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2018年02月15日(Thu)
共同意思決定(SDM)システムの推進目指す
NPO地域精神保健福祉機構
医師、ピアスタッフら研修参加


精神障害を持つ人たちが主体的に生きていくことができる社会づくりを目指す「NPO法人・地域精神保健福祉機構」(略称・コンボ)は、医師と患者が治療内容を決定する共同意思決定(SDM)を推進するため、2月10、11日の2日間、東京都内でSDM研修会を開いた。全国から精神科医、ピアスタッフ、コーディネーターら約30人が参加、全体研修や分科会研修などを行い、SDMシステムへの理解を深めた。

伊藤順一郎医師(正面右)、福井里江・東京学芸大准教授(同左)を案内役に開かれた全体研修会

伊藤順一郎医師(正面右)、福井里江・東京学芸大准教授(同左)を案内役に開かれた全体研修会


精神障害を持つ人たちへの治療を巡っては、医師ら専門家が治療内容を決める時代(1950年代)から、専門家が治療内容を患者に勧める「インフォームド・コンセント」(1960年代)を経て、医師が治療情報を患者に伝え、医師と相談して治療法を共に決定する「共同意思決定(SDM)」の時代に向かいつつある。このため日本財団が助成して初のSDM研修会が開催された。
まず伊藤順一郎・SHARE普及推進委員長(メンタルヘルス診療所しっぽふぁーれ院長)があいさつし、「当事者(患者)が、より当事者サイドに立った共同意思決定を行うため、SHAREシステムを有効に活用して欲しい。そのためには、診察前のピアスタッフとの共同作業が重要だ」と指摘した。ピアスタッフは医師とのコミュニケーションの援助、リカバリー体験の共有などを行い、当事者のリカバリーをサポートする。
2日目には、医師、ピアスタッフ、コーディネーターの3つの分科会に分かれ、それぞれの立場から問題点や改善点を話し合った。ピアスタッフ研修には12人が参加、SHAREシステム導入に当たって不安なことなどを中心に議論した。「医師がこのシステムを良いと思ってもらわないとできない」「医師ら専門家にピアスタッフができることを認めてもらう必要がある」「ピアスタッフは病院の権力構造の中で一番下なので、つらい立場だ」などの意見が多かった。

向かい合って座り、意見交換するピアスタッフら

向かい合って座り、意見交換するピアスタッフら



医師研修には、10人が参加し、SHAREシステム導入でどう変わったのか、などについて意見交換した。「このシステムを使うことで治療のコミュニケーションが変わってきた。あえて医者が出て行かなくても患者のサポートができるようになった」「普段の5分や10分の診察では患者の意見を聞くのは難しい。ただ、パソコンを使ってSHAREシートを作成するのは良さも悪さもある」などの意見が出された。全体として好評だったが、「このシステムを受け入れない医者をどう説得するのか」という意見もあった。

机に座り、SHAREシステム導入の効用などを議論する医師たち

机に座り、SHAREシステム導入の効用などを議論する医師たち



また、看護師や作業療法士などのコーディネーター研修には12人が参加。「精神科医療の文化を変えていく」との積極的な意見が目立ったが、「ウチの病院には個性的な医師が多いので、このシステムを使ってくれるかどうか」「ピアスタッフをどうやって決めるのか」など、疑問を持つ人も少なくなかった。
この後、参加者全員が参加し、実際にパソコンを使い、医師、患者、ピアスタッフなどの役割に分かれ、SHAREシートを使った診察、面談などの演習を行っていた。

パソコンを使って診察・面談のデモやツール演習を行う参加者

パソコンを使って診察・面談のデモやツール演習を行う参加者



伊藤SHARE普及推進委員長は「日本では医師の力が強く、患者自身の考え方がなかなか反映されない。この状態を何とかしないと、医療は良くならない。まずピアスタッフの役割をはっきりさせるべきだ。SHAREシステムはこれまで研究ベースだったが、今年4月から普及ベースにしていきたい。当面は10年ベースで進めていきたい」と、意欲を燃やしていた。
タグ:共同意思決定 SDM
カテゴリ:健康・福祉







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