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2018年07月31日(Tue)
海の危機、国連海洋法条約だけでは不十分
政府間パネルの設置、重ねて支持表明
マルタ共和国首相、日本財団と新たに覚書


持続可能な海洋の開発について日本財団とマルタ共和国政府は7月30日、MOU(了解覚書)に署名、引き続き協力関係を強化する方針を確認した。またジョセフ・ムスカット首相は特別講演で“海の憲法”である国連海洋法条約(UNCLOS)を評価しながらも、多様な海の問題に横断的・総合的に対処するためには不十分な面があると指摘、笹川陽平・日本財団会長が昨年6月の国連海洋会議で提案した海洋問題を国際的に総合管理する政府間パネルの設置を支持する考えを重ねて表明した。

MOUを交換。左から笹川会長、海野常務理事、アベラ外相、ムスカット首相

MOUを交換。左から笹川会長、海野常務理事、アベラ外相、ムスカット首相


地中海の島国、マルタ共和国は人口約44万人、国土は東京23区の半分程度ながら、1967年にバルドー国連大使が深海底の開発について「人類の共同財産」の考えを打ち出し、1982年の国連海洋法条約採択への流れを作るなど、海洋問題で世界をリードする立場にある。ムスカット首相は昨年9月の国連本会議でも、いち早く政府間パネルの設置に支持を表明していた。

日本財団は2003年から、マルタ共和国にある国際海洋法研究所(IMLI)で海事・海洋法に関する国際的な人材育成を進めるなど協力関係にあり、今回、初の覚書交換で、海洋の保護に向けて協力関係を一層、発展させることになった。この日は日本財団の海野光行常務理事とマルタ共和国のカルメロ・アベラ外務大臣が覚書に著名。笹川会長は「人類に大きな危機が迫っているのに国際的な認識は低い」と国際社会の現状に警鐘を鳴らした上で、「われわれとマルタ共和国の考えは一致している」と今後の協力関係の強化に意欲を見せた。

次いでムスカット首相が特別講演。乱獲に伴う漁業資源の枯渇や急速に進む海洋の温暖化・酸性化、毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込む海洋汚染など深刻な海洋の現状に言及した上で、「海洋法条約は『海の問題に総合的に対処する』としているものの、現実には組織が細分化、基準も複雑化しており、効果的で持効性のある対策を打ち出すのは難しい状況にある」と指摘。その上で、海が直面する深刻な脅威に対抗するためにも持続性のある海洋ガバナンスが欠かせないとして、政府間パネル設置の必要性を強調した。

マルタ共和国はシチリア島(イタリア)の南に位置し、近年は日本に対する黒マグロの輸出国として知られるほか、第一次大戦で、当時の同盟国・英国の要請を受け地中海に派遣され、ドイツ潜水艦の魚雷攻撃を受け大破した駆逐艦の乗組員ら戦没者の墓地があることでも知られている。
タグ:マルタ ムスカット首相
カテゴリ:海洋







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