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2019年07月26日(Fri)
海の日、固定してこそ意義あり!
プラごみで世界に広がる危機感
海の保全に向けた意識の共有が急務

日本財団 参与 宮崎 正

風の香りロゴ「海の日」をめぐる議論が盛り上がっている。超党派の国会議員でつくる「海事振興連盟」(衛藤征士郎会長)が2021年以降、当初の「7月20日」に固定するよう求めているのに対し、観光業界はハッピーマンデー制度による「7月の第3月曜日」を維持するよう主張して譲る気配はない。世論調査をすれば、結果も2分されるかもしれない。

昨年の海の日は7月16日、今年は7月15日、いずれもマンデー(月曜日)だった。東京五輪・パラリンピックが開催される来年は、開会式(7月24日)前後を4連休とする特例措置で7月23日の木曜日となる。海事振興連盟はこれを認める代わりに、21年以降の海の日再固定を目指す構えといわれる。

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美しいミクロネシアの島々にも海の危機が...

これに対し観光業界は昨年5月、田川博己・日本旅行業協会会長が会見し、「連休と3連休は海外旅行に行くかどうかの境目となる」とした上で、海の日を固定すると関連業界の売り上げを含めた経済波及効果が2000億円以上減少すると固定化の動きを牽制した。

「国民の祝日」は現在16日。国民の祝日に関する法律はその趣旨を「よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」としている。
法律の一部改正によるハッピーマンデー制度の導入で、成人の日と体育の日(2020以降スポーツの日)は2000年から、海の日と敬老の日は2003年から月曜日に移動した。土、日曜と合わせ3連休とし余暇を楽しんでもらうのが狙いで、観光振興に一定の役割を果たしているのは間違いなかろう。

しかし、法律が言う「国民がこぞって祝う日」として広く認識されるには、特定の一日に固定する方が効果的だ。増して今回の論争の的となっている海の日に関しては、急速に劣化が進む海の保全運動を拡大する上でも、毎年、「その日」が変わる事態を解消するのが望ましい。海事振興連盟に限らず、民間にも固定化を求める声は多く、海関連の事業に広く取り組む日本財団の笹川陽平会長も新聞投稿などで「日本が国際社会の先頭に立って海の危機に対応するため」、「次代を担う青少年に海の大切さを伝えるため」にも固定化が欠かせないと主張している。

海に関しては、海水温の上昇や酸性化、漁業資源の枯渇など深刻化する事態を前に国際社会の動きは今一つ緩慢だった。ところが近年、海洋プラスチックごみが急増、国際的な連帯感が急速に広がる気配を見せている。先進国、途上国を問わず誰もが日常的に接するプラスチック問題を軸に危機感が共有された形。6月に開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議でもプラごみによる新たな海洋汚染を2050年までにゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が打ち出された。

日本は海の恩恵を受け、海洋国家として発展してきた。国際社会の先頭に立って海の再生・保存に取り組むべき立場にあり、ゴミの分別収集からプラスチックの再生利用まで幅広いノウハウもある。そのためにも海の日は、やはり当初の「7月20日」に再度、固定するのが望ましい。

海の日などがハッピーマンデーに移動して既に20年近くなる。この間、高齢化が進み、3連休の恩恵の反面、高齢者の医療機関の利用などに不都合が生じているとの指摘もある。2016年に始まった「山の日」が「(海や山の)恩恵に感謝する」と海の日とほぼ同じ趣旨で制定されながら8月11日(20年は東京五輪の関係で特例として8月10日)に固定され、海の日とのバランスを欠く現実もある。ハッピーマンデー制度をプラス、マイナス両面から検証してみる時期が来ているようにも思われる。
タグ:日本財団 海の日 風の香り
カテゴリ:海洋







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