りロゴ障害のある人が多彩な芸術を披露する「True Colors Festival―超ダイバーシティ芸術祭―」が今月から東京都内を中心に始まる。出発点となったのは2006年11月、ラオスの首都ビエンチャンで開催された障害者芸術祭。以後、回を重ねるごとに規模、内容とも充実し、今回は芸術祭の名称から「障害」の言葉も消えた。True Colors(人それぞれが持つ色合い、性格)を前面に、障害の有無や性的指向、世代、言語、国籍などを超え、誰もが参加するインクルーシブな社会の実現を目指す芸術祭の今後に注目したい。

TrueColorsFestivalロゴマーク

Festivalは9月10日、渋谷ストリーム前で開かれる「True Colors DANNSE」を皮切りに、東京五輪が始まる来年7月までダンスや音楽ライブ、演劇など多彩な催しが予定され、乙武洋匡さんやモデル・タレントとして活躍するRYUCHEL(りゅうちぇる)さん、ラブリさん、IVAN(アイバン)さんがアンバサダーに就任、ダイバーシティ推進に向けた次世代の人材育成を目指す「True Colorsアカデミー」なども計画されている。

TrueColorFes0.jpg
(写真左から)アンバサダー就任のRYUCHEL(りゅうちぇる)さん、乙武洋匡さん、笹川陽平会長、ラブリさん、IVAN(アイバン)さん

ビエンチャンでの障害者芸術祭は、ベトナムの「ろうバレーダンスグループ」などとともに日本の「甲州ろうあ太鼓」も参加、興味ある催しとなったが、何よりも「初めて開催されて点に意義がある」というのが取材した率直な感想だった。12年を経て昨年、シンガポールで開かれた「アジア太平洋障害者芸術祭 True Colors Festival」には世界22カ国から障害のあるアーティストが参加しており、規模の拡大には隔世の感がある。

障害者の自立促進は1964年の東京パラリンピックが大きなきっかけとなったと言われ、前々回のロンドン五輪あたりから「パラリンピックの成功なくして五輪の成功なし」といった雰囲気が高まってきている。しかし現在も、パラリンピックは五輪のサイドイベント、芸術祭はその関連企画といった印象が強い。

背景には「健常者」、「障害者」を区別する線引きがある。社会的支援を制度化する上で止むを得ない面もあるが、こうしたいう壁を設けるのは本来、おかしい。人は誰も生まれた時点で民族、国籍が違い、それぞれが異なった個性・特性を持つ。乱暴な言い方かもしれないが、障害の有無もその一つに過ぎずないと思う。多くのパラアスリートが激しい練習で記録を伸ばし、健常者と障害者の壁がどんどん低くなっている現状を前にすると余計、その思いを強くする。

以上のような考えに立てば、五輪とパラリンピックの合同開催、さらにはTrue Colors Festivalも一緒にした一大イベントとして開催する方が自然ということになる。現実には五輪だけでも巨大になり過ぎ、大会運営上も無理ということであろうが、理屈の上では当然、有り得る考えと思う。

WHO(世界保健機関)によると、世界の人口の10%、約7億人が何らかの障害を抱え、日本国内の障害者も約850万人に上る。高齢化の進行で新たな障害を抱える人も確実に増え、こうした人たちの社会参加の機会を増やすためにも、社会の理解と支援体制の強化が急務である。少子高齢化で労働力不足が懸念される現在は、そうした環境を強化するいい機会である。多様性(ダイバーシティ)を持ったインクルーシブな社会を目指すTrue Colors Festivalもその流れの中にある。

関連リンク
True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭 -公式サイト








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