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2019年06月27日(Thu)
《徒然に…》HEROsとは何か
日本財団 アドバイザー 佐野 慎輔

徒然に…ロゴいまさらながら、HERO(ひ―ろー)とは何か? と考えている。「英雄、敬慕のもととなる人物」、「男性主人公」に加え、「スポーツの世界で活躍した人」と辞書にある。

日本財団の「HEROs」はスポーツ界で活躍した人、活躍しているアスリートの社会貢献にスポットをあてた企画、事業である。趣旨に賛同、参画した「HEROsアンバサダー」は何を考え、活動しているのか?


小平第3小学校にて

それを知りたくて6月のある日、東京・小平市立小平第3小学校を訪ねた。アンバサダーの根木慎志さんと大林素子さんが4、5年生の児童約200人を対象に、車いすバスケットボールを題材にしてスポーツの持つ素晴らしさを体験してもらう“出張授業”である。

根木さんは2000年シドニー・パラリンピック車いすバスケット代表チーム主将を務めたパラリンピアン。大林さんは1988年ソウル、92年バルセロナ、96年アトランタと3大会連続バレーボール代表として活躍したオリンピアン。集まった児童たちからみれば両親世代で実感はないだろうが、時代を牽引したヒーロー、ヒロインにほかならない。略歴が紹介されると、見る間に興味深げな顔が広がっていった。

同校は東京都が勧めるオリンピック・パラリンピック学習を積極的に授業に取り入れている。これまでも卓球で2020年東京パラリンピックを目指すパラアスリートから講義をうけるなど、「障がい者とスポーツの関わり、共生社会の実現などへの理解を深めてきた」と木田明男校長は語る。だからだろう、2人がパラリンピックの競技やスポーツ用車いすの構造などを問いかけると、われ先に手を挙げて正解を答えた。少しずつだが、2020年大会開催の意義は伝わり始めている。


あきらめない心、応援する思い

その児童を前に、大林さんが車いすに乗ってシュートを放つ。バレーボールとの勝手の違い、車いす操作の難しさも手伝ってなかなかゴールできない。「はいるまでがんばれ、みんなで応援だ」。根木さんが呼びかけると児童たちは一斉に反応した。「がんばれ、がんばれ」と声があがり、手拍子が巻き起こる。その応援に後を押され、大林さんのシュートが決まるとひと際大きな拍手が起きた。

次は根木さんの模範試技。慣れているはずの車いすバスケットだが、なかなかゴールが決まらない。「もう1度、もう1度」と人さし指を立て、根木さんは何度もシュートを繰り返す。声援は次第に大きくなり、やがてゴールが決まると、児童たちはまるで自分が決めたように大騒ぎした。「ありがとう。この拍手と応援なんだ。それが僕を勇気づけてくれた」。根木さんは児童たちに応援の大事さ、応援をうけてがんばる価値を強く訴えた。
続いて4年生、5年生、先生の代表同士による3試合。全員が出場できるわけではないが、応援を通して体育館はひとつになった。


ヒーローとは影響を与える存在…

根木さんは児童の問いかけにこう答えている。「シュートは入るより落ちる方が多い。それでも入るまでがんばる心、それを応援する思いやり、応援に応えてまたがんばること。それができることがヒーローだと思う。だから、みんなヒーローになることができる」
大林さんは自身のヒロインだったアニメ「アタック・ナンバーワン」の鮎原こずえを例えに、「失敗は皆、経験している。でも練習しないと上手にはならない。必ずできるように何度も、何度も練習すること」と訴えた。

ふたりが伝えたかったこととは、失敗を恐れず繰り返し挑戦する心、ほかの人の挑戦を我がことのように応援し、応援に応えて夢の実現に努力する姿の尊さであったように思う。そして、それができることこそヒーロー、ヒロインの条件ではないか、と…。
「こうした機会を得て、これをきっかけに子供たちががんばる心、協力し合う気持ちを育んでくれればと思います」と木田校長。

夢への挑戦と一言でいうが、大きな壁は必ず存在する。まして社会という大きな単位ならばなおさらである。日本は2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を通して、障害のある人、ない人、高齢者と若者、幼い者たちがともに共存していく社会の実現を探る。容易い話ではないが、こうしたスポーツ界のヒーロー、ヒロインによる授業に影響をうけた子供たちが困難に挑む心を持ち続けてくれれば、それがHEROsが求める社会貢献といえるのではないのか。そこまで考えたとき、改めて思う。HEROとは社会に影響を及ぼす存在である、と…。

関連リンク
HEROs ウェブサイト
財団HEROs インスタグラム








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