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2018年05月08日(Tue)
職親プロジェクトにインターンシップ
多摩少年院などモデル矯正施設で試行実施
概要と成果を報告 第16回東京連絡会議


少年院や刑務所を出た人に働く場と住居を提供する「日本財団職親(しょくしん)プロジェクト」の第16回東京連絡会議が4月18日、東京都八王子市の法務省多摩少年院会議室で開かれた。多摩少年院をモデル矯正施設として試行的に実施したインターンシップの実施概要と成果を日本財団が報告し、今後の課題と展開について話し合った。職親(受け入れ)企業、法務省、厚生労働省などから約40人が参加した。

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第16回東京連絡会議の全景



職業の選択や適性の見極めを目的として、就業体験の機会を提供するインターンシップ。日本財団と多摩少年院は3月15日、職親企業の草分け的存在である、お好み焼店チェーン「千房」(本社・大阪)の「千房セレオ八王子支店」で、多摩少年院在院者のインターンシップを実施。少年院側が選んだ少年1人が店内で1日、サラダ調理やお好み焼きの仕込み、野菜カット、清掃業務など一連の流れを体験した。

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多摩少年院統括専門官の大門貴彦さん(左)と市田秀一さん



実施・調整に当たった多摩少年院の大門貴彦・統括専門官は会議で「初めてのことで大変だったが、院外矯正教育の一環として取り組んだ。だから矯正教育の枠組みの中で起こったことについては国側が責任を持つ、何か起きた場合には相談をして措置を決めていく、との約束事を、事前に千房さん側と取り交わして臨んだ」と経緯を紹介した。

大門さんによると、選ばれた少年の反応は非常に良く、実施前日から、どうだろう大丈夫だろうか、と非常にどきどきしていたが当日、実際に店に連れていくと、最初のがちがちの様子が、帰ってくる時には、少し意気揚々というか、道を見つけたと、いうような雰囲気に一変したという。

少年の作文の抜粋が会場で紹介され、そこには「夢は千房の店長になること」と書かれていた。大門さんは「面倒をみてくれた店長が非常に熱心な人で、付きっ切りで教えてくれた。その働く姿を見て自分の将来の姿と重ね合わせ、あこがれの人だ、みたいなことになり、出院してから千房で働き、店長になることが夢だ、となった。最初の試みとしては本当によかったと思っている」と述べ「この後も、やる気がある人をぜひ、しっかり指導をし、細部も調整をして、いい形で第二号、三号と送り出していきたい」と語った。

同僚の市田秀一・統括専門官も「インターンシップは矯正教育に、すごく効果があると考えている」と話し、全国の在院者が一人でも多く改善・更生していけるよう、各方面の協力を要請した。

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情報を共有する職親企業の皆さん



日本財団職親プロジェクト担当の廣瀬正典は、今回の成果として、就労意欲の向上、企業との意思疎通の拡大、出院後「働くこと」に対する不安の軽減、がみられたと紹介した。これに対し課題として、実施場所にビル管理会社のような他社が絡む場合、同社の理解と協力が必要、宿泊が伴う場合の宿泊調整、少年院側の人的負担に伴う開催回数の制限、などを指摘。

今後の展開としては、実施企業数を増やすこと、保険・責任の問題、職親企業と法務省との協議やスケジュール調整−の問題を挙げた。出席した職親企業のうちの多くが、インターンシップへの参加に意欲を示した。

日本財団職親プロジェクトでは、多摩少年院のほか、加古川刑務所、佐賀少年刑務所をモデル矯正施設として、既存の仕組みにないプログラムで再犯防止に取り組んでいる。加古川刑務所では、建設関係の職業訓練を受けた、残り1年で出所のめどが立っている受刑者に対し、社会復帰準備訓練の形で16時間の訓練と実技を刑務所内で実施した。佐賀少年刑務所では、電気通信関係の職業訓練の枠の中で、職親企業が刑務所内に入って講師を務めたという。

どの施設の取り組みも、企業と受刑者などとの接点を増やすほか、社会の要請に合った訓練を通じて、両者のコミュニケーションを絡めた組み合わせや職場定着から、再犯防止を図る。



● 日本財団再犯防止プロジェクト ウェブサイト







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