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2018年03月02日(Fri)
3地域に460校完成し落成式
14万人が学ぶプロジェクトに
日本財団のミャンマー学校建設


ミャンマーの3地域で進められている日本財団の学校建設事業で計460校が完成、3月1日、最大都市ヤンゴン近郊のイラワジ管区エーヤワディ地域で落成式が行われた。3、5の両日には残るシャン州とラカイン州でも記念式典が行われる。約14万人の児童生徒が学ぶプロジェクトに成長しており、日本財団では最終的に1000校を目標に、当面3地域で計223校の建設を進める。

完成した新校舎前で落成式、多くの住民が集まった

完成した新校舎前で落成式、多くの住民が集まった


460校の内訳はエーヤワディ地域が60校、東部のシャン州が300校、西部のラカイン州が100校。ここで学ぶ児童生徒はエーヤワディ地域が約2万2000人、シャン州9万6千人、ラカイン州2万1000人、教師の数も3地域で約4800人に上り、教育を通じたミャンマーの民主化・平和貢献策として注目されている。

60校目の学校として1日、開校式が行われたのは、エーヤワディ地域・ウェーダーアスージー村の中学校に完成した新校舎。2階建て4教室にトイレなどが用意され、建設費は6万5000ドル(約690万円)。地元住民が費用の4分の1を用意したほか建設作業にも参加した。

開校式はカラフルな民族衣装に身を固めた児童生徒が出迎える中、イラワジ管区の教育関係者や日本財団、学校建設の実務を担当したNPO法人「れんげ国際ボランティア会」(ARTIC)の関係者らが出席して行われ、笹川陽平・日本財団会長は「この学校は父さんや母さんが協力して作った世界でも珍しい学校。そのことに誇りを持ってほしい」と児童生徒に語り掛けた。

子どもたちに教育の重要さを説く笹川会長

子どもたちに教育の重要さを説く笹川会長




建設費用の4分の1負担は、「自ら費用を出し合うことで自助の精神を身に付けてもらうのが狙い」(ARTICヤンゴン事務所・平野喜幸代表)で、この日の引渡しに伴い相当額全額が地域開発基金として村に贈呈され、既に約7エーカーの水田を購入、米や豆類の栽培をするほか、その利益でさらに別のプロジェクトに取り組むなど地域の活性化に利用される。

若い教師たちも登壇

若い教師たちも登壇



300校となったシャン州の式典は3日、ホッポン郡のロン・ヘイ準中学校、またラカイン州の100校目の式典は5日、シトウェ郡のチュイ・テー中学校行われる。シャン州ではNPO法人Saetanar(セダナー・日本語で慈愛)、ラカイン州ではブリッジエーシアジャパン(BAJ)が学校建設に協力、式典にはマン・ウィン・カン・タン民族代表院・上院議長、イエ・アウン国境大臣や駐ミャンマー日本大使館の樋口建史大使らの出席も予定されている。

シャン州の学校建設では、住民が提供した労働や資材を代金に換算、竣工後、エーヤワディ地域と同様、約60万円を村民が組織する開発委員会に付与され、今後、マイクロクレジットの運用などを通じて校舎の修復や地域開発に活用される。

学校建設の先頭に立つ平野ARTICヤンゴン事務所代表

学校建設の先頭に立つ平野ARTICヤンゴン事務所代表



残るラカイン州はバングラデシュと国境を接することもあってムスリム、ヒンズー教徒も多く、130を超す少数民族が住むミャンマーの中でも民族・宗教問題が難しい地域として知られる。100校の中には、民族や宗教、文化を乗り越えた教育を目指すミャンマー政府の方針もあって、ムスリムの子どもたちとラカイン、ミョーなどといった民族の子どもが共に学ぶ学校も8校建設されている。

民族衣装の女生徒が感謝の踊りを披露

民族衣装の女生徒が感謝の踊りを披露



当面、エーヤワディ地域で23校、シャン州120校、ラカイン州80校の建設が2020年から2022年までに予定されている。


● ミャンマー支援プログラム(日本財団ウェブサイト)
タグ:ミャンマー
カテゴリ:世界







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